【レポート】

Appleは音楽の成功をビデオで再現できるか? - Steve Jobs氏講演

 

米Apple Computerが10月12日(現地時間)、カリフォルニア州サンノゼで第5世代「iPod」や「iMac G5」などの発表会を開催した。話題はなんと言っても、Appleのビデオコンテンツ販売への進出である。iPodにiTunesとiTunes Music Store(iTMS)を組み合わせて、デジタル音楽の利用モデルを確立した同社が、ビデオ再生対応のiPodを使って、どのようにデジタルビデオ市場を開拓するかが注目点となる。

今回の発表会では、事前に劇場のカーテンを背景に「One more thing...」と書かれた招待状が送られてきた。この"劇場"、"One more thing"というのが、様々な憶測を呼ぶきっかけとなった。"One more thing"とは何か? 5週間前にAppleが「iPod nano」を発表したこともあり、Video iPodという見方が強かったが、実は違うモノを指していた。

Steve Jobs氏によるApple劇場第一幕始まり

今回はSteve Jobs氏の講演も"お芝居風"。第一幕、第二幕……フィナーレ、アンコールと進んだ。第一幕は「iMac G5」。そして第二幕に早くもiPodの登場である。「iPodが主役じゃないの……」という雰囲気の中、第三幕「iTunes 6」へと進んだ。iTMSを通じた音楽ビデオやPixarの短編映画の販売、映画の予告ビデオの提供などが紹介され、そして次の第四幕で招待状にあった「One more thing...」の文字が登場した。その意味するモノは「テレビ番組」だった。

One more thing...その正体は

TV番組、成功のカギはコンテンツということか…

第4幕では、今米国でもっとも人気の高いテレビドラマとして「Desperate Housewives」が紹介され、「次に人気が高いのは……」とJobs氏が言うと、すぐに会場から「Lost」の答えが返ってきた。「これらを放送しているのはABCで、ABCの親会社というと……Disney。彼らのことはよく知っている!!」(Jobs氏がCEOを務めるPixarの作品は以前Disneyの配給だった)。ゲストとしてDisney CEOのRobert Iger氏が登場。「Desperate Housewives」と「Lost」を含むABCとDisney Channelの5つの番組をiTMSを通じて販売することが発表された。

Pixarでは決別したが、AppleでふたたびDisneyと握手

アンコール(ミュージシャンのゲスト)はトランペッターのウイントン・マルサリス

(発表を振り返る)フィナーレでJobs氏は「(今日の発表が)何を意味するか……」と切り出した。「ひとつはホリディシーズンに向けてホットな製品を揃えたということ。しかし、それだけではない。もっと大きな意義が含まれている」。するとスクリーンに10月11日のカレンダーが映し出された。「1日前に戻ってみよう。昨日まで、私たちはiTunesで音楽を買い、Macで聞いて、iPodで持ち歩いていた」。スクリーンのカレンダーが12日に変わると「今日、私たちはオンラインでビデオを買い、それをコンピュータで楽しみ、iPodで持ち歩ける。たった1日で私たちは昨日までとはまったく違う場所にやってきた」とビデオ時代に突入したことをアピールした。

昨日までは「Buy it、Listen to it、Bring it」

今日からは「Buy it、Watch it、Bring it」が可能に

iPodの動画再生は"おまけ"!?

Appleはデジタル音楽と同じ利用モデルをデジタルビデオにも応用した。しかし、そこには様々な苦悩のあとが見え隠れする。まず「One more thing...」の正体が「テレビ番組」だったこと。これには米国の貧弱なブロードバンド事情が影響しているように思える。試しに「Desperate Housewives」の1話分を購入してみたが、43分31秒の長さのMPEG-4ファイルのサイズは209MB。320x240ピクセルと画面サイズは小さい。だが、米国の一般家庭が契約している3Mbps以下のブロードバンドサービスでは、これ以上ファイルサイズが大きくなるとストレスになりそうだ。映像のクオリティが問われず、時間がそれほど長くなくて、なおかつユーザーの興味を引くビデオコンテンツとなると、かなり限られる。その結論がテレビ番組だったのだろう

また音楽向けのiTMSが発表された時は、「iTunesで購入、Macで管理、iPodで持ち歩く」という利用スタイルがはっきりと見えていたが、デジタルビデオに関してはあやふやな面がある。Jobs氏はiMacの説明では、リモコンを使ってMacのメディア機能を操作する新ユーザーインタフェース「Front Row」のデモにたっぷりと時間を費やした。「パソコンとしての機能もこれまで同様に備えている」と後から付け加えるぐらい、新しいメディア機能を優先的にアピールした。対照的だったのがiPodで、ビデオ再生機能の追加が目玉のはずだが、Jobs氏はあくまでも音楽プレイヤーであることを強調し、「ボーナスとしてビデオ再生機能も利用できる」と説明していた。ビデオ再生に期待している人には肩すかし……である。

「iPod nano」は最初の17日間で100万台を販売

「今日は大きいiPodを一新させる」とJobs氏

新iPodでビデオ再生デモ

新iPodのビルボード広告


Appleには「ユーザーがビデオコンテンツを持ち歩くのか?」という疑問があるのかもしれない。Front Rowのデモに力を注いでいたことを考えると、デジタル音楽におけるiPodの役割を、デジタルビデオではMacに求めている可能性もある。またデジタル音楽向けにiTMSが発表された時は"デジタル音楽販売に本腰"という感じだったが、今回は"試験的"という印象も受ける。Video iPodを通じて、携帯ビデオ市場の可能性が確認できれば、よりビデオ再生に焦点を当てたiPod、または専用のポータブルデバイスが登場する可能性もありそうだ。

一方でAppleのデジタルビデオ販売に期待を持てる部分もある。iTunesを使ってコンテンツを購入・管理するというスタイルは、音楽同様、ビデオでも使いやすい。映画の予告や音楽ビデオのプレビューを見るだけでもけっこう楽しめる。また現時点で購入できるテレビ番組は5本だけだが、少ないながらも「Desperate Housewives」と「Lost」という、話題性の高さでは現在トップ2のドラマが含まれている。これは消費者を引きつけるだけではなく、ABCがこれらの番組でiTMSを試しているというのは他のテレビ局がiTMSの利用を検討するきっかけにもなるだろう。スターターとしては、もっとも望ましい番組を揃えた。



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