【レポート】

ISSCC 2006 - 放射性元素で半永久動作の超小型発電回路を作る

 

米Cornell Universityは、ニッケルの放射性同位元素(Ni63)を使った半永久動作の超小型発電回路を研究中である。研究成果の一部を、ISSCCで発表した(講演番号23.1)。

放射性同位元素は、アルファ線あるいはベータ線、ガンマ線などの放射線を常に発生し続けている。放射線はエネルギー線であるので、エネルギーを何らかの方法で収集して電気エネルギーに変換すれば、発電回路となる。放射性同位元素が放射線を出し続ける期間は、半減期(放射線の放出によって同位元素の半分が崩壊し、別の元素に変わるまでの期間)によって決まる。元素によっては、放射性同位元素の半減期は数十年~数百年と長い。したがって半永久的に動く発電回路を実現できる。

Cornell Universityは放射性同位元素としてニッケル63(Ni63)を選んだ。Ni63はベータ線を放出する。放出するベータ線のエネルギーは平均で17keVとそれほど高くなく、厚さ25μmの固体フィルムで簡単に遮へいできる。またニッケルは毒物でないので、扱いやすい(放射性同位元素には毒物が少なくない)。半減期は100.2年と長い。半永久的にエネルギー源として使える。ISSCCの講演では、無線ネットワーク接続された小型端末の電源といった用途が考えられると説明されていた。

放射線のエネルギー量はもちろん、放射性同位元素の量に依存する。講演によると、Ni63の場合は2mm角のフィルムで10keV程度のエネルギーを放出するという。

実際の発電には、静電気と機械振動を利用する。一方を固定した導電性のカンチレバーの自由端付近に、Ni63のフィルムを固定配置する。ベータ線によってカンチレバーの先端が帯電し、Ni63フィルムに引き寄せられる。カンチレバーとNi63フィルムが接触すると帯電電荷が移動して中和され、カンチレバーが元の位置に戻る。再びベータ線によってカンチレバーが帯電する。これを繰り返す。この繰り返しはカンチレバーの機械的な振動(数十Hz)となって現れるので、カンチレバーにPZTフィルムなどの圧電素子を取り付けることで電気エネルギーを取り出せる。

なおカンチレバーとNi63フィルムのギャップが広がると帯電電圧の最大値が高くなる。利用できるギャップはかなり狭く、2mmを超えない値である。2mmを超えると帯電電圧が高すぎ、カンチレバーとNi63フィルムの接触がブレークダウンを起こす可能性が高い。

カンチレバーの機械振動を長く続けるためには、適切なギャップ長がある。適切なギャップ長で振動させたとき、23%と高い変換効率を得た。ただし出力は70nWと、かなり低い値にとどまっている。PZTフィルムの出力電圧は10mVpp~10Vppである。

またシリコンpn接合ダイオードにベータ線を照射することで、電気エネルギーを直接取り出すこともできる。実験では、オープン出力電圧160mV、短絡電流35nA、出力電力3nWを得た。変換効率は1.8%とまだ低い。



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