【レポート】

真の上級者以上に捧ぐ! 無刻印+キータッチにもこだわる「Das Keyboard」

1 指先に優しいキー押下圧へ変化

湯木進吾
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Das Keyboard

「最初は何となく興味をそそられただけだった。でも、使い出したらタイピングが楽しくなってきて、同僚からは尊敬のまなざしで見られるようになったんだ。もう普通のキーボードには戻れないね」

「それとなく試すだけのつもりが、いつの間にかやめられなくなってしまった。これほど快適にフィットするキーボードは他にない」

「最高のタッチとパフォーマンスだ。タイピング速度は上がったし、タイプミスもめっきり減った。夢のようなキーボードがやってきたんだ」

MetadotのDaniel Guermeur CEO兼社長

かなり大げさな響きもするものの、こんなユーザーからの声を紹介して、シックな無刻印キーボード「Das Keyboard」の販売を、欧米で熱心に進めている会社がある。キートップに刻印のないキーボードならば、PFUの「Happy Hacking Keyboard」シリーズなどが、すでに日本では有名だろう。しかしながら、Das Keyboardの開発・販売を手がける、米MetadotのDaniel Guermeur CEO兼社長からは、無刻印キーボードの新境地に達しようとする意気込みが感じられる。

Guermeur氏へのインタビューを通してDas Keyboardの詳細を知れば、冒頭で紹介したユーザーレポートも、少しは真実味を帯びてくるかもしれない。今回は、日本上陸も視野に入れて、販売チャンネルを強化しているDas Keyboardの実態に迫ってみようと思う。

ただの無刻印キーボードではないこだわり

実は、Guermeur氏が率いるMetadotは、オープンソースのポータルソフトウェア「Metadot Portal Server」などの製品をメインに扱っており、ハードウェア開発との直接的な関係は少ないようだ。では、なぜいきなりDas Keyboardのようなハードウェアを扱い始めたのだろうか? それは、プログラマーでもあるGuermeur氏の、長年のパーソナルなプロジェクトに負うところが大きいとされる。

「プログラマーとして、毎日これほど多くの時間をPCの前で費やしながらも、どうしても自分のタイピングに満足できませんでした。もっと速く正確に打てるようになりたい……。その思いでキーボードを眺めていて、もしかすると自分に本当にフィットした、タイピング性能を向上させられるようなキーボードを使っていないことが原因ではないか、と考え始めたんです」

と、Guermeur氏は語っている。

無刻印のDas Keyboardを見て、よくある反応の中には、キートップの刻印くらい自分で消してしまったらいいだけじゃないか……というものも挙げられるだろう。実際、欧米ではDas Keyboardの登場以来、キーを無刻印にして、自作の「Das Keyboard」ライクなキーボードを完成させました、といった内容のブログなどが、少なからずアップされて話題になっているという。

しかしながら、Guermeur氏は、Das Keyboardが単なる無刻印キーボードではない最大の理由として、考え込まれたキー配置と、その仕様へのこだわりを挙げる。

「キータッチで入るスイッチ部分を徹底解明することからスタートしました。そして、一般的なキーボードは、キー押下圧が55gに統一されているケースが多いのに対して、Das Keyboardは、キー押下圧に5段階のレベルを設定し、巧みに変化をつけることで、疲労を最小限に抑える快適なタイピング環境を実現しました」

と、Guermeur氏は説明する。

Das Keyboardのキートップ

本来は無刻印だが、実際のキー配置レイアウトはこのようになる(キー押下圧の違いはカラーで示されている)

Das Keyboardの主要なキー押下圧は45gになっているものの、小指で入力する部分は35gに設定。一方、ShiftキーやTabキーなどの押下圧は55g、Enterキーなどの押下圧は65g、親指での入力を想定して、最下段のCtrl / Windows / Altキー、スペースバー、さらにはNum Lockキーなどの押下圧は80gに調整されているという。この5段階のキー押下圧に対するユーザーの反響が、なかなか好評であると、Guermeur氏は明らかにした。

また、Das Keyboardのキーストロークは、3,000万回以上の入力に耐える長寿命を実現、工場での厳しいテスト環境をクリアして完成に至ったこともアピールされている。耐久性に優れ、キータッチにこだわった高性能キーボードを、無刻印で……。そんな願いをかなえた製品が、Das Keyboardとして売り出されることになったのだ。

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インデックス

目次
(1) 指先に優しいキー押下圧へ変化
(2) アバンギャルドにマルチ市場へ

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