【レポート】

ApacheCon Europe 2005 - プロキシ間のロードバランスなどを実現、来るApache 2.2

    末岡洋子  [2005/07/31]

    Webサーバの「Apache HTTP Server」は現在、1.3の開発作業を終わり、2系に移行している。最新の動きとしては、2005年6月末に2.1.6のアルファがリリースされた。ドイツ・シュツットガルトで開催された「ApacheCon Europe 2005」では、来る安定版2.2に関するセッションが開かれたので、その内容を紹介する。

    セッションでは、最新版の特徴として、認証、キャッシング、プロキシ、スマートフィルタリング、MPM(Multi Processing Module)が紹介された。

    • 認証 : 認証モジュールを書き直し、メソッドと承認を分離している。これにより新しい承認機構を容易に作成できるという。なお、Authoritativeディレクティブは削除された。ユーザー認証モジュールのmod_authn_fileは、Basic認証とDigest認証のバックエンドとしてユーザー認証を実現する。mod_authn_aliasは、承認機構が複数のバックエンドをチェックできるモジュール。デフォルト設定では、旧バージョンとの互換性は部分的。
    • キャッシング : これまで実験的な機能だったが、mod_cache、mod_disk_cache、mod_mem_cacheを強化し、最新版ではプロダクションレベルとなった。RFC準拠のHTTPコンテンツキャッシュとの互換性を目指しており、ストレージモジュールには、ディスクベースのストレージ用のmod_disk_cacheと、メモリベース用のmod_mem_cacheがある。
    • プロキシ : HTTP 0.9/1.0/1.1、Apache Tomcatで使われるAJP(Apache JServ Protocol) 1.3、FTP、CONNECT(SSL用)のプロトコルをサポートする。mod_proxy_ajpによるAJPのサポートでTomcatなど、各種JavaベースのWebサーバとのやりとりが可能になる。mod_proxy_balancerというプロキシ間のロードバランスを実現するモジュールも加わった。
    • フィルタリング : mod_filterというモジュールが追加された。Output Filterの動的なコンフィグレーションが可能となる。
    • MPM(Multi Processing Module) : 2.0より新しく加わった機能で、現時点では実験的とランクされている。単一のTCPソケットで複数のKeep Alive接続を送ることができ、Keep Alive接続と接続要求の受け取りを別々のスレッドで処理する。このため、待機中に他の要求を受け付けることが可能となる。

    このほかの特徴として、32-bit Unixシステムにおいて容量の大きなファイル(2GB程度)をデフォルトでサポートするという。また、強化されたモジュールとしては、SQLとの接続を管理するモジュールmod_dbdも紹介された。接続のプーリング、クロスモジュールでの接続共有などが可能で、httpd上でのアプリケーション構築を容易にする。mod_ssl、mod_info、mod_authnz_ldapなどのモジュールも強化された。

    今後の開発課題としては、非同期のMPM、メールサーバをhttpd上で構築するmod_smtpdなどが挙げられた。2.1.6は引き続きベータテストが必要な段階で、ほとんどのモジュールとソース互換性があるという。mod_php、mod_perl2などは、リコンパイルすれば動くとのことだ。

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