【レポート】

産業用バーチャルリアリティ展 - HMDと一風変わったデバイスをレポート

1 ローエンドからハイエンド、定番まで多種多様なHMDを展示

    大塚実  [2005/06/24]

    バーチャル・リアリティ(VR)関連の製品・技術を対象とした「第13回 産業用バーチャル リアリティ展」(主催:リード エグジビション ジャパン)が22日、東京ビッグサイトにて開催された。105社が出展しており、VR構築ソフトウェア、各種ディスプレイ、シミュレータ、デバイスなどを展示。会期は24日までの3日間で、併催は「第16回 設計・製造ソリューション展」「第9回 機械要素技術展」。

    第13回 産業用バーチャル リアリティ展

    世界各国のHMDが大集合

    VRといえば、誰もが思い浮かべるほど代表的なデバイスがヘッドマウントディスプレイ(HMD: Head Mounted Display)。だが、かなり以前から発売されていることと高い知名度の割には、あまり一般に普及していないのが現状だ。その一因として、目や頭が疲れやすいこともあるだろうが、何よりも価格の高さが大きいだろう。そのため依然として業務用が中心となっているが、同展示会では日本を含めた各国のHMDが展示されていた。

    まずは定番HMDのData Glass2

    まずは、「チームつかもと」でも使用されているお馴染みの「Data Glass2/A」から。特に新製品はなかったが、島津製作所のブースでは、Data Glassを使ったソリューションなどを展示。警備用・整備用の提案のほか、採用事例として、日立造船の保全用システムを展示していた。

    警備用、というかどう見ても防衛用途っぽいシステム

    日立造船は、自社で端末も開発したそうだ

    スペックを見てみると、解像度はSVGA(800×600)フルカラー、画角は60cm先に約13インチのモニターを見ているイメージ(対角約30°)となる。希望小売価格は190,000円。このData Glassは島津製作所の物流倉庫でも使われているそうで、おばちゃん達が普通に使っているとのこと。2~3日もあれば、だいたい慣れるのだそうだ。

    本機Data Glass2/AはHMDとしては成功した部類に入る製品だが、そろそろ次世代機も気になるところ。これについては、「社内ではいろいろ考えている」(ブース担当者)とのことだが、まだ具体的に発表できるレベルではないようだ。

    韓国の有機EL採用HMD

    旭エレクトロニクス は、韓国Daeyang E&Cの「FMD(Face Mounted Display)」を展示。まだ開発中の製品だが、2D表示タイプと3D表示タイプがある。価格は未定で、2Dタイプの製品が今秋の発売となる見込み。

    「FMD」の動作サンプル。これは3Dタイプで、立体視が可能

    ソニーの「グラストロン」やオリンパスの「EYE-TREK」と同様のメガネ型HMDで、解像度はSVGA、画角は2m先で60インチ(42°)。有機ELを使用した鮮やかな表示、自由曲面プリズム採用による歪みの小さい画面が特徴で、重さも120gと軽い。ちなみに3D表示は、PC上で画面を上下に2分割、それぞれに左目用・右目用の画面を描画し、HMD側で対応するディスプレイに表示させていた。

    この自由曲面プリズムで歪みの小さい画面を実現

    7万円を切る価格の3D対応HMD

    同じくメガネタイプで、すでに発売されているのがビジュアルウェアの「icuiti V920 Video Eyewear」。解像度はVGA(640×480)で、画角は2mの距離で42インチ相当だが、価格は69,800円と比較的安い。画角が広いバージョンも検討中だそうだ。

    スリムな形の「Video Eyewear」。米Icuitiの製品

    発売中なので、製品パッケージもきちんとある

    本体の厚さは2cmと、スリムなスタイルの製品となっており、耳の部分にはイヤホンも付けられている。コントローラには単3電池2本を格納し、ニッケル水素電池使用時で連続4.5時間の利用が可能。3D対応のDVDソフトやPCゲームなどでは、立体視を楽しむこともできる。

    PCから立体視させる場合は、フレーム毎に右目用・左目用が切り替わる。そのため普通に見るとブレて見える

    専用のケーブルで、VGA入力(左)とビデオ入力(右)が可能。他には、音量調整・明るさ調整のボタンなどが並ぶ

    ドイツ製のHMDはカメラも搭載

    ちょっと毛色が変わっていたのが、クレアクト・インターナショナルのブースで展示されていたビデオシースルー型HMD「ARVision」。これはドイツのTrivisio Prototypingというメーカーが開発している製品で、ゴーグルの外側にCMOSカメラを搭載、実際の背景画像にCGを合成するミックスド・リアリティ(MR)が可能になっている。

    ゴーグルの中央にあるのがCMOSカメラ

    顔側。軍用のようなゴツさ

    解像度はSVGA。製品のバリエーションとしては、カメラを1台搭載するもののほか、両目用に2台搭載するタイプもあり、この場合は遠近感も再現できそうだ。

    なぜかLEDも装備。暗闇で本も読める

    そのほか、片目で見るタイプの製品として、米Microvisionの「Nomad」も出品されていた。表示可能なのは赤色のみだが、映像は網膜に直接投影されており、画像は非常にシャープな印象。デモでは、ワイヤーフレームの3Dグラフィックが表示されていたが、照明の方向を向いても視認性は高かった。

    「Nomad」。このキャップ型のほか、バイザー型もある

    デモでは、頭にセンサーを取り付け、向きに応じた画像を表示

    国産のハイエンドHMD

    最近のHMDは小型・軽量になってきた……と思いきや、発想をガラッと変えて高画質にこだわったままHMDを作ったのが、バーチャル・アイの「HEWDD(High End Wearable Display Device)-768」。解像度は、なんとハイビジョンサイズのXGA+(1280×768)。さらに視野角が120°と広く、目が疲れにくいのも特徴だという。

    HMDとしては異例の大きさの「HEWDD-768」

    上下から挟んで頭に固定。残念ながら初日は稼働していなかった

    問題なのはその大きさと重さだが、上からフレームで吊り下げることで、首への負担を低減している。光源はLEDになっているが、内部はほぼプロジェクタと同様とのことで、この大きさになったそうだ。映像は2系統のVGA入力が可能で、立体視にも対応。

    今回持ち込んだものはまだ試作機で、製品化は半年ほど先になりそうだという。当初はCADなど業務用製品となるが、将来的にはコンシューマ向け製品への適用も検討したいとのこと。販売は、クレッセントが担当している。

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