【レポート】

ユーザーインタフェース技術は会議とインターネットで磨かれる

4 写真管理の研究は多かったが……

    美崎薫  [2005/12/14]

    写真を扱う発表は多かった。じつは、昨年のインタラクション2004で、筆者は写真を扱う「記憶する住宅」を発表しているのだが、じつに残念なことに、今年の写真の発表で、「記憶する住宅」をリファーしているものは皆無だった。別に参考にしてほしいわけではないのだが、その結果として、「大量の写真を扱う」としている今年の発表で、その多くは「大量」のことを数百枚と想定しているものが多かったのは残念だ。ポスターセッションは査読がないことが影響しているのかもしれない。

    筆者自身の例を出して恐縮だが、今回のインタラクションでは、1日で400~450枚の写真を撮っている。それは特別な分量ではない。数百枚というのは1~2日で撮ってしまう分量だ。1日に100枚写真を撮るときの写真の単位を1ミサキと呼ぶのだそうだが、300枚はたった3ミサキだ。その枚数を分類できたとしても、筆者の用途では実用にはならないし、枚数の点においては新味に乏しい研究だ。

    スケーラビリティによって問題の質は変わってくる。数百枚を扱える分類方法で、数百枚以上に拡張できる方法は少数であり、仮に数百枚を大量として満足してしまうのだとしたら、その研究にはもう発展性はないと筆者は考える。

    全体を通じて感じたのは、査読なしのポスター発表と、やや数の少なかった論文発表に対し、インタラクティブ発表の充実度の高さが特に目立っており、そのあたりのバランス感覚が次年度以降には求められるだろう。そして研究室から研究を出していくことにも、もっと積極的になってほしいと思う。魅力的な研究は、使われてこそ磨かれると思うからである。

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