【レポート】

Fall Processor Forum 2005 - 今年のテーマは"The Road to Multicore"

明日10月25日(現地時間)より、サンノゼのDoubleTree Hotelにて、In-Stat/MDR主催のFall Processor Forum 2005が開催される(Photo01)。今年のテーマは"The Road to Multicore"。名前の通りMulticoreのアーキテクチャや製品プランが色々と発表される予定だ。恒例の通り、明日から順次レポートを上げてゆくが、まずは見所を簡単にご紹介したい。

Photo01:本日はカンファレンス前日のセミナーが開催されていた。

注目の新製品

まったくの新製品、という意味ではARMが発表を予定している"A New ARM Low-Power Superscalar Processor with Advanced SIMD Support"セッションが注目である。ARM12に相当すると見られる新製品で、遂にスーパースケーラを搭載することになったあたりが注目に値する。ARMアーキテクチャのスーパースケーラ搭載製品としては、今年のSpring Processor Forumで発表されたMarvellのFeroceonが事実上スーパースケーラを実装している筈であるが、このあたりを本家ARMがどうインプリメントしてくるか興味が尽きない。

もう既に名前や概略が出ているものとしては、IBMの"Application Customized CPU Design for Microsoft XBOX 360"や"The IBM PowerPC 970MP - A New, Low-Power, High-Performance, Dual-Core Processor"は興味ある話題である事は間違いない。富士通の"SPARC64 VI/VI+: Fujitsu's Next Generation Processor"は、昨年のFPFで発表された"SPARC64 V/VI for Mission-Critical Servers"の後を受けるものである。またFreescaleの"Asymmetric Multiprocessing in a Dual-Core Processor"は、Freescale社のFTF(Freescale Technology Forum)で発表があったMPC8641/Dに関する詳細と思われる。

注目の講演

新製品とは言いにくいが、注目したい講演も幾つかある。初日の基調講演である"What Consumers Want: The Next Big Challenge in IC Design"を行うのは、Cadence Design Systemsの社長兼CEOであるMike Fister氏。そう、かつてはIntelのサーバー部門の責任者としてItaniumを推進してきたFister氏である。昨年5月に退職後、すぐに設計ツールベンダーのCadence Design Systemの社長に転じた同氏だが、どんなメッセージを出してくるのか大変に興味がある。XenSourceの"Xen and the Art of Virtualizing Multi-core Platforms"も、これまたなかなかホットな話題である。今年のIDFでもXenを利用したデモが行われたり、Fedora Core 4やSuSE Linuxに搭載されたりと、様々なシーンで名前が出てくるようになった。

仮想化続きで言えば、AMDもPacificaの詳細を発表することになっている("Pacifica: x86 Architectural Enhancements to Facilitate Virtualization")。IntelのVT(Virtualization Technology)同様の機能を提供するが、互換性は無いという程度の事しか明らかになっていないPacificaだが、どの程度の詳細が公開されるかは興味あるところだ。仮想化と直接関係するかは微妙(とは言え、無関係とも思えない)だが関心を掻き立てるのが2日目の基調講演である"Software and the Concurrency Revolution"。発表するのはMicrosoft Developer DivisionのSoftware ArchitectであるHurb Sutter氏である。

もっとも、「ではこれ以外の講演は面白くないのか?」といえばそんな事は勿論無い。他にも多くの組み込み向けプロセッサの話題が用意されているのだが、具体的な話はConferenceが開催されるまでお預け状態である。とてもではないが全部のレポートは無理、という感じだ。

Processor Forumの未来は?

今年で18年目を迎えるこのフォーラム。当初は年1回、10月頃にMPF(Micro Processor Forum)として開催されていたが、2003年からは春にEPF(Embedded Processor Forum)を開催するようになる。が、次第に普通のプロセッサとEmbedded向けプロセッサの区別がなくなってきた(というか、MPFにEmbedded向けプロセッサがバリバリ参加し続けた)結果、名前がSPF(Spring Processor Forum)とFPF(Fall Processor Forum)に切り替わった。そのProcessor Forum、色々な多角化を図ろうと努力したものの、今のところあまり芳しくない。例えば2004年にはMPFにあわせてEDF(Electronic Design Forum)を開催しようとしたものの、参加者が少なく中止したり、2004年は開催されたProcessor Forum Taiwanだが、2005年はいつのまにか予定から消えていたり、といった具合だ。そういう中、今年は日本でMicro Processor Forum Japan 2005が開催される運びになった。セッションを見ると完全にFPF2005と同じ訳ではない(例えばMike Fister氏やHurb Sutter氏の基調講演はない)が、大半は同じプログラムでしかも完全通訳つきということであり、また日本独自のプログラムも追加されているようで、「英語の講演はちょっと...」という読者にはむしろ嬉しいかもしれない。願わくばMicro Processor Forum Japanが定着して欲しいものだが、まずは肝心のFPFなりSPFの魅力が減じていないか、それを明日からの2日間でしっかり確認したいと思う。

人気記事

一覧

イチオシ記事

新着記事