【レポート】

CES 2006 - ひとまわり大きくなった世界最大の家電展示会、期待感も過去最大?

    Yoichi Yamashita  [2006/01/05]

    1月5日(米国時間)から4日間の日程で米ネバダ州ラスベガスにおいて、世界最大規模の家電製品の展示会「2006 International CES」が開催される。

    同じラスベガスで秋に開催されていたCOMDEXがインターネット・ITバブル崩壊後に衰退したのとは対象的に、CESはここ数年着実に規模を拡大してきた。今年は、メイン会場のLas Vegas Convention Center(LVCC)のほか、Alexis Parkをハイパフォーマンスオーディオの専門会場、そしてラスベガスのもう1つのコンベンションセンターであるSands Expo and Convention Centerを「Innovations Plus」専門の展示場としている。Consumer Electronics Association(CEA)のイベント・カンファレンス担当副社長であるKaren Chupka氏によると、「160万平方フィートの会場スペース、約2500の出展者など、過去最大規模のCESになる」という。さらに周辺のカジノホテルでも、CES開催にタイミングを合わせたイベントやセミナーが数多く予定されている。このようにラスベガスのストリップ地域全体を巻き込んだイベントとなっている点では、COMDEXの最盛期に近い勢いが感じられる。となると、その後の急降下も再現されるのでは……という不安も頭をよぎるが、CESには安定感というか、まだ伸びしろが残されているように思える。それを証明するのが、今回の基調講演の顔ぶれだ。まず例年通り、開幕前夜にMicrosoftのBill Gates会長によるプレショー講演が行われる。5日(米国時間)朝のオープニング基調講演はソニーのHoward Stringer会長兼CEOだ。午後にはIntelのCEOであるPaul Otellini氏が登場する。注目は2日目で、午前中にYahoo!のTerry Semel会長兼CEO、午後にGoogleの共同設立者の1人Larry Page氏の講演が予定されている。これまではハードウエアを中心に、通信関係から1人というようなラインナップがCESの基調講演だったが、今年はネット上の情報整理を専門とする2つの注目企業のリーダーの登場である。これはITが、市場をパソコンから家電へと広げていることの現れであり、この動きに敏感に反応しているCESは、"世界最大の家電展示会"でありながら、同時に消費者向けITの動向を知るためのイベントとしても注目されている。

    過去の取り組みが形になり始める2006年

    開幕まであと2日という状態で、LVCCCでは急ピッチで会場設営が進められている。今年の見所としては、まず初日に基調講演を行うIntelの家庭向けのデジタルメディア・テクノロジのプラットフォーム「Viiv」の詳細だ。搭載製品、対応するコンテンツやサービス、ソフトウエアなども注目される。Viivというと、OSにMicrosoftのMedia Center Editionを採用している。そのMicrosoftは、LVCCの駐車場に2つの特設テントを準備しており、その入り口には「Windows Vista」「Windows Media Player 11」と書かれていた。おそらくGates氏の基調講演では、Vistaに関してリリースを見据えた話が披露されるだろう。またWindows XP向けに一足早く提供されると思われる次期メディアプレイヤーも主役の1つであるようだ。

    準備中のMicrosoftのテント。入り口には「Windows Media Player 11」をフィーチャー

    Apple Computerのビデオ対応iPod発売とiTunes Music Storeでのビデオ配信開始をきっかけに、米国では携帯機器でのビデオ利用が注目されるようになった。携帯電話もその1つであり、CingularのHSDPAに対応する端末やサービスの登場が期待されている。またビデオオンデマンドではなく、DVB-HやQualcommのMediaFLOを利用したリアルタイムの放送も市場確立を狙う。

    CES Unveiled: ライブデモではなかったが、MediaFLOを利用して、どのような放送を携帯で楽しめるようになるかを説明

    CES Unveiled: Motorolaが3日(米国時間)に発表した「ROKR E2」。iTunes搭載携帯電話で話題となったROKRだが、E2は多様なオーディオフォーマットに対応するのが特徴。SDカードスロットを備える

