【レポート】

SIGGRAPH 2005 - コンピュータ・アニメーション・フェスティバル

1 上映開始までの待ち時間に幻想的なパフォーマンス

    西川善司  [2005/08/08]

    コンピュータ・アニメーション・フェスティバルとは?

    「SIGGRAPHといえばコンピュータ・アニメーション・フェスティバル(CAF)」とまで言われるようになったこの看板イベントは、この1年の間に世界各国のプロ・アマ問わず、アーチスト、スタジオ、研究者などから寄せられた3Dグラフィックスアニメーション作品を選定し、入選作をシアター形式で一般公開するイベントだ。大作商業映画作品の特殊効果技術のネタ晴らしムービーから、一発ギャグのお笑い作品、技術志向の強いテクノロジーデモまで、毎年、多様な作品が寄せられ、まさにオムニバス形式の映画祭の様相を呈している。特にプロフェッショナルから応募された商業作品ベースの作品は、その年の最新の3Dグラフィックス技術を駆使した作品となっていることが多く、まさにその年の技術レベルのベンチマークとなる。入選作は大シアターで公開される「Electronic Theater」と、映像内容のテーマ別に小中規模のカンファレンスルームで公開される「Animation Theater」に選定されて公開され、特にElectronic Theaterに優秀作品が集められる傾向にある。

    このElectronic Theaterの初日、初回の開演には、数千人のSIGGRAPH来場者が、映画館風に模様替えされたロサンゼルス・コンベンションセンターのサウスホール"K"に集まった。なお、Electronic TheaterやCAFの入選作品の予告ムービーはSIGGRAPHのサイトで見ることができる。興味のある人は是非チェックして頂きたい。

    Electronic Theaterの今年の待ち時間は?

    昨年のElectronic Theaterの上映開始前の待ち時間には、来場席に投げ込まれた巨大なボールを来場者達の手でバウンドさせ、前方のメインスクリーン画面上には見えているが現実世界では見えていない、仮想標的を破壊するミニゲームが施行されたが、今年は……? 今年はゲームではなかったが、ライトペンとジョイスティックを使ってリアルタイムに3D空間の箱庭の中に巨妙な形の植物や動物を描き出していく、リアルタイム3Dグラフィックス・パフォーマンスが披露された。

    パフォーマンスを行ったのは、このシステムの考案者であるJ. Walt氏自身。このシステム(作品)の名前は「AUTOCOSM: GARDENS OF THUBAN」。ジョイスティックで視点操作と視点の軌道操作を行い、ライトペンで立体的なボリューム・グラフィックスを描き出していく仕組み。地面から空に向かってペンを走らせれば、その軌道に沿って植物的なオブジェクトが描かれる。ライトペンの筆圧でボリュームの太さが変わるので、細い植物や太い植物も自在に書き足していくことができる。最初はただの更地だった空間が、描けば描くほど複雑な景色になっていく。画面はジョイスティック操作で常に3Dスクロールしているので、見る者はこの異世界の中をあてもなく浮遊している感覚に陥ってくる。幻想的なビジュアルに合わせて演奏されているトランス系の音楽もWalt氏の考案したリアルタイム演奏システムによるもので、描き出した動植物にリンクした音が鳴り、リズムに合わせて描き出された動植物が幻想的な動きを見せ始める。来場者は上映前のひとときを、この幻想的な異世界の景色の中でまったりと過ごすこととなったのであった。

    作者のJ. Walt氏自らがパフォーマンスを担当。なお、このAUTOCOSMは、作者であるJ. WALT氏のWebサイトでより詳細な解説がなされているので興味がある人はそちらを参照して欲しい。


    AUTOCOSMの実際の映像。

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