【レポート】

LinuxWorldの見所は? NovellがSuSEのオープン化、新デスクトップ環境公開へ

    Junya Suzuki  [2005/08/09]

    米国時間で8月9日より(※)、米カリフォルニア州サンフランシスコのMoscone Convention Centerにおいて「LinuxWorld Conference & Expo」が開催される。LinuxWorldは一時期の熱狂的なユーザや新しい物好きのマニアが集まるイベントという性格から、徐々にビジネスライクなものへと変質を続けており、現在ではIBMやHP、Oralceといった大企業が集まって、自身のLinuxやオープンソースへの取り組みをアピールする場となりつつある。前週にあたる8月1~5日には、米オレゴン州ポートランドでO'Reilly主催の「Open Source Convention 2005(OSCON 2005)」というカンファレンスが開催されたが、オープンソースのエヴァンジェリストや技術オタクが集まって、最新技術について和気あいあいと語っていたのとは対照的だ。
    (※ : 一部セッションは8日より開始されている)

    今年のLinuxWorld in SFの見所は?

    現時点で得られている情報を総合すると、LinuxWorldであまり大きなニュースが出る様子はない。前述のように、LinuxWorld自身が大手IT企業の取り組みをアピールする場となりつつあり、それら企業がこのイベントに向けて特別大きな隠し球を用意しているような気配はない。Linux搭載サーバの新製品など、いくつかの細かい製品ニュースが出始めており、そうした細かいニュースから各社の動向を読み取るのが今回のLinuxWorldの肝となりそうだ。

    こうした中も注目すべきなのが、米Novellの動向だ。中小規模向けネットワークOSの分野でMicrosoftのWindows NTに破れ、主力製品のNetWareとともに大きな動きの無かった米Novellは、2003年11月の独SuSE買収発表を機に、再びOSシェア戦争の場に姿を現すこととなった。SuSEは、最大手の米Red Hatに次ぐLinuxディストリビュータであり、Novellは一気にLinuxの世界のNo.2プレイヤーへと躍り出た。Novellの今後のSuSEへの取り組みが同社の未来を決める鍵となることは、多くの人が同意する点だろう。

    現在、複数筋の情報で語られているが、NovellがSuSEをオープンソースとして公開する「OpenSuSE Project」開始のアナウンスを今週に予定しているという。同社は8月9日にLinuxWorld内でプレス向けカンファレンス開催を予定しており、おそらくこのタイミングでOpenSuSEを発表することになると予想される。また、先週開催されたOSCON 2005会場において、Looking Glassに似たウィンドウ透過や特殊効果を備えた独自のデスクトップ環境のスクリーンショットを公開している。デモを行った米NovellのMiguel de Icaza氏は、「この新型デスクトップ環境を含む最新の取り組みの詳細は来週(つまりLinuxWorldの開催される週)に正式に発表する」とコメントしている。同氏は、GNOME Foundationの設立者兼リーダーでもある。OpenSuSEの発表とともに、この新型デスクトップ環境がどのように公開されるのかに注目したい。

    新型デスクトップ環境(?)のデモ。ウィンドウで透過処理が行われているのがわかる

    静止画だとわかりにくいが、ウィンドウがめくれあがって順番が入れ替わったりなど、Looking Glassなどに近い視覚効果を持っている

    Novellの「OpenSuSE」とは?

    正式発表前であり、まだ詳細な情報は入手できていないが、OpenSuSEのコンセプト自体は、Novell最大のライバルであるRed Hatの動きに追随したものであると考えられる。Red Hatでは以前まで「Red Hat Linux」という無料ディストリビューションを提供していたが、ビジネス的なメリットが薄いという点から、その開発を「Fedora Project」という形でオープンソースコミュニティに移管し、積極的な最新技術の取り組みや改良を促す戦略を採り始めた。こうして生まれたのが「Fedora Core」と呼ばれる製品群だ。

    また一方でRed Hatは、「Red Hat Enterprise Linux」という製品名で企業向けの有償バージョンのLinux製品も提供している。こちらは最新機能の取り込みよりも、安定性やスケーラビリティを重視した製品であり、Fedoraとは一線を画している。同社では、2つの性格の異なる製品ラインを両立させるにあたって、オープンソースコミュニティを活用する道を選んだ。

    Novellも、自身のSuSEで同じ手法を採るものと思われる。現行の企業向けEnterprise製品を維持しつつ、コアなLinuxユーザー向けにはOpenSuSEという形で、開発の一部をオープンソースコミュニティに委ねることになるだろう。Fedora Projectが開始したのは2003年11月であり、奇しくも、これはNovellがSuSE買収を発表した月である。Red Hatに遅れること約1年半、いくつかのエッセンスを含めつつ、Novellのオープンソースプロジェクトがスタートしようとしている。

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