【レポート】

SIGGRAPH 2005 - 「EMERGING TECHNOLOGIES」展示セクションをレポート(2)

1 嗅覚ならず吸覚? を再現するインタフェース

    西川善司  [2005/08/09]

    SIGGRAPHのEMERGING TECHNOLOGIESの展示が日本にやってくる!

    前回及び今回のSIGGRAPH・EMRGING TECHNOLOGIES展示セクションレポートで紹介しているさまざまなバーチャルリアリティ技術のうち、日本発の技術展示のみを集めた展示会が今月、夏休み期間中に開催されることとなった。

    イベント名は「インタラクティブ東京2005(interactive tokyo 2005)」。会期は8月25日、26日の2日間。場所はお台場、日本科学未来館1階・催事ゾーン。入場料は無料。詳しい展示内容や開催概要についてはインタラクティブ東京のWebサイトを参照して欲しい。

    なお、この会期中同じ場所で、10月に行われる2005年度国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト(IVRC2005)への本戦出場権を賭けた東京予選大会も併催される。こちらについての詳細については、IVRCのホームページを参照して欲しい。

    アレをストローで吸ったらどんな感じ? ~「Straw-Like User Interface」

    バーチャルリアリティ関連の研究分野で最近盛んなテーマの一つがHaptics(触覚学)と呼ばれる分野だ。一口でHapticsといってもその研究テーマは多岐に及ぶが、バーチャルリアリティに関連したHapticsの研究分野で特に盛んなのは、映像(視覚)や音(聴覚)以外の人間の五感情報をデータ化して記録し、これを再生してユーザーに疑似再体験させる仕組みだ。

    電気通信大学稲見研究室の研究グループが開発した「Straw-Like User Interface」も、まさにこの分野の研究テーマだ。なお、このSUIは、2004年に開催された国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト(IVRC2004)にて優勝している。

    SUIは、ストローで吸い込んだときの吸入抵抗や吸入音のデータを記録、再びこのデータを再生してユーザーに同一体験させる仕組み。

    実際の食べ物や飲み物をストローで吸ったときの空気圧変化を空気圧センサーで取得し、吸入音についてはストローに取り付けたマイクから記録させる。再生時は、時間的に変化する空気圧値データを再生して、これでバルブを駆動してストローのふさぎ具合を制御して吸入抵抗を再現する。そして、吸入音の再生は単純に録音した音をスピーカーから再生する。

    種を明かしてもらうと意外にシンプルな仕組みだが、実際の体験はなかなか興味深い。

    マックシェイクはズズズという"まったり"した吸い込み感が見事再現されているし、ビールはすぅっと抜けるような心地よい吸い込みを感じることが出来る。納豆やショートケーキなど、普通では絶対ストローでは吸い込まないような食品をストローで吸い込んだデータも測定されており、これも疑似体験可能。納豆やショートケーキの吸い込み具合は……なんというか……重く、モッサリした感触で、気持ち悪いと言うよりも「ははぁ、なるほど」と、逆に感心してしてまう吸い込み感であった。

    ゆでたアスパラガスの吸引に挑戦するアメリカ人の一般女性来場者。「アスパラガスなんてストローで吸ったこと無いから、本当にリアルなのか分からなかったわ」……ごもっともである

    味や匂いの再現までは行われていないが、それでも、その食品の"食感"のようなイメージは十分に伝わってくる

    将来、レストランなどで、メニューと一緒にストローが出されて、注文前に各メニュー品目の試飲体験が出来るようになるかもしれない(?)。

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