【レポート】

SC05 - スパコンTop500の発表、日本のスパコン退潮は顕著

SCはスパコン関係で世界最大の学会であり、スパコン関係のいろいろな表彰が行われる。その中で最も有名なのがTop500の更新で、特にそのトップやトップ10には世界中の注目が集まる。Top500のサイトに公表されたTop10のリストを以下の表に示す。Processorsはプロセサコアの個数で、Yearは設置された年、Rmaxがランキングを決めるLinpackの性能値、Rpeakはピーク性能値を示している。これらの性能値の単位はGFlopsだ。

Top500ランキング
Rank Site Computer Processors Year Rmax Rpeak
1 DOE / NNSA / LLNL (United States) BlueGene/L - eServer Blue Gene Solution(IBM) 131072 2005 280600 367000
2 IBM Thomas J. Watson Research Center (United States) BGW - eServer Blue Gene Solution (IBM) 40960 2005 91290 114688
3 DOE / NNSA / LLNL (United States) ASC Purple - eServer pSeries p5 575 1.9 GHz (IBM) 10240 2005 63390 77824
4 NASA/Ames Research Center/NAS (United States) Columbia - SGI Altix 1.5 GHz Voltaire Infiniband (SGI) 10160 2004 51870 60960
5 Sandia National Laboratories (United States) Thunderbird - PowerEdge 1850 3.6 GHz Infiniband (Dell) 8000 2005 38270 64512
6 Sandia National Laboratories (United States) Red Storm Cray XT3 2.0GHz (Cray) 10880 2005 36190 43520
7 The Earth Simulator Center (Japan) Earth-Simulator (NEC) 5120 2002 35860 40960
8 Barcelona Supercomputer Center (Spain) MareNostrum - JS20 Cluster PPC 970 2.2 GHz Myrinet (IBM) 4800 2005 27910 42144
9 ASTRON / University Groningen (Netherlands) Stella - eServer Blue Gene Solution (IBM) 12288 2005 27450 34406.4
10 Oak Ridge National Laboratory (United States) Jaguar - Cray XT3 2.4GHz (Cray) 5200 2005 20527 24960

今回のトップは6月と同じLLNL(Lawrence Livermore National Laboratories)のBlueGene/Lだが、6月には32Kチップ、64Kコアであったのを、倍増して64Kチップ、128Kコアとし、性能は2倍強の280TFlopsを叩き出してダントツのトップを維持した。そして第2位もIBMのWatson研究所に設置されたBlueGene/Lで、LLNLの約1/3の規模。これらは今年6月の順位から変動はない。3位は新顔でLLNLに設置された1.9GHzクロックのPOWER5プロセサを10160個使用するASC Purpleが取った。そして前回3位のItanium 2ベースのNASAのColumbiaは4位に後退した。5位はSandia National LaboratoriesのDellのPowerEdgeベースで3.6GHzのXeonを8000個使うThunderシステム、6位は同じくSandiaの2GHzのOpteronを10000個使うCRAYのRedStormで、36.2TFlopsだった。

そして、かつて2年半トップを張ったわが国の地球シミュレータは、前回の4位から7位転落した。しかし、大部分のシステムが2005年設置という中で2002年のシステムとしては大健闘である。とは言え、来年6月には東工大のピーク100TFlopsのシステムが動くはずで、国内トップからも滑り落ち、世界のTop10の地位も危ないと思われる。

次のグラフは、Top500の中で日本のシステムが何システムあるかの比率を1995年からの10年間の推移を示したものだ。

Top500における日本製システムの比率の推移

1998年中頃まではTop500の15~20%が日本のシステムで、日本はスパコン大国であったのだが、それ以降は坂道を転げ落ちる退潮で、今回のTop500では日本のシステムは僅か21システム、4.2%しかない。スパコンは科学技術の推進に不可欠の道具であり、天然資源が少なく人口が多く、科学技術で食っていかざるを得ないわが国としては、お寒い状況といわざるを得ない。



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