【レポート】

南アフリカより愛をこめて - 引っ越し、南アで一から始めるネット接続

1 南ア住宅事情、夢では無くなるマイホーム?

    伊達くう  [2005/07/29]

    リビングから海が見える

    前回のレポートの終わりで、南アフリカでは住居費が安いなど、その住宅事情についてちらっと触れてみたが、今回は、ついこの間、私が南アで初めての引越しを体験したということもあり、「南アフリカの住まい」というテーマでちょっぴり個人的な引越しレポートをお送りしたい。

    前回の続きで、日本に比べて南アの家賃がどれくらい安いかというと、例えば私は現在、2世帯住宅風一軒家の2階を借りているのだが、100平方メートルのスペースに、海が見える広いリビングルームがかなりのお気に入りのこの3LDKで、家賃は東京都内のワンルームと同じ程度という感じ。


    城に住んでいるのは大富豪か?

    ちなみにRode & Associates CCの調べによると、ケープタウン市内で標準レベルのワンルームの1カ月の家賃平均は、1,715ランド。1ランド約17円で計算すると3万円を下回る価格だ。目安として、ケープタウンの人々は、収入に対して15~20%程度の金額しか住居費に充てていないというから、結構楽な暮らしができるはずだ。それでも、近年のインフレで家賃が年々高騰し、数年前と比べて住居費が大きくアップしているために、思わず不満を口にする南ア人も多い。東京・パリ暮らしを経た私には現状でも天国のようなのだが、これから南アに慣れるに従って住みにくくなっていくのだろうか。


    暖炉のある家はいたって普通

    とはいっても土地が安いことから、持ち家のある人も多い。20代半ばですでに一戸建てマイホームを購入する人も珍しくない。南アの不動産会社Ritztrade Internationalの調査によると、2004年の国内の一戸建ての相場は、500,000ランド(約850万円)。また、例えば南アの経済中心地ヨハネスブルグで働くマーケティング・ディレクターの平均年収は670,000ランドである。2LDKのマンションなら彼らの年収の50%程度で購入できる。そして、不動産価格はここ5年間毎年20%のペースで上昇しているので、不動産投資で一儲けしたい人にとっては今が買い時らしい。密かにマイホームを夢見ている私も、ここでは夢じゃないのかも、と真剣に考えたくなる。

    私の住むウェスタン・ケープ地方は、ヨーロッパ人が南アにおいて始めて入植し、開拓したとされている場所なので、西欧風の「いわゆる洋館」という感じの家が多い。子供の頃に読んだ絵本に出てきた城のような家もちらほら見かける。ヨーロッパでよく見かけるような煙突付の家にはちゃんと本物の暖炉があって、現在でも使用されている。引っ越したばかりの私の新しい家も暖炉付きだ。生まれも育ちも沖縄県である南国出身の私が、しかも、地元沖縄と同じように冬でも温暖なこの町で、暖炉がある家に住むとは全くもって奇妙な感じ。しかし、薪に火を点す作業は新鮮で、かつ楽しくもある。


    公園に干された洗濯物

    場所は変わって、貧しいタウンシップなどの地区では、以前にもお伝えしたとおり、多くの人々がトタンでできた簡単な作りの家に暮らしている。寒い日に、暖炉も電気暖房器具もないところでは、空き地でドラム缶に溜めたゴミを燃やして暖をとっている。天気のいい日は公園で洗濯をして、そのまま洗濯物を公園の柵に干す人もいる。彼らの多くには家と外との境界線がない。

    ケープタウン市の統計によると、市民の約20%は市の認可を受けていない非公式の家に住んでいるとされている。南アフリカ政府も、このような不法居住者に対して公営の団地を建設し、そこに住まわせるなど様々な対策を練っているが、それでもアフリカ大陸の近隣諸国から移民がやってきては、認可されていない土地に自分たちのコミュニティを作り出す、といういたちごっこが繰り広げられている。

    2010年のワールドカップ開催に向けて、やってくる外国人たちに良い印象を与えたい南アフリカ政府。それまでに不法居住者たちをどう対処するか、彼らにとっては頭の痛い問題となっているようだ。

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