【レポート】

PDC 05 - Windows VistaのCTP版配布開始、Office 12 のデモ初公開

    Yoichi Yamashita  [2005/09/15]

    米カリフォルニア州ロサンゼルスで13日(米国時間)から、Microsoftの開発者会議Professional Developers Conference(PDC)が始まった。Bill Gates会長によるオープニング基調講演ではCommunity Technology Preview(CTP)版の「Windows Vista」や、次期オフィススイートとなる「Office 12」(コードネーム)のデモが披露された。

    Windows Vistaリリースに向けたPDC 05のオープニング基調講演を行うGates会長

    PDCは毎年開催ではなく、Microsoftの製品開発のポイントとなる年に行われる。今年の主役は2006年後半リリース予定のWindows VistaとOffice 12である。同社はこの日、Windows Vista用のCTPプログラムを発表、今年7月に開発者向けのベータ1に多数の機能を追加したビルド5219をCTP版としてPDCの参加者に配布した。Windows Vistaの特徴である豊かなビジュアリゼーションとファイル管理機能を体験できるほか、Windows Presentation FoundationやWindows Communication Foudationを用いたアプリケーションを構築できるプログラミングモデル「WinFX」が含まれる。同社は今後、1カ月ごとにアップデートを提供する計画だという。

    CTP版のWindows Vista

    WinHECの時と同じように検索およびファイルナビゲーションのデモからスタート

    開いているアプリケーションを3Dイメージで確認・選択できるFlip 3D

    Gates氏の基調講演では、検索やファイルナビゲーション、仮想フォルダなどに加えて、今回新たにFlip/Flip 3Dというナビゲーション機能が披露された。Flipでは、開いているアプリケーションやドキュメントのサムネイルを横一列に並べてスクロールしながら一覧できる。フリップ3Dではサムネイルが立体的に表示される。また、これまでAuxiliary Displayと呼ばれていた小型の補助ディスプレイに各種情報を表示する機能が「SideShow」という名称になった。操作性も向上しているという。

    Sidebarに、ニュースフィード、画像ビューワ、時計などの「Gadgets」。開発コミュニティ作りが進められている

    Auxiliary DisplayからSideShowと名称が変わった補助ディスプレイ機能

    子供のゲームなどの利用を制限できるパレンタルコントロール機能

    フィッシング対策機能を装備するInternet Explorer 7

    IE7はタブブラウジングに対応

    開いているウインドウズを一面に並べることも可能

    さらにGates氏に続いて登場したプラットフォーム部門担当グループのJim Allchin副社長の講演では、「SuperFetch」や「People near me」などのデモが行われた。SuperFetchは、ユーザーが頻繁に実行するアプリケーションやファイルをシステムメモリに読み込んで起動を高速化する技術。People near meは、同じネットワーク内でP2P技術を利用したコラボレーションを実現する機能だ。

    SuperFetchのデモ。左が通常の状態での起動時間、右がSuperFetchを利用した場合

    DVDレンタルのNetflixが同社のサービスにWindows Presentation Foundationを利用

    異なったフォームファクタにも簡単に移植できる。Media Center PCの場合

    Netflixをモバイル端末に。Netflixは3種類のサービスを3人の開発者がわずか1カ月で完成させたという

    Netflixのデモに使われたiMATEのJASJAR

    Office 12については、今年5月にMicrosoftは追加予定の新機能などを発表しており、今回が初のデモ公開となる。インフォメーションワーカー部門担当のChris Capossela副社長は「Office 12を使えば、人々はより良い結果をより早く得られるようになる」と説明する。

    Word 2003では1,500を超えるコマンドと、35のツールバーを用意していた。ところがユーザー・アンケートでは、"追加機能の要望"に、10人中9人が搭載済みの機能をリクエストしていたという。つまり、豊富な機能を用意しても、その存在すら知られていないのが現状なのだ。そこでOffice 12では、ユーザーが目的の作業をこなすための機能をまんべんなく利用できるようにユーザーインタフェースを変更した。

    中心となるのは「Ribbon」というコードネームで開発されていたユーザーインタフェース技術で、従来のように複数のツールバーやタスクペーンを混在させるのではなく、ユーザーの作業や状況に合わせて必要なツールだけをまとめたパネルが表示される。またユーザーが頻繁に利用するコマンドを一カ所に集められる「Quick Launch Toolbar」を用意している。

    必要なコマンドが視覚的にまとめられた新UI

    業務や用途などに合わせたUIのカスタマイズも可能

    作業をより視覚的に処理できるようにする工夫も施されている。たとえばマージンを変更する場合、ダイアログボックスに数字を入れる方法では全体的なデザインが見えにくい。そこで「Galleries」という機能を使うと、複数の画像の中から自分のイメージに近いものを選択することで、よりバランスよく調整できる。変更をリアルタイムに反映させる「Live Previews」という機能も便利そうだ。たとえばドロップダウンメニューでフォントをスクロールさせると、同時にドキュメントのフォントが次々に変わっていく。「選択→確認」という作業を繰り返さずに、複数のフォントを試すことができる。

    フォントをハイライトするだけでドキュメントに反映される「Live Previews」

    Windows VistaやOffice 12のデモに加えて、Microsoftは開発者向けにいくつかのプラットフォーム技術も明らかにした。1つはDHTML、XML、スクリプトを用いてAJAX(Asynchronous JavaScript and XML)を構築するためのWebクライアント・フレームワーク「Atlas」(コードネーム)。リッチでインタラクティブなWebアプリケーションの開発を支援する。Visual Studio 2005とASP .NET 2.0に統合される。Windows Presentation Foundation "Everywhere"は、Windows Presentation Foundationのサブセットだ。プラットフォームやフォームファクタの違いを問わず、コンテンツリッチなシナリオを実現できる。

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