【レポート】

COMPUTEX TAIPEI 2005 - ATI Update - CrossFireについて聞く

1 CrossFireについて

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本日6月4日というのはCOMPUTEX TAIPEI 2005の最終日にあたり、一般公開日ということで、バイヤーやプレス関係者以外にも多数の見学客が押し寄せている「らしい」。らしいというのは、こんな日に会場に行っても全然取材になんぞならないからで、そういうわけで筆者はホテルに篭って原稿を書いていたりするのだが、大塚氏は「歩いて」会場まで行ってみるとか言っていた。ついでに台北101にも上ってくるとか言っていたので、そのレポートを楽しみに待ちたいと思う。そんな訳で筆者のCOMPUTEX現地レポートはこれが最後となる。

さてその最後のレポートであるが、6月1日に発表イベントが開催されたATIのCrossFireをメインに、もう少し掘り下げた話をお届けしたいと思う。話を伺ったお相手は、ATIのRich Heye氏(Photo01)である。

Photo01:右がRich Heye氏(Vice President and General Manager Desktop Business Unit)。ちなみに前職はAMDのVice President and General Manager, Computational Products Group。昨年9月から現職である。

CrossFireについて

Q) CrossFireにはSuperTiling / Scisoor / Alternate Frame Rendering / SuperAAの4種類があるわけですが、このSuperTilingが効果的な理由がよく判らないんですが。

A) レンダリングを行う場合、それはポリゴンを基本として、そこにテクスチャを貼り付けてゆく事になる。したがってSuperTilingだと、1つのTileで丁度手ごろな量のポリゴンを処理することができるから、複数のGPUでレンダリングする場合に効果的だ。

Q) 各々のタイルの大きさはどの位でしょう?

A) 現在は32×32pixelで固定されている。これが大きすぎると負荷分散がうまくいかないし、小さすぎるとオーバーヘッドが大きくなる。余り大きなタイルだと、複数のポリゴンがその中に詰め込まれすぎてしまうし、小さすぎると大きめのポリゴンが入りきらない場合が増えてしまうからね。将来的にはこのあたりが動的に変わる可能性もあるが、今のところは32×32がベストバランスなサイズだと考えている。

Q) 例えばScan Line Interleaveなどはどう思いますか?

A) Scan Lineは効果的ではない。レンダリングはポリゴンを基本としたものになるから、ScanLineだとポリゴンを細かく分けることになってしまい、全く意味が無い。

Q) 発表会では幾つかベンチマークの結果が示されました。あの中で、3DMark05とかはGraphicsがボトルネックになりやすいものなので、成績が伸びるのは理解できます。ただUT2004(Photo02)は、グラフィックよりもむしろCPUの方がボトルネックになりやすいベンチマークなので、CrossFireで性能が伸びる理由がよく判らないのですが。

A) グラフィックを考える場合、それがRendering IssueなのかGeometry Issueなのかをまず考える必要がある。3DMark05はRendering Issueで、UT2004はGeometry Issueだ。CrossFireではGeometryに関しても負荷分散を行うので、UT2004の様なタイプのアプリケーションでも高速に動作する。

Q) 現在のCrossFireは2枚のカードでの連動ですが、もっと多数、3枚とか4枚といった構成は可能ですか?

A) 今のところ2枚が上限だ。技術的にはもっと増やすことも不可能ではないが、現実的なソリューションになるとは思えない。それに帯域も足りない。今はPCI Expressが十分高速だから、恐らくその帯域の全てを使い切ってはいないだろうが、今後グラフィックが高性能になるにつれ、必要とする帯域はどんどん増えてゆく。そうなると、例えばx16のPCI Expressを4つとか8つに分けたら帯域が足りなくなるだろう。

Q) ところでCrossFireは非対称構成、例えばX850 XTとX800なんて組み合わせが可能で、その場合全体のスピードは遅いほうのカードにあわせられます。Alternate Frame RenderingやSuperAAではこの制約はわかるのですが、SuperTilingやScisoorでは、例えば1:1で分けるのではなく、3:2とか4:3に分散させることで、全体としてより高速にレンダリングできるのではないですか?

A) そういう構成はCrossFireではサポートしない。例えば各々のカードの性能に応じてダイナミックに分割比を変える、というのはNVIDIAがSLIで実装しているから見てみれば良いが、大体10%程度のオーバーヘッドがある。そうしたアイディアは効果的ではないと思う。

Q) ところでスピードですが、クロックとメモリ、どちらを見るのでしょう?

