【レポート】

Flybook、日本上陸に向かって - WPC EXPOにて日本初の製品展示

    石川ひさよし  [2005/10/31]

    WPC EXPO 2005にてノートPC「Flybook」の日本初展示が行われていた。赤・オレンジ・黄色……とカラフルなボディを壁面に展示したブースは来場客の注目を集めており、6台ほど用意されていたデモ機には多くの人が集まっていた。

    壁面ディスプレイされたFlybook

    Flybookに関しては吉井氏のレポートが詳しい。台湾・江川科技(Dialogue)のスモールノートブックPCで、コンバーチブルでタブレット形状にできるほか、SIMカード、Bluetooth、無線LANなど強力な通信機能を搭載している点などが魅力だ。今回は北九州に本社を置くソフト開発会社のモノリスが、モノリスFlybook事業部という形で出展しており、日本での発売を目指し展示していた。

    モノリスFlybook事業部のブース風景

    Flybookは、以前のレポートでは「Flybook A33iG-tri-b」という製品として、CPUにTransmeta Crusoe TM5800 1GHzを搭載した製品が紹介されていたが、日本国内ではPentium M/Celeron Mを搭載したVシリーズが展開される予定。Vシリーズが正式に展示されるのは初めてという。「Flybook V3xi」は超低電圧版Pentium M 1.1GHz、「Flybook V2xi」は超低電圧版Celeron M 600MHzを搭載し、そのほかの機能に関してはA33iに準じる。本体はA5サイズ、IEEE802.11b/g搭載、トラックポイント・マウスボタン装備、1,024×600ドットワイドディスプレイはタッチパネル、OSはWindows XP Home Edition/Professional、USB2.0やIEEE1394などを搭載する。

    展示されていたFlybook。普通のノートPCと変わらないように見えるが……

    タブレットのような形状に変形可能

    ヒンジ部が可動で左画像のような変形が可能となる

    なお、WPC開催期間中、DialogueのCEOであるジャック・リー氏の弟で、マーケティングを担当するマイケル・リー氏が来日(後日、ジャック・リー氏も来日した)。そこで、モノリス代表取締役の下田勇介氏を交え、Flybook日本国内展開における課題と展望を伺ってみた。

    マイケル・リー氏(左)と下田勇介氏

    まずはモノリスFlybook事業部という位置づけについて両氏に伺った。Dialogueとしては「ダイアローグジャパン」の設立が目標とのこと。ではモノリス内に設立されたFlybook事業部の役割はというと、Dialogueの日本国内での窓口とのこと。モノリスの日本人スタッフが、Dialogueがまだ不得意とする日本でのユーザーニーズやマーケティングといったリサーチ業務を行い、ダイアローグジャパン設立に備えるというのが役割とのことだ。

    次にマイケル氏にFlybookの現在の展開について伺った。同氏によると、Dialogueは現在、台湾、ヨーロッパ、中東、南アフリカ、そしてアメリカなどの地域に拠点を持っているとのこと。各拠点では販売のほかその地域ごとのユーザーニーズを吸い上げ、台湾にて開発・組み立てを行うといった組織構成で、世界的な企業と同様のスタイルを採っているという。

    特に主力というヨーロッパ地域でFlybookが受け入れられた背景について質問したところ、同氏はFlybookのヒットの理由を4つ挙げた。1つはSIM、Bluetooth、無線LANという通信手段の多さであり、同製品のコンセプトでもある「どこでもインターネット」が支持されたこと。2つめは機能が限定されたPDAやスマートフォンと違ってFlybookがフル機能のPCであること。3つめはカラーバリエーションなどの個性的な楽しみ方ができること。そして4つめには「持ち歩く」スタイルにぴったりのサイズを挙げた。これらの特徴をもって、Flybookに対し同氏は「Personal Computer」ではなく「Personal Culture」という言葉を当てはめている。

    では、スモールノートブックの選択肢が他の地域よりも比較的多い日本において、事業を展開する上でライバルが多いのではとの質問をしてみた。もちろんそのあたりは同氏も観察していたようだ。Libretto L5などを実際に触ってきたとのことだったが、エンドユーザーから見れば同じ小さいノートでも、実際の方向性、そして対象とする市場は異なるのではと指摘した。つまりインターネットの接続性やタブレット形状へのコンバーチブルなど、特徴(クセ)が強いFlybookだが、それが受け入れられると考えているとのことだ。

    ところで、日本では通信規格の違いからどこでもインターネットのひとつ、GPRS/EDGE/EVDOといったSIMカードが利用できない点について、それがマイナスとならないか質問してみた。同氏はその点を認めたうえで、FlybookのDNAとも言える重要なポイントであり、日本国内の通信規格に沿ったSIMの開発にむけ努力すると述べた。

    下田氏には、国内販売の予定に関して伺った。少数限定で近々のパイロット販売もあり得るとしたうえで、基本的にはユーザーの反応を見つつ、販売パートナーなどの問題を解決したいとのこと。どのような販売形態が望まれているのか見極めたいとのことだった。

    ここからはマイケル氏のインタビューを終えた後での筆者の予想だが、Flybookの日本国内での展開は、これまでショップブランドやベアボーンなどの販売形態だった台湾マザーボードベンダー製ノートブック(といっても国内メーカーOEMを除いて)と違い、Acerのようなメーカー名を前面に出した販売スタイルを狙っているような印象を受けた。その後、下田氏といろいろと話したなかで「スウォッチ」というキーワードも聞かれ、もしかしたら限定カラーなど日本独自のカスタムバージョンが実現する日が来るかもしれない。

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