【レビュー】

AMDシングルコアプロセッサの最高峰、Athlon 64 FX-57を試す

1 Athlon 64 FX-57を確認する

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先日、リテールパッケージの流通が(少量とはいえ)始まったAthlon 64 X2に続き、ハイエンドモデルであるAthlon 64 FX-57もいよいよ登場した。2.8GHz動作と、3GHz目前まで動作クロックが上がり、敢えてシングルコアのままリリースされたこのFX-57の性能を簡単に検証してみたいと思う。

Athlon 64 FX-57のスペック

さて以前もレポートした通り、AMDはハイエンドのAthlon 64 FXには、現時点ではデュアルコアを導入しない事を決定した。よって、今回の製品は90nm SOIにSSE3のサポートなどを付け加えた、つまりVeniceコアと同じファミリーであるSan Diegoコアということになる。実際CPU-Zの表示(Photo01)を見ると、正しくSan Diegoコアと認識されていることが判る。

Photo01:CPU-Zの画面。Extended Modelは4bitだから、ここが27とかになる筈もないのであって、これは明らかにCPU-Z側のミス

ちなみにSan DiegoとVeniceの違いはL2キャッシュが1MBかどうかという点のみで、この結果最近新しく登場したAthlon 64 4000+はショップによってはしばしば「Veniceコアの4000+」とか表示されているが、これは正しくはSanDiegoコアの4000+である。

ところで今回試用したAthlon 64 FX-57、OPN(Ordering Parts Number)は"ADAFX57DAA5BN"と記載されている(Photo02)。4月頃に登場したSan DiegoコアのAthlon 64 4000+は"ADA4000DAA5BN"のOPNがついていたから、今回登場したFX-57は同じコアの高クロック版という扱いになるわけだ。

Photo02:OPN以外は区別がつかないパッケージ。ちなみに下6桁がAthlon 64 4000+と同じということは、TDPや機能などがAthlon 64 4000+と同じということになる。

ところでこのコアに関して、調べていたらちょっと面白い事を発見した。6月16日付けで改定された"Revision Guide for AMD Athlon 64 and AMD Opteron Processors"(Revision 3.51)を見ると、冒頭に製品ブランド・コアRevision別のCPUID一覧表が掲載されているのだが、これをまとめたのが下表である。これを見ると

  • OpteronとDual Core Opteronに939pinパッケージが追加されており、それぞれAthlon 64 FX及びAthlon 64 X2と同じCPUIDを持っている。
  • Sempronに939pinパッケージが追加されている。

の2つが明確に示されている。この2つは以前から噂されていたものの、AMDは公式には何のアナウンスもしていなかった。ただ、AMDの公式文章にこれだけ明解に示されているところを見ると、この2つが決定事項であるのは間違いないようだ。

Revision Opteron Dual-Core Opteron
940pin 939pin 940pin 939pin
SH-B0 00000F50h
SH-B3 00000F51h
SH-C0 00000F58h
SH-CG 00000F5Ah
DH-CG
CH-CG
SH-D0 00010F50h
DH-D0
CH-D0
JH-E1 00020F10h
DH-E3
SH-E4 00020F51h 00020F71h
BH-E4
SH-E5
DH-E6
JH-E6 00020F12h 00020F32h
Revision Athlon 64 Athlon 64 X2 Dual Core Athlon 64 FX Mobile Athlon 64
939pin 754pin 939pin 940pin 939pin 754pin
SH-B0 00000F40h
SH-B3
SH-C0 00000F48h 00000F58h 00000F48h
SH-CG 00000F7Ah 00000F4Ah 00000F5Ah 00000F7Ah 00000F4Ah
DH-CG 00000FF0h 00000FC0h 00000FC0h
00000FE0h 00000FE0h
CH-CG 00000FB2 00000F82h 00000F82h
SH-D0 00010F70h 00010F40h 00010F50h 00010F70h 00010F40h
DH-D0 00010FF0h 00010FC0h 00010FC0h
CH-D0 00010FB0h 00010F80h 00010F80h
JH-E1 00020FF0h
DH-E3
SH-E4 00020F71h 00020F71h
BH-E4 00020FB1f
SH-E5 00020F42h
DH-E6 00020FF2h
JH-E6 00020F32h
Revision Sempron Mobile Sempron Mobile Athlon XP-M Turion Mobile Technology
939pin 754pin 754pin 754pin 754pin
SH-B0
SH-B3
SH-C0 00000F48h
SH-CG 00000F4Ah
DH-CG 00000FF0h 00000FC0h 00000FC0h 00000FC0h
00000FE0h 00000FE0h 00000FE0h
CH-CG 00000F82h 00000F82h
SH-D0 00010F40h
DH-D0 00010FF0h 00010FC0h 00010FC0h 00010FC0h
CH-D0 00010F80h 00010F80h
JH-E1
DH-E3 00020FF0h 00020FC0h
SH-E4
BH-E4
SH-E5 0020F42h
DH-E6 00020FF2h 00020FC2h 00020FC2h
JH-E6

