【レポート】
今年のCEATEC JAPANで薄型ディスプレイと並んで注目の的となっていたのが、次世代DVD規格の覇権を競っているHD DVDとBlu-ray Disc。CEATECの2日目となった5日には両陣営の首脳が基調講演に顔を揃え、それぞれ自陣営の優位性をアピールした。
先に行われたHD DVD陣営の講演では、東芝・NECら従来HD DVDを支持してきたメーカーに加えMicrosoftなども登場し、HD DVDのメリットを訴えた。最初に登場したのは、HD DVD陣営の中心人物である東芝の山田尚志氏。同氏は冒頭でMicrosoftとIntelが新たにHD DVD陣営に加わったこと、また中国においてHD DVDベースの独自フォーマットの標準化が進められていることなど最近のトピックを紹介した。
その上で山田氏は最近のフラットTV市場の数字を持ち出して「DVDは(現在のアナログテレビの規格である)NTSC規格ベースであり、40インチを超えるディスプレイでは画像の粗が目立つ。特に最近の家電量販店の店頭では非常に明るい環境で多数のディスプレイが通路に密着するように置かれており、画像のあら捜しをするには絶好の環境だ(笑)」と語り、そのような大型ディスプレイ向けには既存のDVDを超える画質のディスク規格が必要になることをアピール。また米国において今年に入りDVD市場の伸びが急に止まり市場が飽和し始めた点を取り上げ「今年はDVDのヒット作が今のところないことも大きいが、それと同時にショップの棚が既に一杯になっており、消費者が自分の欲しいソフトを探しにくくなっている」と問題点を指摘した。
そして山田氏はその中でのHD DVDの利点として「コピープロテクションにAACSを採用しており、(DVDで使われている)CSSに比べセキュリティが大幅に向上している」「既存のDVD製造装置の大半を流用できるほか、安定したマスタリングが可能な機器も開発済み」「現在のDVDディスクにHD DVDコンテンツを入れることも認めているので、短い作品などはそのような形での供給も可能」などを挙げ、「今年中にはHD DVDの素晴らしい映像を楽しんでいただけるだろう」との見通しを示して講演を終えた。
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Microsoft・Patrick Griffis氏 |
続いて登場したのはMicrosoftのPatrick Griffis氏。同氏はなぜMicrosoftがBlu-ray DiscではなくHD DVDを選んだかについて、6つのポイントを挙げて説明した。
同氏が挙げたポイントの中では「HD DVDではハイブリッドディスクが既に実現している」点や「HD DVDディスクの生産体制が確立している」点、「HD DVD-ROMでは30GBのディスクが既に製造できる体制になっているのに対し、Blu-ray ROMの50GB版はアナウンスのみで実際の生産にはあと数年かかると見られる」点など、Blu-ray Disc陣営におけるROM媒体の準備が遅れているのに対し、HD DVDではROMに関する準備が先行したことに伴う事項を多く挙げている点が目立っていた。
またこれ以外にも同氏は「HD DVDでは全てのディスクについて、ディスク内容を合法的にHDDにコピーしたり、家庭内LANでストリーミング配信したりすることが認められている」点や、「HD DVDが中国のOEMメーカーの支持を得ており、当初から低価格のHD DVDプレイヤーが供給される可能性が高い」点、「HD DVDでインタラクティブコンテンツを実現するための規格である『iHD』規格について、HD DVDの特許プールと契約さえ結べば追加契約や料金なしに利用可能である」点を挙げ、最後に「MicrosoftはHD DVDの方が消費者にメリットをもたらすと考えHD DVDのプロモーターグループ入りした」と語っていた。
この後にはNECの早津亮一氏、日立マクセルの田村礼仁氏、東芝エンタテインメント社長の加藤鉄也氏の3人が登場し、それぞれにHD DVDの優位性をアピールした。
この中で早津氏からは「HD DVDに対応したPC用の再生ソフトを『WinDVD』『Nero』など(のベンダー)が開発中であり、おそらく今年中にはそれらのソフトが市場に出てくるだろう」との見通しが示されたほか、NECのHD DVDドライブについて「既に生産に必要な準備は完了しており、10月後半には本格的に量産を始められると思う」との予定も明らかにされた。このほか田村氏もHD DVDの記録型媒体について、HD DVD-Rだけでなく書き換え型媒体として今回存在が明らかにされた「HD DVD-Re-recordable」(名称は今後変更の可能性あり)についても安定した生産が可能であるとのデータを披露した。
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NEC 早津亮一氏 |
日立マクセル 田村礼仁氏 |
加藤氏はコンテンツホルダ側の立場から、2005年に入って日本でもDVDソフトの販売額について前年割れが続いていることから「市場の活性化のためにも新しいパッケージメディアの投入が求められている」と語り、「テレビが高品質になったら、それに合わせてパッケージも高品質にならなければならない」としてHD DVDの早期の立ち上げに期待する様子を示した。
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