【レポート】

iPodが主役となった「Apple Expo 2005」

    末岡洋子  [2005/09/22]

    「gate」会場となったのは、例年通り、パリ南部のイベント会場Porte de Versailles。今年は展示面積20000平方キロメートル、出展者は250社。例年と同じ規模となった

    Apple Computerは9月20日、フランス・パリで恒例の「Apple Expo 2005」を開催した。Appleにとっては欧州でのフラッグシップイベントとなるApple Expo、今年は今月初めに「iPod nano」を発表したこともあり、主役は小さなiPodとなった。

    「iMac G5」を発表した昨年に比べると、今年は大型発表がなく.Macサービスのリニューアルのみ。そういった意味では目玉に欠けるイベントとなった。それでも、今年のExpoは事前登録者数が8万5000人。昨年の実績は6万5000人だった。

    Appleは今年、Steve Jobs CEOの基調講演を事前にキャンセルし、代替としてQ&Aセッションを設けたが、出席できたのは欧州の一部プレスのみ。セッションに参加した欧州報道関係者によると、登場したのはJobs氏はじめPhil Schiller氏(副社長)、Avie Tevanian氏(最高ソフトウェア技術責任者)の3人の幹部で、iPodとiTunes Music Storesの成功、およびそれがAppleのコンピュータ製品にもたらした影響などの話が中心だったという。なお、iPodのビデオ対応計画については「現在計画されていない」という旨をコメントしたようだ。

    Appleとソニー、自社自信作を披露

    まずはAppleのブースを見てみよう。Appleは昨年に続き、正面横一列にコンピュータを並べ、その奥に小型ステージを設定、それを囲むように、右と左に展示スペースを設けた。正面は、まだ発売されて間もないnanoが体験できるコーナーで、iMac G5とnanoをずらりと並べた。ここに立つAppleスタッフは全員、腕にnanoを付けて来場者を迎えていた。

    Appleのブース

    手に取ると、改めてその薄さに驚くnano

    Appleスタッフは全員、腕にnanoを付けて来場者を迎えていた手に取ると、改めてその薄さに驚くnano

    中央ステージでは、各製品の紹介やデモが時間を決めて行われ、来場者は熱心に聞き入っていた。初日と2日目は、立ち見も出ていた。

    Quicktime7のデモ。大型スクリーンで見ると、その鮮やかさに圧倒される

    ステージを囲むように左右両脇には、リニューアルしてパワーアップした.Mac体験コーナーなど、各種ソフトウェアや製品が並ぶ。最新の.Macはフランス語とドイツ語をサポート、地元ユーザーにはうれしい知らせとなった。

    Appleスペースの裏に構えていたのはソニーのブースだ。黒い部屋を組み立て、nanoと同日発売となったMP3プレイヤー「NW-A3000」などのオーディオ、そのほかカメラ、ビデオなど、テーマごとに製品を展示していた。開幕直前にはQ&Aを終えたAppleの幹部も立ち寄り、視察していたらしい。


    ソニーのブース

    ウォークマン Aシリーズも各種展示。とりあえず試してみようと、順番待ち状態のことも

    メモリースリックなしの最新ウォークマン携帯「W550」。視聴した来場者は、「やっぱりiPodでしょ」と言い残していった

    「ソニーらしいデザイン」と皆が手にしていたのが「DSC-M2」

    iPodアクセサリ事業が急成長?

    発売されたばかりのnano用アクセサリ

    さて、会場で人々の関心を集めていたのは、周辺機器メーカーだった。ブースの規模こそ大きくないものの、趣向を凝らしたiPod用アクセサリに来場者は思わず足を止めていた。まずはJapan Pavillionでブースを構えたTunewearから紹介しよう。発売されたばかりのnano用アクセサリをいち早く展示していた。

