【レポート】
Wireless Japan 2005・2日目はWiMAXやUWB、ZigBeeといった次世代の通信技術に関するセッションが行われ、中でも昨今話題を集めているWiMAXについてはIntelやAirspan、YOZANといったWiMAX推進派の企業の責任者が現状を報告した。
インテルの梅野光氏は、WiMAX(IEEE 802.16a)の技術概要について解説した上で、現在総務省の方で審議中の5GHz帯の電波割当に言及した。
梅野氏は、周波数割当に対する基本方針として「技術的中立性」というキーワードを挙げる。同氏はこの言葉の意味として「周波数の帯域を制限するのは当たり前だが、その中で例えば『この帯域はTDDの方式しか認めない』という風に技術的に限定が加えられてしまうと技術の発展性が阻害されてしまうため、Intelとしては技術に対する制限を加えないという意味で『技術的中立性』という言葉を使っている」と解説し、WiMAXの規格に含まれる多様な変調方式のうち一部の利用だけが認められるような形ではなく、標準規格全ての利用が認められる形が望ましいとの見解を示した。
その上で梅野氏は、WiMAXでの利用が計画されている周波数帯と日本における現在の利用状況を比較して「2.5GHz帯は現在モバイル放送(モバHO!)などが利用しているが、それでも70MHzぐらいは空きがある」「5.7~5.8GHz帯は米国では自由に使えるが、日本ではETCがここを使っているため利用は厳しい」などと感想を述べた。そしてWiMAX Forumにおける世界的な周波数割り当てに関する議論の状況を紹介し、「WiMAX Forumとしては、2.5 / 3.5 / 5.8GHzの3帯域で世界をカバーしたいとの考えを持っている」と語っていた。
続いて登場したAirspanのマーケティング担当副社長であるPaul Senior氏は、同社がWiMAX ForumのBoard Memberであるという立場からWiMAX Forumの最新の活動報告を行ったほか、YOZANと行うWiMAX実証実験についても簡単に触れた。
まずWiMAX Forumについては、今年6月末現在で加入社数(申請中のものも含む)が332社にまで増加しているほか、ちょうどWireless Japanの裏(7月11~15日)でカナダ・バンクーバーで開催中のFace-to-Face Meetingにも約450人が参加するなど、順調に参加者が増加していることをアピールした。中でもここ最近は通信キャリア系企業の増加が著しいほか、「FWA(Fixed Wireless Access)用のWiMAXについては、既に評価テストに入っているキャリアの数が世界で100社を超えた」とSenior氏は述べ、WiMAXに対し通信キャリアの幅広い支持が得られていることを強調した。
Senior氏は、最近WiMAX Forumの中に「Network Working Group」「Application Working Group」の2つのWGを新設したことを明らかにした上で、特にNetwork WGでは「IEEE802.16では議論できない上位レイヤのアーキテクチャを検討し、IPベースでEnd-to-Endの通信が可能なアーキテクチャを構築しようとしている」と語った。既に3段階に分かれた議論の第1段階は終了しており「間もなくDraftを提供できる見込み」だという。また今後のWiMAXの普及戦略については「基本的にWi-Fiの戦略を踏襲する形で進めるつもりであり、現在Wi-Fiを搭載している機器は数年後には全てWiMAXを搭載するようになるだろう」と強気な姿勢を見せた。
またモバイルWiMAX(IEEE802.16e)については、Airspanとして「IEEE802.16e対応の1stシリコンを出せるのが来年の第2四半期になる見込みで、そこから機器ベンダ等が開発を行うことを考えると、最終製品が市場に出回るのは2007年の中ごろになるのではないか」との予測を示した。
ただWiMAXについては「IPセントリックなパーソナルブロードバンドとしては3Gでは不十分であり、WiMAXこそが将来に向けた正しい技術だと革新している」と強調しながらも、現段階では「真の意味で商用サービスとしてスタートしていると言える例は世界にまだ存在しない」「WiMAX Forumによる相互接続性の認証プログラムもまだスタートしておらず、今市場に出ている『WiMAX Ready』などのロゴがついた製品では、異なるメーカー間の相互接続性は保証されていない」など、まだまだ問題は多いとSenior氏は語る。
とはいえ認証プログラムについては「今月認証試験のためのラボを立ち上げたばかりであり、年末にはWiMAX Forumとして認証を始められるようにしたい」との意向を示したほか、それに先立ち、既にWiMAX製品を製造するベンダ2社(配布資料にはRedline、Alvarionの名前があったが、会場で示されたスライドでは具体的な社名はなかった)と共同でプライベートテストを行っていることを明らかにしており、作業は一歩一歩着実に進んでいるようだ。
最後に同氏はYOZANのWiMAX実証実験についても触れ、YOZANが商用サービスで使用する予定の4.9GHz帯がWiMAX Forumで定められたProfile外の周波数帯となっている点について「4.9GHz帯は米国でもPublic Safety用の帯域となっており、自治体等からの引き合いも多い」と述べ、今後4.9GHz帯を利用するニーズが日本以外でも高まってくるとの見解を示した。都内に設置予定の基地局についても「2005年末までに200局、2006年の第1四半期までに1000局」と具体的な数字を挙げて、サービス開始に向けた準備が進んでいる様子をアピールした。
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