さて話を戻すと、SpecificationによればAthlon 64 FX-57のCPUID命令におけるEAXの値は00020F71hになるとされる。これを解釈すると

0 0 0 2 0 F 7 1
0000 0000 0000 0010 0000 1111 0111 0001
Ext.
Family
Ext.
Model
Fami
ly
Model Step
ping
Extended Famyly = 0
Extended Model = 2
Family = F
Model = 7
Stepping = 1

であり、CPU-Zに表示されたExt.Modelの解釈が間違いで実際のコアリビジョンはSH-E4と考えられる。ちなみに間違っているのはCPU-Zだけではなく、FX-57もSpecificationの文字列が何故か"Athlon 64 FX-25"になっているようで、この結果Windows XPのGeneral画面(Photo03)とかCrystal CPUID(Photo04)での表示も"Athlon 64 FX-25"になっているのはご愛嬌か。まぁES品だからこういったミスもたまにはあるのだろう。

Photo03:プロセッサ格納の文字列をそのまま持ってきてるから、プロセッサ表示はこんな感じ。PAEが有効になっているのがちょっと興味深い。

Photo04:PowerNow!/CnQが有効になっている事に注意。

ところでPhoto04からも判る通り、従来Athlon 64 FXシリーズではCool'n'Quietの機能が無効だったのだが、今回からコレが有効になった様だ。もっともデフォルトではこの機能が入っているわけで、単に無効にするのをやめたのか、それともこれはES品だけの話で製品では無効になる(というか、ES品で無効にし忘れた)のかは現状では判断できない。あれば便利なので、このまま有効になっていればいいのだが。

ちなみにAthlon 64 FX-57のスペックであるが

  • プロセステクノロジー :90nm SOI
  • トランジスタ数(概算) :1億1,400万トランジスタ
  • ダイサイズ(概算)   :115平方mm
  • Vcore        :1.35~1.40V
  • Icc(最大)      :74.9A
  • TDP(最大)      :104W
  • 最大ケース温度(TCase):63℃

と発表されている。先日発表されたAthlon 64 X2が

  • プロセステクノロジー :90nm SOI
  • トランジスタ数(概算) :2億3320万トランジスタ/1億5400万トランジスタ
  • ダイサイズ(概算)   :199平方mm/147平方mm
  • Vcore        :1.35~1.40V
  • TDP(最大)      :110W

また、Athlon 64 FX-55が

  • プロセステクノロジー :130nm SOI
  • トランジスタ数(概算) :1億590万トランジスタ
  • ダイサイズ(概算)   :193平方mm
  • Vcore        :1.50V
  • Icc(最大)      :67.4A
  • TDP(最大)      :104W
  • 最大ケース温度(TCase):63℃

だった事を考えると、ダイサイズなどを考えれば、Athlon 64 FX-57は(Speed Yieldこそ低そうなものの)Athlon 64 X2やAthlon 64 FX-55に比べ原価は大幅に安くなるわけで、AMDにとっては「お得」な商品だとは言えそうだ。

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インデックス

目次
(1) Athlon 64 FX-57を確認する
(2) ベンチマーク環境
(3) ベンチマーク結果(1)
(4) ベンチマーク結果(2)
(5) ベンチマーク結果(3)
(6) まとめ

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