【レポート】

半導体リソグラフィ会議、32nmをかけてArF液浸とEUVが激突へ

    福田昭  [2006/02/13]

    半導体リソグラフィ(露光)技術に関する世界最大の国際会議「31st International Symposium Microlithography (Microlithography 2006)」が2月20~24日に米国シリコンバレーで開催される。半導体はもちろんのこと、露光装置、光源、レンズ、レジスト材料、マスクなどのベンダー企業のエンジニアが世界各地から集まってくる。半導体製造技術の中核であるリソグラフィ技術の行方を探るには、最も適したカンファレンスである。その最終プログラム(ファイナルプログラム)がこのほど公表されたので、概要を紹介する。

    Microlithography 2006は、下記に示す6つのカンファレンスで構成されている。

    1. Emerging Lithographic Technologies(将来のリソグラフィ):2月21~23日開催
    2. Metrology、Inspection、and Process Control(検査と管理):2月20~23日開催
    3. Advances in Resist Materials and Processing Technology(レジスト):2月20~22日開催
    4. Optical Microlithography(光リソグラフィ):2月21~24日開催
    5. Data Analysis and Modeling for Patterning Control(データ分析とモデリングによるパターン補正):2月23日開催
    6. Design and Process Integration(設計と製造の連携):2月23~24日開催

    現在の半導体リソグラフィ業界では、2009年~2010年ころに量産が始まるとされている32nmプロセスにどの技術を採用するかが、大きな関心事となっている。主要な候補は2つある。1つは、ArF液浸露光技術だ。波長193nmのArFエキシマレーザーを光源とし、対物レンズとシリコンウエハーの間に液体を挟んで解像度を高めた技術である。この技術に関する開発状況は、(4)の「Optical Microlithography(光リソグラフィ)」で発表される。

    もう1つの候補は、EUV(Extreme Ultraviolet)露光技術である。波長が13.5nmと短い軟X線を光源とする、縮小投影露光技術である。この技術の開発成果は(1)の「Emerging Lithographic Technologies(将来のリソグラフィ)」で発表される。

    ArF液浸技術の解像度を高める

    Optical Microlithography(光リソグラフィ)のカンファレンスは2月21日に始まる。初日の午前は、招待講演のセッションとなっている。AMDがまず、光学近接補正(OPC:optical proximity correction)技術の過去10年を外観し、将来を展望する(講演番号6154-01)。ニコンは、リソグラフィ用光学レンズの歴史を概観する(講演番号6154-03)。そしてASMLが、EUVリソグラフィ開発の現状を述べる(講演番号6154-04)。

    午前中の後半からは、一般講演となる。IBMとASMLは共同で、開口数(NA)0.93の液浸リソグラフィ技術の性能を発表する(講演番号6154-05)。続いてASMLとCarl Zeiss SMTが共同で、液浸リソグラフィの次期フェーズについて講演する(講演番号6154-06)。Freescale SemiconductorとPhilips Semiconductor、STMicroelectronicsの共同研究グループは、65nm世代向けの液浸リソグラフィ技術を報告する(講演番号6154-07)。ニコンは、液浸リソグラフィ技術の開発状況について述べるとともに、将来を展望する(講演番号6154-08)。IntelとIMEC、サムスン電子、ASMLの共同研究グループは、液浸露光に特有の欠陥発生機構を発表する(講演番号6154-09)。また夜のパネルディスカッションでは、32nm向けリソグラフィ技術が議論される。

    2日目の2月22日午前にも、液浸リソグラフィ技術の講演が相次ぐ。ニコンと東芝は共同で、液浸リソグラフィ装置のオーバーレイ性能を基本検討した結果を報告する(講演番号6154-26)。ASMLは、液浸リソグラフィにおける欠陥の低減を議論する(講演番号6154-28)。Infineon TechnologiesとASML、IBM Microelectronicsは共同で、浸漬前と浸漬後における実験から液浸リソグラフィ特有の欠陥を調べた結果を述べる(講演番号6154-29)。IMECとNECエレクトロニクス、ルネサス テクノロジ、ASMLの共同研究グループは、リソグラフィに液浸技術を導入した効果を発表する(講演番号6154-30)。

    22日夜には、液浸リソグラフィ用材料のセッションが組まれている。DuPontが、第2世代のArF液浸向け液体材料を発表する(講演番号6154-42)。IBM(講演番号6153-59)とAMD(講演番号6153-60)がそれぞれ、液浸リソグラフィ用レジストのトップコート材料を検討した結果を述べる。

    3日目の2月23日午前には、ArF液浸リソグラフィの解像力を高める高屈折材料の講演が相次ぐ。SCHOTT Lithotecは、高屈折率レンズ材料の特性を発表する(講演番号6154-46)。トクヤマと東北大学の共同研究グループ(講演番号6154-47)、Air Products and ChemicalsとASMLの共同研究グループ(講演番号6154-48)はそれぞれ、対物レンズ用の高屈折率流体を発表する。

    最終日の2月24日は午前に、リソグラフィ用露光装置のセッションが組まれている。ここでは、液浸露光装置の発表が目白押しである。ニコンがまず、量産用ArF液浸露光装置の内容を講演する(講演番号6154-67)。続いてキヤノンが、ArF液浸露光装置の開発状況を報告する(講演番号6154-68)。そしてASMLとCarl Zeissが共同で、液浸露光装置のレンズと照明系について述べる(講演番号6154-69)。

    EUVの露光装置が登場

    Emerging Lithographic Technologies(将来のリソグラフィ)のカンファレンスは2月21日に始まる。注目は初日の午前である。ASMLとCarl Zeiss SMTが共同で、EUV露光装置の試作機(アルファ機)を発表するからだ(講演番号6151-08)。さらにニコンが、EUV技術の開発状況を述べる予定である(講演番号6151-05)。Intelからは、マスクの欠陥制御に関する報告がある(講演番号6151-04)。

    21日の夕方には、EUVの要素技術に関するセッションがある。兵庫県立大学と極端紫外線露光システム技術開発機構(EUVA:Extreme Ultraviolet Lithography System Development Association)は共同で、寿命を延ばしたプロジェクションミラーを発表する(講演番号6151-17)。2日目の2月22日は、午前にEUVのセッションが組まれている。Philips、Cymer、EUVAがそれぞれ、EUV用光源(X線源)を発表する(講演番号6151-25~27)。

    このほかにも注目すべき講演は少なくない。カンファレンス開始後の現地レポートで発表の詳細をお届けする予定である。

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