【レポート】

愛知万博「プロトタイプロボット展」 - ロボットとの共生にむけて

5 屋外で行動できるロボット

    山田久美  [2005/06/14]

    筑波大学機能工学系山海研究室の「ロボットスーツ HAL」は、装着することで人間と機械が一体となって身体機能を拡張・増幅できるロボットスーツ。人間が運動しようとする際に生じる生体電位信号を皮膚表面で検出・処理することにより、思い通りに人間の力を増幅させることができるという。また自律制御機構も搭載しているため、神経信号を用いなくても自動的・自律的に動作を実行することが可能だ。医療・福祉分野、重作業分野、災害レスキュー分野、エンターテインメント分野など、幅広い分野での活用が期待されているとのこと。

    山海研究室のロボットスーツ HAL

    NECシステムテクノロジーと三重大学生物資源学部橋本研究室が開発した「健康・食品アドバイザーロボット」は、手の部分に赤外線センサを搭載、そのセンサを使って食品の成分や食品の種類を検出し、健康のアドバイスをしてくれる。将来は原材料の評価や食品への味付けの設計支援など食品業界での活用のほか、劣化食品やカビ臭を検出するセンサが搭載された冷蔵庫ロボットや、成人病の食事療法による予防・治療が可能な看護ロボットなどへの展開も期待できる。

    動画
    健康・食品アドバイザーロボットがセンサでパンを検出している場面(wmv形式 268KB 11秒)

    電気通信大学大学院情報システム学研究科情報システム運用学専攻木村研究室が開発した「四脚ロボット 鉄犬」は、不整地でも高速走行が可能な犬型ロボット。接触センサや姿勢センサなどセンサ情報のみを用いて凸凹の地でも自律的に移動する。将来的には、介助犬、警察犬、救助犬の代わりに活用できるという。

    動画
    外壁にぶつかることなく走る鉄犬(wmv形式 545KB 23秒)

    屋外ゾーンでは7種類のロボットが展示されている。

    菱明技研による「金の鯱ロボット」は名古屋城の金の鯱をモデルに作られた魚ロボットで、水中を泳ぎ水中から撮影した画像を送ることも可能だ。

    名古屋城の金の鯱をモデルにした、その名も金の鯱ロボット

    名古屋工業大学産業戦略工学専攻梅崎研究室の「鬼ごっこロボット ASKA」は、頭の部分に全方位カメラ、側面に距離センサを搭載するロボットで、元々、マラソンランナーの前を先導するペースメーカーロボットとして開発されたという。将来的には空港や病院で案内や荷物の運搬、監視などにも応用したいとのこと。

    ロッタが開発した「次世代インテリジェント車椅子」は、車椅子に搭載したコンピュータに事前に場所の地図情報などを入力しておくことで、看護師などが押さなくても身体障害者や視覚障害者が自分で自由に移動することができる車椅子ロボット。搭載されたビデオカメラと光センサにより縁石や点字ブロック、横断歩道、通路境界、経路のサインパターンなどを検出しそれに沿って自動走行する。メッセ広場外コースでは試乗も可能だ。

    ロッタが開発した次世代インテリジェント車椅子

    東北大学大学院情報科学研究科中野研究室が開発した「チャリべえ」は、不整地でも人を乗せて安定走行できる移動ロボット。平坦地では車輪を使って高速移動し、不整地では4足歩行する。

    中野研究室が開発したチャリべえ

    このように、参加している企業や団体は、長年ヒューマノイドロボットの研究に取り組んできた大学や研究所から今回のロボット展に出展するために集まった団体までと幅広く、ロボットの種類もバラエティに富んでいる。また、2020年という15年後の生活が、ロボットと共存することでどのように変わっているかを体験できる好機なので、是非、プロトタイプ展に足を運んでみてはいかがだろうか。

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