【レポート】

グッドデザイン・プレゼンテーション2005 - 今年注目のグッドな商品はこれ

4 P900iカスタムジャケット・青いバラ・ロボット・プロジェクトデザインなど

    山田久美  [2005/09/06]

    コミュニケーションデザイン部門は広告、営利を伴わないプロモーションなどを審査対象とし、特にデザイナーによる新しい取り組みが紹介されていた。

    最近は、ユーザーがどのような行動を起せばどのような機能が発揮されるのかなどについて、より分かりやすく、より能動的な操作を促すようなプロセスを、デザイナーたちが自ら考え提案するケースが数多く出てきているという。今までとは異なるデザイナーの商品活動である。松下電器産業によるNTTドコモのFOMA「P900i」の「カスタムジャケット」もそのひとつ。企業デザイナーが新たなムーブメントを起した事例として展示されていた。

    松下電器産業のFOMA「P900i」の「カスタムジャケット」ムーブメント

    東京大学のコミュニケーションセンターではデザインを活用した新しいコミュニケーションへの取り組みを行っている

    サントリーの"トルコキキョウでバラを作る"「ロジーナ」。不可能の代名詞だった青いバラを作って、世界的に有名に

    住宅設備のジャンルのエリア。住空間に対する興味が高まっており、きちんと設備を整えプレゼンテーションしようという参加企業が多くなっているという。来場者が実際の状況に近い形で使い方を体験できるよう工夫がされている。トイレやエアコンも設置されており、住空間トータルでの演出だ。

    トイレの数々。ショールームに来たようだ

    グッドデザイン賞では、アジア各国の商品を日本で展開することを前提に、現地に審査員が出向き審査を行い、グッドデザイ賞を贈賞する「ASEAN Design Selection」という取り組みも行っている。会場では、これまでのASEAN Design Selection受賞商品も展示されていた。日本ではまだ売られていないものもあるが、グッドデザイン賞受賞を契機に日本で本格的に輸入販売しているものもあるという。各国の資源や技術を利用した商品が目立った。

    「ASEAN Design Selection」コーナーも設置

    タイの椅子とクッション

    植物で作られたゴミ箱

    会場中央に設けられたショップ&カフェ。ショップ内ではグッドデザイン賞受賞商品を、期間のみの限定販売していた。カフェの椅子も受賞商品

    デザインイニシアチブのエリアでは企業や教育機関などのブースが設置されていた。参加企業はトヨタ自動車、資生堂、本田技研工業、シャープ、ヤマハなど。教育機関は武蔵野美術大学、日本大学芸術学部、多摩美術大学の3校。

    日本大学芸術学部のブース

    シャープの65インチのAQUOSは世界最大の液晶TV

    武蔵野美術大学のブース

    有田中村の食器

    ホンダ「ステップワゴン」

    デザインディレクター川崎和男氏のブースではロボット、原子力、人工心臓などをテーマに展示。ロボットと原子力発電装置は大阪大学大学院と名古屋市立大学大学院とで共同製作したもの。人工心臓は名古屋市立大学院と東京大学とで共同研究したもの。

    メカノイドは人間との共存を考えて作られたコンセプトモデルで、いわゆるエージェント。喜怒哀楽を表現すること、人間の身体機能を取り入れることを必要な機能として考えたという

    超小型の原子力発電装置機器のデザイン。今後は原子力を分散管理していこうというコンセプトのもと、作られたモデル。例えば1家に1機保有し、それぞれが維持管理を行うことで、有事の際にも被害を最小限度に抑えることができるという考えだ

    人工心臓弁は1999年に製作した人工臓器の"デザイン"としてのコンセプトモデル。実際、やぎに埋めこむ予定もある

    放射性同位元素を使ったバッテリー。長期間動き続ける必要がある人工心臓のバッテリーをどうするか検討した際にこういったものを考えついたという

    動画
    ロボットの動画(WMV形式 583KB 27秒)

    建築環境部門では住宅デザイン、公共施設のデザインなどを展示。建築物と使う人との関係を重視したデザインが多いという。現物の展示は不可能であるため、パネルや模型で展示。審査員が実際に現地に出向いて審査している。

    新領域部門では、デザインを用いて新たに起業するなど、活動に関する展示が行われていた。例えば、NPOなどが事業を行う際、デザイナーが関わり、その助言を積極的に取り入れるケースが全国で増えているという。単に商品デザインをするだけでなく、デザイナー自身が新たな取り組みに関わることで、結果的に非常に魅力的なプロモーションが生まれる、とされる。そのプロジェクトの進行そのものがデザインが形成されるプロセスではないかと思われるような取り組みが展示されていた。

    三洋ホームズの「G・3」は都会にいながら癒される生活スタイルを提案

    大成建設の「空間王」

    展示点数が多いため、ひとつひとつをじっくり丁寧に見て回るのは大変だが、グッドデザイン賞は最新のデザインに触れられる良い機会である。来年度はそのグッドデザイン賞にとって節目となる50周年。「デザインの国、日本」を目指したグローバルな展開活動に期待したい。

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