【レポート】

CES 2006 - 基調講演でGoogleが動画販売の新サービス、家電業界に苦言も

1 Google創設者の1人Larry Page氏、オープンスタンダードの意識に欠ける家電業界に不満をぶつける

    Yoichi Yamashita  [2006/01/10]

    CES 2006最後の基調講演に登場したのはGoogleの創設者の1人Larry Page氏だ。開発中のいくつかの技術のデモを披露すると共に、「Google Video」を通じたビデオ販売/レンタルサービスやソフトウエア・パッケージ「Google Pack」を発表した。

    Page氏の母校でもあるスタンフォード大学のチームが開発した無人自動車「Stanley」に乗って登場

    白衣姿で講演するPage氏。肩書きは製品担当の社長

    家電展示会のCESにGoogleが参加するということで、開催前にはGoogleブランドのパソコンや携帯電話など様々な噂が飛び交っていた。だが、GoogleはGoogleだった。Page氏は、Google Labsのロゴが入った白衣を着て、無人ロボット自動車レース「DARPA Grand Challenge」を制したスタンフォード・レーシングチームの「Stanley」に乗って登場。講演用のモニター画面ではなく、自分の手に持った下書きの紙を見ながら話し、大事なところでは要点をまとめるなど、まるでPage氏の講義を聴いているような気分になる基調講演だった。

    同氏はまず消費者に近い視点から、オープンスタンダードの意識に欠ける家電業界に不満をぶつけた。以前CESに参加したとき、デジタルカメラを簡単にパソコンやストレージに接続して写真をやりとりできないことに驚いたという。ギークが集まる展示会なのに、消費者のためになるソリューションが提供されていないことが不思議だった。そのような矛盾の身近な例として挙げられたのがACアダプターである。メーカーや機器ごとに異なるため、家の中にはACアダプターが増える一方だし、旅行や出張にも数多くの電源を持ち歩かなければならない。規格が統一されていれば、消費者がより便利に電化製品を扱えるようになるのに、実現の動きはない……。逆に好例としてUSBが挙げられた。USBでは同じ1本のケーブルを使って様々な種類の機器を接続でき、それが機器の用途の拡大や、ユーザーの利便性の向上につながっている。インターネットも好例の1つだ。インターネットに接続することで、直接接続できない機器同士でも情報やデータを共有できる。だからWi-Fi機能を備えたデジタルカメラの登場は消費者のための進化と言えるが、過去をふり返ると消費者に利便性をもたらす機能は後回しにされているのが現状だ。このような状況はGoogleだけでは改善できないので、業界全体がオープンスタンダード重視の意識を持って取り組んでほしいと訴えた。

    次に取り上げたのはデジタル格差だ。講演が始まるまで壇上のスクリーンには、人々がGoogleで実際に検索しているキーワード例と、地球儀が映し出されていた。地球儀からは何十本もの光の柱が伸びている。これらはGoogleのサービスの使用量をあらわしており、インターネットの普及状況を判断する材料にもなる。基調講演は米国の午後4時開始で、夕方から夜にかけての米国の都市の上には高い光の柱が何本も立っていた。一方、南米やアフリカは暗く、ほとんどアクセスがない様子だ。このような格差を憂慮して、GoogleはMITのMedia Labが開発している$100ラップトップを支援している。これは発展途上国の子供たちに教科書を配るようにノートPCを配布しようというプロジェクトで、文字通り1台100ドルでの提供を目指している。

    ユーザーが実際に行った検索キーワードの例とGoogle利用状況をあらわした地球儀。同じ大陸でも明るい北米に対して南米にはほとんど光の柱が立っていない

    MIT Media Labの$100ノートPCを紹介するPage氏

    車のナビゲーションもGoogleで

    Googleの製品ではまずモバイル分野が取り上げられた。Volkswagen(VW)と共同で開発している自動車用「Google Earth」だ。車のダッシュボード上のオンスクリーンキーボードを使って、パソコンでGoogle Earthを利用するのと同じ様に操作する。3D映像による仮想ドライブやサテライトモードの表示も可能。Googleのローカル検索も利用できる。さらに携帯電話による地図検索/ローカル検索「Local for mobile」も披露された。

    VWと開発している自動車用「Google Earth」の入力画面

    自動車用「Google Earth」、入力しているときはこんな感じ

    自動車用「Google Earth」、立体的な映像で仮想ドライブ

    携帯電話用ローカル検索。この日Googleはモバイル検索でMotorolaとの提携を発表した

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