A) 両方だ。

Q) 今のところCrossFireはPCI Express版のみの対応ですが、AGP版にも対応させる予定はないのですか?

A) 技術的にはともかく、現実問題としてはPCI Express版のみだ。それに、AGPを使っているユーザーはCrossFireを使いたいとは思わないと思う。

Q) しかし例えばATIはX850 XTのAGP版を出していますよね。で、幾つかのマザーボードベンダーはAGPとPCI Expressを同時に使えるマザーボードをリリースしています。ですから、CrossFire対応PCI Express版とAGP版を使うという事が出来たら、AGP版のハイエンドRADEONを買ったユーザーも喜ぶと思うのですが。

A) それをやるためには、エンジニアにかなりの仕事をしてもらわなければならないだろう。残念ながらそうしたリソースは無い。

Q) ところでNVIDIAのSLIはProfileを持っていて、そのProfileに従ってSLIの方式を決めていますが、ATIもやはりリストを持っているのでしょうか?

A) 違う。デフォルトはSuperTilingで、それが効果的ではないと判断するとScisoorもしくはAlternate Frame Renderingを行う事になる。このあたりはCatalyst AIが自動的に行うので、ユーザーが設定する必要はないし、設定することも出来ない。

Q) その場合、Catalyst AIはどうやって判断するのでしょう?

A) 例えばどんな圧縮テクスチャを使っているか、など幾つかアプリケーションの振る舞いを見ていれば判る事柄がある。こうしたものをベースに自動的に判断する。従ってプロファイルは一切ない。

Q) SuperAAですが、これはどんな形になるのでしょう?

A) CrossFireを使わないと、AAはNoAA / 2x / 4x / 6xという選択だが、SuperAAを使うと2x / 4x / 8x / 10x / 12x / 14xまで変化させられる。この場合、各々のGPUが2x~7xまでのAAを行い、更にCrossFireのComposit Engineが2xのOversampling AAを搭載しているため、合計で14x AAまで実現できる。

Q) 例えば2xAAと4xAAであれば、ユーザーはそのクオリティの高さを理解できると思いますが、では10xAAと14xAAを比較して、ユーザーに何かメリットがあるのでしょうか?

A) 一番判りやすいのはFPSだ。例えば木の枝に隠れた相手とかを狙撃するといったシーンで、その効果は明確に実感できるだろう。

Q) しかしそれはそうとう高い解像度でないと判りませんよね?

A) それはその通りだ。まず高解像度、次にFSAAという順になる。

Q) ところでCrossFireでは2枚のカードの出力をコネクタで接続していますが、あのコネクタには何が流れているんでしょう?

A) DVI出力だ。

Q) いや電気的にはDVIだと思うのですが、つまりレンダリング前のデータが流れているのか、それともレンダリング後のデータなのか、どちらでしょう?

A) レンダリング後になる。

Q) CrossFireを利用するために必要なマザーボードの構成というのは、2つのPCI Expressポートが必要ということ以上になにかあるのでしょうか? それともドライバとVerificationが問題なのでしょうか?

A) 基本的にはVerificationだ。我々はAMDとIntelの両方のプラットフォームでCrossFireをサポートする。

Q) 例えばIntelのBlack Creekという955Xマザーボードは片方が2本のPCI Express x16スロットを持ちますが、片方は16レーン、もう片方は4レーンの構成です。この構成でもCrossFireは動作しますか?

A) 勿論動作する。ただ、片方が4レーンしかないと多少性能が落ちるだろう。8xレーンが2つの構成の方がMore betterだ。

Q) Workstation向けにCrossFire向けのソリューションを出す予定は有りますか? 例えばNVIDIAはnForce Professionalと組み合わせてSLIを提供しています。

A) それは我々のWorkstation Groupが手がけることになるが、そもそもConsumer向けとは要求されるものが異なってくる。Consumer向けはRendering性能が問題になるが、Workstation向けはむしろGeometry性能が問題になる。なので、今すぐにCrossFireをWorkstation向けに出す事はしないだろう。どんなSolutionがベストか、を議論する必要があるだろう。

Q) 今後、例えばX900とかが出てきた場合、それは現在のX800とCrossFireを構成することは可能でしょうか?

A) それは基本的には可能な筈だ。

Q) CrossFireをもっと下の、例えばX600とかX700とかに対応させる予定はありますか?

A) 我々はそうした計画は持っていないが、OEMがそうした製品を作る可能性はあるだろう。

Photo02:発表会でのプレゼンテーションより

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インデックス

目次
(1) CrossFireについて
(2) ビデオ関連

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