【レポート】

CEATEC JAPAN 2005 - プレステだけじゃない「Cell」、東芝がリファレンスボードを出展

    大塚実  [2005/10/06]

    東芝は、ブースの一角に「Cell」用の展示エリアを用意しており、性能や開発環境などの紹介に力を入れていた。Cellは、同社とIBM・ソニーが共同開発した次世代メディアプロセッサ。「プレイステーション3のCPU」として有名であるが、同社は新世代AV機器のプラットフォームとして、積極的に推進していく構えだ。

    同社が提供するリファレンスセット。デモ用に動作していた

    Cellは水冷になっていた。その右はメモリ用のヒートシンク

    CellでどんなAV機器が?

    同社のブースでは、先月発表されたばかりのリファレンスセットを使ってのデモが行われていた。1つ目のデモは4放送(BSデジタル、地上デジタル×2、IEEE1394接続のハイビジョンカメラ)の同時録画で、もう1つはHDDからの48ストリーム(MPEG-2、720×480)の同時再生だ。Cellは、「PPE(Power Processor Element)」と8つの「SPE(Synergistic Processor Element)」から構成されるマルチコア・アーキテクチャを採用しているが、この48ストリームの再生では、そのうちの6つのSPEがそれぞれ8ストリームずつデコードを担当している。

    デモその1。4放送の同時視聴・録画を行っている

    48ストリーム同時再生。TV出力時に1/3に縮小している

    Cellは組込み用プロセッサとしては、従来をはるかに上回るマルチメディア処理能力を持つ。ほとんど"別次元"とも思えるほどで、デモを見ることで性能が高いことは実感できるが、これでどういった製品ができるのか、イマイチ分かりにくいところではある。

    この点について、同社はプレゼンテーションで「ホームサーバーに応用すると、ビデオでドラマを録画して、HDTVデコーダでスポーツを、DVDレコーダで映画を……といった難しいことをしなくても、全てCellがやってくれる」と一例を紹介していた。またエンコードは全てソフトウェアベースで処理しているので、製品の購入後でも新しいフォーマットの追加が簡単に行える、というようなメリットはでてくるかもしれない。

    リファレンスボード。中央(黄)がCell、左下(青)がスーパーコンパニオンチップ

    Cellの表側と裏側。PC用の一般的なCPUよりは一回り以上大きめ

    メモリは東芝製のXDR

    Cellの電源まわり

    このリファレンスセットは、ハードウェアのほか、OS・ミドルウェア・開発環境なども用意される。来年4月以降に提供を開始する予定で、価格は未定だ。

    OSはLinuxとITRONが利用可能

    開発環境はEclipseを採用

    ウサギ型ロボでAV機器を操作

    一方、放送の多チャンネル化に伴い、「選びきれない」「見きれない」時代が近づきつつある、と主張するのが日立製作所。見たらきっと面白いのに、気付かずに見逃してしまう番組もどんどん増えそうだ。これまで、ユーザーの嗜好を学習して自動的に録画予約してくれるような製品もあったが、同社のユニークなところは、そのインタフェースとしてウサギ型のロボットを選んだ点だ。

    これがそのウサギ型のロボット

    寝ている……。表情も様々

    このロボットはカメラによる顔認識機能を持っており、テレビの前にいるユーザーが誰か判別して、各ユーザーの嗜好にあった番組を推薦してくれる。嗜好はユーザーごとに保存されている視聴履歴から分析するが、今後はユーザーの集中度や歓声などからも興味度を推測、より高精度な嗜好の学習機能を目指すという。

    マイクは顔の上下左右に計8個搭載されており、声のする方角を計算して、そちらを向くことができる。また音声認識・合成機能も搭載しているので、音声対話による指示が可能となっている。

    ちなみにこのロボット、製品化などは考えていないとのことだが、将来的にはこういった機能をAV機器に搭載していくことは検討するかもしれないそうだ。

    ロボットの構成。曲がる耳や表情のある顔など、コミュニケーションのしやすさも考慮した

    右下のグラフは音声入力のデータ。上はマイクからの生データ、下は雑音抑圧処理後のレベル

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