【レポート】

IEDM 2005 - Intel、65nmプロセスの量産バージョンのスペックを発表

Intelは、IEDM 2005にて同社の量産用65nmプロセスのスペックを発表した。同社の量産用65nmプロセスは、昨年のIEDM 2004で発表された時点での65nmプロセスよりも、さらに高い能力を備えている事が明らかになった。

Intelは65nmプロセスで、第2世代の歪シリコン技術を導入するが、この歪をより高めてキャリアの移動度(モビリティ)を高めた。モビリティは、nMOSについてはまったく歪を与えない場合に比べて40%、90nmプロセスの歪シリコンと比べても20%増大させた。pMOSについては、より高いゲルマニウム濃度を採用し、まったく歪を与えない場合に比べておおよそ100%近く、90nmプロセスの歪シリコンと比べても30%ほどモビリティを高めた。これらは、昨年のIEDMで発表された同社の65nmプロセスのモビリティよりも、さらに高い値となっている。

そして、アニール(焼き鈍し)やインプラント(不純物ドーピング)のプロセスを改善し、短チャネル効果を抑制し、直列抵抗を改善した。アニールとインプラントプロセスの改善により、直列抵抗をnMOS、pMOSでそれぞれ35%、65%下げることに成功したという。また、DIBL(Drain Induced Barrier Lowering)はVds=1.0Vのときに、nMOS、pMOSいずれも150mV/Vとなった。

Intelの量産仕様65nmプロセスのスペック

それでは、スペックを見てみよう。Ioff=100nA/μm、Vd=1.0Vのとき、Idsat(n)=1.21mA/μm、Idsat(p)=0.71mA/μm。Ioff=100nA/μm、Vd=1.2Vのときは、Idsat(n)=1.62mA/μm、Idsat(p)=0.91mA/μmとなった。昨年のIEDMで発表されたデータは、Ioff=100nA/μm、Vd=1.0Vのとき、Idsat(n)=1.15mA/μm、Idsat(p)=0.67mA/μm。Ioff=100nA/μm、Vd=1.2Vのときは、Idsat(n)=1.46mA/μm、Idsat(p)=0.88mA/μmだったので、昨年のデータよりも、さらに3%~11%ほど性能がよくなっていることがわかる。

65nmプロセスの飽和駆動電流の比較
項目Intel(2005)Intel(2005:Metalgate)Intel(2004)AMD
Lg35nm35nm35nm40nm
Ioff100nA/μm100nA/μm100nA/μm100nA/μm
Vd1.2V1.2V1.2V1.2V
Ion(n)1.62mA/μm1.75mA/μm1.46mA/μm1.27mA/μm
Ion(p)0.91mA/μm1.06mA/μm0.88mA/μm1.03mA/μm

今回はIntelと、量産を前提とした4つの歪技術を導入したAMDの65nmプロセスで、IoffとVdの値が揃ったデータが存在したので、簡単に表を作ってみた。Ioff=100nA/μm、Vd=1.2Vでの比較だが、IntelはnMOSのデータが良く、AMDはpMOSのデータが良い。当然ながらCMOSはnMOSとpMOSがペアで構成されるので、nMOS、pMOS両方の性能がゲートの速度に影響するのである。そして、今回発表されたIntelのメタルゲートを導入した65nmプロセスの試験結果も添えたが、こちらはIntelの量産仕様のプロセスよりも高い数値を示している。同社のメタルゲート技術が、いつ頃量産仕様に導入されてくるのか興味深い。もちろん、AMDも2003年のVLSIシンポジウムで、メタルゲートの試験結果を報告している。

最も、この表(オン電流値)だけを以ってプロセスを評価することはできないのは当然だ。今回は両社とも飽和駆動電流の測定値ばかりでなく、線形領域の電流値も紹介していたが、そのように様々な観点から各種のプロセスパラメタは設定・評価されているので、この表はあくまで参考比較と考えて欲しい。

この結果、Intelの量産仕様の65nmプロセスは、Ioff=200nA/μmのとき、リングオシレータのステージ遅延は4.25psになったという。Intelでは、リングオシレータのステージ遅延は180nmプロセスより世代毎に0.73倍小さくなってきているとしており、今回の65nmプロセスも、そのトレンドに合致させることができたようだ。

既に量産をスタート

講演の最後に、恒例のダイフォトが示されたが、デュアルコアを含む4種類のダイが大きく映された。撮影は禁止されているほか、それぞれのダイがどのプロセッサに対応しているのかも示されなかったが、現時点で量産をスタートしているとのことで、従ってユーザーに同社の65nmプロセス製品が届く日も、この先そう遠くないことに違いない。



人気記事

一覧

イチオシ記事

新着記事