【レポート】

CEDEC2005 - Xbox 360ハードウェアの詳細が明らかに

1 Xbox 360ハードウェアスペックの概要

    西川善司  [2005/09/09]

    8月31日、明治学院大学白金キャンパスにて開催されたCEDEC2005の「次世代プラットフォームXbox 360におけるゲーム開発」と題されたセッションに、Xbox 360のハードウェアにまつわる解説が行われた。

    本来、このセッションは「NDA(秘密保持契約)ベース」ということであったが、今回、記事化の許諾を特別に頂いたのでここにレポートする。

    明治学院大学白金キャンパスにて開催されたCEDEC2005

    マイクロソフトXbox Advanced Technology Groupの松田白朗氏

    Xbox 360のブロック図が公開される

    まず、解説がなされたのはXbox 360の基本的なハードウェアスペックについてだ。多くの数値的な事実は既に今年ロサンゼルスにて開催されたE3にて公開されたものであったが、具体的なブロック図の提示は今回が初めてのことだ。

    日本では初めて一般公開されたXbox 360の内部ブロック図

    CPUは、これまでアナウンスされていたようにPowerPC 970完全互換コアを3基オンダイにしたマルチコアCPU(コードネーム「PX」)で、これが3.2GHz駆動される。L1キャッシュは各コアに64kBずつ搭載され、1MBのL2キャッシュは3コアで共有となる構成だ。

    GPUはATI製の次世代RADEONと目されるR520ベースのXbox 360スペシャルバージョンで、世界初の統合型シェーダアーキテクチャを採用する。統合型シェーダとは複数個ある汎用のシェーダユニットを、その時点での処理内容に応じてリアルタイムに頂点シェーダ、ピクセルシェーダに動的に振り分ける機構を指す。Xbox 360用GPUではこの汎用統合型シェーダが48個内蔵される。

    さらに、このGPUにはメモリバス消費低減の役割を担う、10MBのフレームバッファeDRAMが接続される。これは既に報じられているようにNECエレクトロニクスによって製造され、Xbox 360GPUとは別コア、同一ダイの形で実装される。

    これまた既に報じられているように光学ドライブは12倍速DVD-ROMドライブで、青紫レーザーの次世代メディアには対応しない。これは本体のコスト削減の目的と、マイクロソフトが提唱する次世代データメディアは「光学メディアではなくネットワークである」という思惑を反映しているためだ。

    Xbox 360の二層DVD-ROMでは7GBがゲームコンテンツ記録用として利用でき(残り1.5GBはシステム用?)、データ転送レートは最大15MB/sec、平均で10~12MB/sec程度。シークタイムは115ms、一層から二層への切り替えは75ms。ちなみに512MBのデータをDVD-ROMから読み出す所要時間は約34秒になる。

    ハードディスクは脱着可能な20GBが用意され、これが標準内蔵される上位モデルと別売りとなる下位モデルに分かれて発売されることはつい最近報じられたとおり。ハードディスクの全容量のうち2GBは各ゲーム実行時に共有利用されるテンポラリキャッシュ領域として利用される。平均データレートは17MB/sec、平均シークタイムは13ms。

    ゲームデータはユーザアカウント単位で個別に管理されハードディスクに保存されるが、持ち出し用とバックアップ用に64MBのメモリユニット(メモリカード)も発売される。メモリスロットはXbox 360正面に2ポート有り、2.5MB/sec書き込み、8MB/sec読み出しの転送レートでアクセスされる。

    Xbox 360開発機。2台列ぶと往年の名機シャープX68000のようだ

    さて、ブロック図にて注目すべき点は、CPUとGPUで共有利用される512MBのメインメモリの接続形態だ。

    GPUはメモリコントローラも兼ねていて、CPUからのメモリアクセスはGPUを介して行うことになる。なお、CPUとGPU側のメモリコントローラを結ぶCPUフロントサイドバスは上り、下りともに10.8GB/secとなる。

    メモリは前述したようにCPUとGPUで共有された形になるUMA方式を採用。容量512MBのうち32MBがOSなどのシステム領域で使用され、残りの480MBがアプリケーション用メモリに割り当てられるという。

    メモリタイプはデータレート700MHzのGDDR3 SDRAMでその帯域は22.4GB/sec。これはRADEON X800(無印)と同程度で、それほど高くはない上、GPUとCPUとで奪い合いになってくるとあまり余裕のあるスペックではない。前述のeDRAMは、このメモリバスの奪い合い低減の意味合いが強いのだ。

    また、ブロック図の「South Bridge」の中の「XMA Decode」とは、オーディオのデコーダロジックを意味している。Xbox 360ではサウンド処理の基本を全てCPUが手がけるものの、音素材のデコード処理はこのロジックが担当する(詳しくは後述)。

    Xbox 360とデジカメやiPodを接続するデモも公開。iPodとXbox 360をUSB接続し、iPod内の曲を再生することができた

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