【レビュー】

超小型PC「Pi-BOX」でGeode LXの性能を確かめる

4 性能検証(2) / まとめ

    安達宜隆  [2005/12/07]

    Pentium Mとの比較

    超低電圧版Pentium M 1GHz搭載ノートPCのスコアを加えたグラフ

    Geode LX 800@0.9Wのスコアを100としたときの相対性能

    Sandra2005 Cache & Memory Benchmark

    参考までに、超低電圧版Pentium M 1GHz(Banias)を搭載したノートPC(東芝Dynabook SS SX、以下Pentium M)とのおおまかな性能比較を行ってみると、まずPentium Mの性能が、他の2つに対して別格であることがわかる。マーケットが違うため仕方がないことではあるが、4倍から7倍の性能差は強烈である。Dhrystone ALUやWhetstone FPUを参考にすると、「Geode LX 800@0.9W」の性能は、Pentium Mの200~250MHz前後の性能だと計算できる。メモリアクセスについては、Geode LXの方が高速なメモリを積んでいるにもかかわらず、結果はPentium Mに軍配が上がった。これは、キャッシュメモリやメモリコントローラの違いの影響だろう。Geode LXはPentium Mに比べ、キャッシュメモリで5分の1、メインメモリで2分の1程度の速度であることがわかる。

    CPU Geode LX 800@0.9W C3 (Samuel2) 超低電圧版Pentium M (Banias)
    クロック 500MHz 533MHz 1000MHz
    メモリ PC2700(DDR333) 256MB PC133 512MB PC2100(DDR266) 256MB
    HDD 東芝 MK4026GAX(2.5inch 5,400rpm) HGST IC35L120(3.5inch 7,200rpm) 東芝 MK4025GAS(2.5in 4,200rpm)
    OS Windows XP Professional SP1

    まとめ

    ファンレスの静音設計で、超小型というPi-BOX。だが、ベンチマーク結果を見る限り、VIA C3には対抗でき、Pentium Mとは違うセグメントの製品であることがわかった。ではこの結果を踏まえて、実際にどのような使用方法が考えられるだろうか?

    1つはサーバとして使用する方法である。置き場所に困らないコンパクトさ、低消費電力による電気代への貢献、そして夜中でも気にならない静音性。これらを考えると、24時間稼働の自宅サーバに向いていると思われる。例えば、CPUパワーをそれほど使用しないファイルサーバはどうだろうか。また、インターネットに公開するWebサーバにも使えるだろう。特にWebサーバならば、HDD容量はそれほど必要でないし、静的なHTMLを公開するだけならCPUパワーはいらない。よほど重たいプログラムを動かすのでない限り、十分役目を果たすことはできるだろう。最近では常時接続で、固定IPアドレスを付与してくれるプロバイダーも多くなってきたので、自宅でWebサーバを公開することも難しくないだろう。

    サーバ用途だけでなく、クライアントPCとして使用することも考えられる。例えば、オフィスや学校に導入するというのはどうだろうか。Office系のソフトやブラウザ&メーラー程度なら、性能的にまったく問題ない。またオフィスや学校では後からソフトウェアを追加する機会は限られているため、光学系ドライブを内蔵していなくてもあまり困らないだろう。液晶一体型やノートPCでは、液晶が故障したときにパソコンごと使えなくなってしまうという問題があるが、本製品ではそのような問題はない。小さいがために机の上はきれいになるだろうし、低消費電力という点ではランニングコストを下げることにつながる。まさにうってつけである。

    このように、小型で低消費電力、そして静音というメリットを活かすことで、いろいろな用途が考えられる。工夫次第でいくらでも面白いことができるだろう。本体サイズ、消費電力、ファンの音のどれもが大きいPCは世の中にたくさんある。そのようなPCに対するアンチテーゼとして、今後もこのようなPCが出てくることを期待したい。

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