【レポート】

見えてきた次世代スパコン「京速計算機」、再び世界一を目指すその意義

1 地球シミュレータの陰で起こっていたこと

    大塚実  [2005/11/02]

    日本製のスーパーコンピュータというと、NECが開発した「地球シミュレータ」が記憶に新しい。スパコン("スーパーコンピュータ"の略称としては、"スーパーコン"と表記する研究者・メディアもあるが、ここではより一般的な"スパコン"を使用したい)の性能ランキングとして有名な「TOP500」リストにおいて、2002年6月に1位で登場。以降、2年間に渡って首位を守り、現在では4位となっている。

    地球シミュレータ

    地球シミュレータの登場は華々しかったが、じつはその陰で、日本製スパコンの衰退は進んでいた。1990年代の半ばまでは、リストのトップ20を見ても、半数近くは日本製のスパコンが占めていたのに対し、90年代末から米国製に徐々に押され、2002年以降はほとんど上位からは姿を消した。地球シミュレータが一時的に首位にはなったものの、衰退の流れ自体は止められなかったと言っていいだろう。

    これは何が原因なのだろうか? 復活するにはどうしたら良いのだろうか?

    だが一方で、米国からスパコンを安く買えるのであれば、日本が巨額の資金を投入して独自に開発する必要もない、という声もある。また、超高性能のスパコン1台よりも、性能あたりのコストが安いPCクラスタを多く導入した方が良い、という考えもある。

    奇しくもこの9月に、スパコンに関連するイベントが2つ開催されている。1つは、「第4回情報科学技術フォーラム(FIT2005)」において、イベント企画として設定されたパネルディスカッション「スパコン日本の時代は取り戻せるか」。もう1つは、国立情報学研究所が主催したシンポジウム「次世代スーパーコンピュータとシミュレーションの革新」だ。それぞれ、スパコンの開発側であるベンダー各社、ユーザー側である大学・研究機関から様々な意見が述べられ、方法論の違いはあっても、概ね「スパコンは日本独自で開発すべし」という結論に集約された。

    両イベントでの関係者の発言から見えてきた今後のスパコン開発について、本レポートではまとめてみたい(※各出席者の発言に関しては、パネルディスカッションやシンポジウムという場で語られたものであり、必ずしも所属するベンダー・機関等の公的な姿勢を表すものではない、ということは予めお断りしておきたい)。

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