【レポート】

特別展「田宮模型の仕事」が開催中、イベントには明和電機・前社長も

1 あの"パンサータンク"のボックスアート原画展示も

大塚実  [2005/08/08]

模型の分野では「世界のタミヤ」として名高い株式会社タミヤ。子供の頃に何らかの製品を買って、組み立てたことがある人も多いのではないだろうか。その歴代の製品を展示するという、一風変わったイベント「特別展 田宮模型の仕事」が、静岡県三島市の佐野美術館にて開催されている。期間は7月22日から8月31日まで(木曜は休館)と夏休みに合わせて実施されており、この記事の取材日(7月30日)も家族連れで賑わっていた。

佐野美術館。JR三島駅からは、私鉄の伊豆箱根鉄道・三島田町駅が便利

展示室。どちらかというと、子供達よりもお父さんが楽しんでいたような

タミヤの歴史は古い。創業は1946年5月8日。木材加工の会社としてスタートし、その後、53年には木製模型専業メーカーとなり、以来、戦車・戦艦・戦闘機・F1カー・オートバイ等、精巧なプラモデルやラジコンモデルを発売。比較的最近では、ミニ四駆の大ヒットなども記憶に新しいところだ。

タミヤは本社が静岡市にあり、地元企業ということで同美術館が企画、タミヤ側に協力を依頼して今回の展示会が実現したのだそうだ。出品数は、同社の代表的なキットを約300点。会期中の7月30日(土)と8月13日(土)には、明和電機・前社長の土佐正道氏による「おもしろ電動楽器フェア」も開催される。入館料は、一般・大学生が900円、小・中・高校生が500円。

特別展に合わせ、会場では製品の特別販売も行われている

初期は木製だったタミヤの模型

筆者(36歳)くらいの年代にとっては、タミヤというと「プラモデル」の印象が強いが、プラモデル登場以前には、木製の模型を製造していた。タミヤが本社を置く静岡市は、木材の集積地として知られており、戦前から木製の模型産業が盛んだった土地。同社も60年代前半までは木製模型キットを生産しており、そんな貴重な初期の製品を展示では見ることができる。

1955年発売の「中型戦車」。味わい深い木製の製品

これは1961年以前のソ連戦車「T-34」。その上にはハウスモデルも

1960年の「トヨペットスタウト」

「こだま号先頭車」(1958年)と「ヂーゼル電気機関車 あさま-2型」(1956-58年頃)

タミヤというと、艦船模型も有名。やはり最初は木製で、金属の型をなぞって木を彫る全自動船体成形フライス盤まで開発していたという。

下の組み立て品、上のパッケージともに戦艦「武蔵」(ともに1950年代)

このパッケージも武蔵だが、1/350スケールとかなり大きいもの(1950年代後半~60年代前半)

プラモデルの登場

タミヤがプラモデルを売り出したのは、1960年の1/800スケール戦艦「大和」が最初。これ以前にも国内でプラモデルを発売したメーカーはあったが、木製模型とは当然のことながら製造方法が全く異なっており、ノウハウのないタミヤにとっては試行錯誤だったという。しかし、プラモデルは精密で組み立ても手軽と、それ以降、現在に至るまで模型の主流となっているのはご存じの通りだ。

これがタミヤ初のプラモデル、1/800の戦艦「大和」

初期には一部木製パーツを使うものもあった。これは1960年の重巡洋艦「愛宕」

そしてプラモデルといえば、外せないのは戦車だ。木製模型からプラモデルへの転換の波に乗り切れないでいたタミヤだったが、それを救ったと言われているのが1961年の1/35戦車シリーズ「ドイツ パンサータンク」。プラモデルの顔のひとつであるボックスアートは、当時人気絶頂だった小松崎茂氏が手がけた。

「ドイツ パンサータンク」。モーターで動いた

その原画。他にも原画が数点展示されている

1963年からは、飛行機模型に本格的に参入。第1弾製品は、超有名戦闘機の「ゼロ戦」だった。

初期の製品1/50日本傑作航空機シリーズ「雷電」(1964年)

その他の同時代の製品

そして電動ラジコンに

ラジコンとは違うが、その走りとも言えるのが「スロットレーシング」。コース上にはガイドの溝が掘られており、その脇に引かれた電源ラインによりマシンが駆動するもので、速度調節のみのシンプルな操作系ながら、スピード感溢れるレースを楽しむことができた。各社から製品が登場し、1960年代に大流行。筆者も遊んだ記憶があるのだが、現在でも未だに新製品が発売(例えばコレとか)されていたりする、息の長い商品だ。

タミヤのスロットレーシング。コースは短いパーツに分割されており、立体交差など、レイアウトを変えることも可能だった

使うマシン。操作できるのはスピードのみなのだが、コースの内側・外側、車体などによって微妙なコーナーワークが要求された

従来、ラジコンカーはエンジンで動くのが一般的だったが、1977年、タミヤは乾電池駆動式の1/12スケール「ポルシェターボRSR(934レーシング)」を発売。単2乾電池で使える手軽さで、人気を集めた。タミヤ製品の特徴のひとつは、そのリアリティの高さだが、ちなみにこのキットは、購入した実車を元に再現されているのだそうだ。

1976年発売の「ポルシェターボRSR」

その他にも多くのラインナップ

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