    CES Unveiled: PlantronicsのBluetootヘッドセット「Pulsar 590A」。すでに発売されているが、CES UnveiledではiPod用の無線ヘッドフォンとしての利用をアピール。「もしiPodがBluetoothを内蔵したら、もっと使いやすくなる……ウフフ」と意味深なコメントをしていた

    CES Unveiled: Sony Ericssonのウォークマン携帯「W600」。ブースでは音楽機能よりもプレイしやすいゲーム機能の方を積極的にアピールしていた……

    家庭のリビングルーム向けではフルHD(1080p)がキーワードになりそうだ。大画面が好調なテレビでは、高解像度に優れる点をアピールするLCDに対して、プラズマのフルHD対応が注目点の1つとなる。次世代DVDの規格争いは、それぞれが具体的な段階に向けて動き始めた。CES直前にパイオニアがデスクトップPC向けのBlu-ray Disc/DVD記録装置を1月末に出荷すると発表。Blu-ray Disc Associationは5日夜にプレス向けイベントを予定している。対するHD DVDは、Bill Gates会長の基調講演後に近くのホテルでプレスカンファレンスを行う予定だ。HD DVDを支援するMicrosoftと連携した発表が行われるかもしれない。ホームネットワーク分野では、プレスカンファレンスを用意しているDigital Living Network Alliance (DLNA)、WiMedia Allianceのほか、HomePlu Powerline Alliance、Multimedia over Coax Alliance (MoCA)など、各イニシアチブのここ数年の取り組みの成果が形となって現れる年になりそうだ。

    CES Unveiled: MIMOチップを提供するAirgoは有線に負けない無線環境の実現をアピール

    CES Unveiled: 台湾WistronがWindowsベースのWi-Fi/GSMデュアルモードの携帯電話を展示

    CES Unveiled: PC/Mac対応、優れたデザインで人気のIPEVOのSkype用端末。上はコードレスヘッドセット「Fly-1」

    CES Unveiled: Motorolaが3日に発表した小型Bluetoothヘッドセット「H5 Miniblue」。サイズは33×41ミリで、重量は約7.37グラム。耳に押し込んで使用する。ケースは充電器を兼ねている

    CESでも少しずつ存在感を示し始めたゲーム。MicrosoftがXbox 360を発売したこともあり、ソニーがHoward Stringer氏のオープニング基調講演でPlayStation 3に関する新情報を公開するのでは……と期待されている。ただし米国では、3月にGame Developers Conference(GDC) 、5月にE3と、上半期に大きなゲームイベントが続くため、家電向けのCESを避ける可能性もある。同様にデジタルカメラも2月末にフロリダ州でPMAが開催されるため、CESでの新製品発表は控えめになりそうだ。

    さて、3日(米国時間)にはSands Expo and Convention Centerで「CES Unveiled」というプレス向けのプレイベントが開催された。CES Innovations 2006 Awardsの製品を紹介するためのイベントである。会場ではスポンサー企業による展示も行われていたが、すでに発表済み、発売済みの製品が多い。2日前から手の内は明かせないということだろう。そのようなイベントにもかかわらず、会場を埋めつくすような人数の報道関係者が集まり、CESの動向を熱心に取材していた。今回は報じる側のボルテージも相当高まっているようだ。

    CES Unveiled会場。ちなみにこれは始まってすぐではなく、終了30分前。2日前なのに、すでに多数の報道関係者がラスベガス入りしている

    CES Unveiled: RaySatの車載用双方向衛星コミュニケーション・システム。移動する車内で衛星テレビ放送やインターネットの利用が可能になる

    CES Unveiled: Lexarの「JumpDrive Mercury」。ストレージの空き容量をひと目で確認できる目盛りを搭載している。ディスプレイにはEinkの電子ペーパーを採用

    CES Unveiled: ギターの老舗Fenderは、ハローキティ・モデルでコブランディングの可能性を説明

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