    Tunewearを立ち上げた恩田フランシス英樹氏(創業者兼クリエイティブデザイナー)は、Appleジャパンに約1年勤務した経験がある人物。iPod用アクセサリはすべて同氏がデザインを手がけているという。現在、ドイツ、日本、香港、中国に拠点を持ち、それぞれ設計、生産などの役割を分けて国際展開している。iPodシリーズ全体の売り上げは今年倍増が予想されており、同社もそれに呼応した売り上げ拡大を予想しているという。それにしても、「nano用アクセサリを早くも展示するなんて、すごい速度ですね」と聞くと、「(nano発表の)翌日にはデザイン、生産に入っていました」と恩田氏。この世界は「スピードが命」と続ける。ゴムやプラスティック製品は簡単だが、同社の自慢は皮製品のラインナップなのだという。なお、間もなく展開予定というゴージャスな「Jewel」ラインも展示されていた。

    キーリングとして、またはベルトに通しても使える「Ambassador」。2週間後に発売開始。日本での価格は4980円

    半透明のシリコンケース「Icewear」もnanoに対応。nanoの黒が映える。発売は3週間後で価格は2480円

    「suicaなどのカードを入れると便利」とスタッフが薦める「Tunewallet」。これも2週間後に発売予定で価格は3980円

    「Jewel」ライン。こちらはShaffle用ケース

    ペンダント感覚でどうぞ。ハート型のイヤホンはイヤホンのヘッド部にも一工夫した

    ドイツのDr.Bottはモニタースイッチやアダプタなどの機器を提供する会社だが、ブースで来場者の目を引いていたのは4つのスクリーンを接続できる新製品ではなく、カラフルなiPodアクセサリ。人気のiSkinのほか、各種バックが展示されていた。

    Shuffle用ケース。他に黒もある

    黒のナイロンカバンは見えにくいがスピーカー付き

    カラフルなiSkinシリーズがずらり

    黒のナイロンカバンは見えにくいがスピーカー付き

    iPod登場以来、ビジネスが変わったのは米Macallyも同じだろう。iPodと接続できるステレオセットを前面に置いていた。このほか、間もなく発表するというiPod用のマイク兼スピーカーもあったが、プロトタイプとのこと。実際に利用はできなかった。このほか、「Mac mini」用のキーボード、マウスを揃えたほか、ドックで充電ができるBluetoothマウスもあった。

    iPodと接続できるステレオセットを前面に置いていた米Macally

    iPod用のマイク兼スピーカーのプロトタイプ

    Mac miniと接続できるキーボードとマウス。左にはBluetoothマウス(大)もある

    Bluetoothマウス(小)は40ユーロ

    米RadTechも、iPod人気にあやかって事業拡大した企業だ。これまで、Optexという素材を使って、iBookなどのノート型向けにスクリーン保護カバーを提供してきたが、iPod人気を受けて、カバーを作ったところヒットした。カバーをしたままiPodを操作できる点が特徴だ。

    Radtech1.jpg:Optexはメガネ拭きなどにも利用されており、繊維の細かさが特徴。iPodとこの「密着」ぶり

    Radtech2.jpg:『Mac Fan』編集担当者も気に入って購入してい

    また、米BelkinもiPod向けアクセサリを展示。車向けのアクセサリが充実していた。

    とにかく良く売れるというのが、カップ受けに取り付けられるiPodドック。20.99ドルという値段もいい。植木鉢のようにも見える

    シガレットライターに取り付けるドック

    iPodをリモコン代わりにFMラジオを操作できる

    iTunes携帯も登場

    米Motorolaは小さなブースながらなかなかの賑わい。フランスでは、Apple Expo開幕にあわせてiTunes携帯「ROKR」が発売されたこともあって、チェックしておこうという来場者も多かったようだ。nanoと同時に発表されたROKR、反響はさまざまで、iPodとまったく同じ感覚で楽曲の転送ができることに感動する声もあれば、使ってみて「遅い」という声も。個人的には、クリックホイールがないのが残念。Motorolaのスタッフは「携帯電話を優先させた」と説明。ブースにはROKRを意識して、ロッカー風の衣装を身にまとった男性も登場して盛り上げていた。

    iTunes携帯「ROKR」

    ロッカー風の衣装を身にまとった男性も

    iTunesの画面では「ROKR」と表示され、iPodとまったく同じに見える

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