【レポート】
栃木県・茂木町周辺にて23日~27日、熱気球の競技会「2005 MOTEGI熱気球インターナショナルチャンピオンシップ」が開催された。「熱気球ホンダグランプリ」の今期最終戦となるもので、23カ国(役員のみの派遣も含む)から44機が参加。来年は、同空域での世界選手権の開催も決定しており、そのプレ大会としても注目されている。
「空(そら)のF1」とも呼ばれる熱気球の競技。このホンダグランプリは、チームで参加し、各地を転戦。そしてポイントを獲得して、累計ポイント数で年間優勝を目指す。ワールド(全3戦、主に海外開催)/ジャパン(全5戦、国内開催)の2種類があり、最終戦のMOTEGIでともにチャンピオンチームが決定する。個人的には、ホンダが関わっているということが、F1との何よりの共通項のような気がする。
ただF1と1つ大きく異なるのは、マシン(=気球)の性能がほとんど変わらないことかもしれない。問われるのは、パイロットの腕と、地上からサポートするグランドクルーの総合的なチーム力なのだ。
ところで、熱気球の「競技」って何? という人も多いかもしれない。それについてはコチラが詳しいので興味のある人は参照して欲しいが、目的地への飛行の正確さを競うものや、移動距離・時間・スピードを競うもの、そして進路変更など飛行運動の正確さを競うもの、といった種類がある。その中に、細かく19種類の競技種目「タスク」が定義されており、1回のフライトで複数のタスクが組み合わされることが一般的だ。
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この大会は比較的タスクが多く、1回のフライトで最大6つも設定されている。競技は午前と午後の2回 |
こういったポイントにマーカーを落として、精度などを競う。道路の交点や、広い場所に大きな「×」マークが作られることも |
それにしても、気球って「風任せ」なんじゃないの? という人も多いだろう。確かに、プロペラなどの動力は持ち合わせていないので、基本的には風任せなのだが、バーナーを操作することで高度を変え、うまく風に乗せることで行きたい方角に進むのだ。ただ、この「風を読む」のが難しい。高度によっても変わるし、時間によっても刻々と変わる。観測のために、グランドクルーは地上から風船を上げたりもする。ちなみに、コチラに熱気球の簡単なゲームがあるので、難しさの一端なりを感じてもらえるはずだ。
国内では、熱気球の大きな大会は北海道や九州など、開けたところで行われることが多いのだが、茂木周辺には山も多く、競技の難易度は高いのだという。それでも、うまく風に乗せて目的地に飛んでいくあたりは、さすがトップ"バルーニスト"、というところだ。見ていて、まるでプロペラでも付いているのでは、と思ったほどだ。難しいコースだけに、上級者にはやりがいがあるのだろう。
今回の主会場は「ツインリンクもてぎ」で、そのほか周辺市町に副会場が数カ所用意されていた。競技が行われるのは、朝夕のみ。上昇気流が起きる昼間は危険なので、熱気球は飛ばせない。基本的に、どこから飛んでどこへ行くかはタスクの内容や気象条件によっても異なるので、直前のブリーフィングにならないと分からない。
競技の朝は早い。筆者がちゃんと見られたのは最終日の27日だけなのだが、この日のブリーフィングは朝6時10分から行われた。ライターたるもの、ヘタすればまだ起きているような時間である。基本的に早起きは苦手なほうなので、その前日はなるべく近くに、ということで、ツインリンク内のキャンプ場で野営していた(この時期のキャンプ場は、ガラガラに空いているのがまた良い)。
ブリーフィングでは、競技委員長からタスクの内容や気象条件について説明があった。それが終わってから、各チームは気球を積んだバンやトラックで移動する。筆者はバイクで来ていたのだが、こちらは地理感覚がないので、とりあえずストーカーよろしく、後を付いていくことにした。
といっても、本日の1つ目のタスクは「PDG(パイロット・デクレアド・ゴール)」、つまりパイロット自身がゴールを決める種目であったので、離陸地点もチーム毎にバラバラ。続く2つ目のタスク、「FIN(フライ・イン)」は競技本部が指定したゴールを目指すものだったので、そこまでバラバラにはならなかったのだが、観戦するときは目当てのチームを決めておき、それを追いかけるのが一番いいかもしれない。
しばらく右往左往した後、ちょうど何機かが飛ぼうとしている場所に到着した。あちこちでバーナーの"ゴーッ"という音が聞こえ、次々に気球が膨らみ、離陸していく。山の向こう側からも飛んできたりして、あたり一面、空に気球が浮かぶ様は圧巻だ。写真を撮っていて、今回ほどワイコンが欲しいと思ったことはない。
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