【レポート】

COMPUTEX TAIPEI 2005 - Athlon 64 X2の展望など、担当者に直接聞いてみる

AMD Q&Aセッションから

既報の通り、AMDは正式にAthlon 64 X2の発表会を行った訳であるが、この発表会の後で1時間ほどのQ&Aセッションが別室で設けられたので、ここでの話を少しお届けしたいと思う(Photo01)。

Photo01:セッション参加メンバー。左からVanoy Wong氏(VP Sales & Marketing, AMD Great China)、Henri Richard氏(Executive VP, Worldwide Sales and Marketing, AMD)、K.J. Chou氏(General Manager of AMD Far East Ltd. Taiwan Branch)

Q:Athlon 64 FXはシングルコアのままであるが、現在多くのゲームがマルチスレッド対応を開始している。この点をどう考えるか?
A:ゲームは、差別化のためにいち早く新しいトレンドを入れる傾向がある一方、開発の遅延も日常という世界だから、判断が難しい。現在の世代のゲームは、殆どがシングルスレッドで構成されているから、シングルコアのAthlon 64 FXで問題がないと考えている。次世代のゲームはマルチスレッドに対応することになるだろうし、その時点ではAthlon 64 FXもデュアルコアになるだろうが、それは来年後半のことと考えている。

Q:IntelはデュアルコアのPentium Dを異様に安く販売しており、AMDのAthlon 64 X2とのプライスギャップが非常に大きくなっているが、これをどう思うか?
A:まずプロセッサ単体の価格で比較するのは間違っている。Pentium Dを使うには新しいチップセットと新しい冷却システムが必要で、一方Athlon 64 X2は従来のAthlon 64プラットフォームがそのまま利用できる。だから、見かけほどに価格のギャップは無い。これには時間が掛かるだろうが、プロセッサ単体での価格ギャップも次第に埋まってゆくだろう。加えて言えば、我々の価格は性能に応じて付けているわけで、非常にシンプルだ。Intelの場合、シングルコアのCPUがデュアルコアのものより高い場合もあるという複雑な価格体系になっており、これはエンドユーザーに判りにくい。

Q:デュアルコアの次のターゲットは何か?
A:まずサーバー、次にメインストリームであり、その次にAthlon 64 FXのゲーム向けマーケット、次いでDTR(Desktop Replacement)のノートPCなどになると考えている。

Q:DDRIIへの移行はどうなるのか?
A:価格面と性能面で移行が適切と考えたら、移行することになるだろう。今はまだその時期ではないと考える。

Q:DDRII世代でもプロセッサの互換性は保たれるのか?
A:DDRIIでは、CPU、メモリ、チップセットの全てが変わることになる。これまでは様々なコンポーネントの進化に応じて色々変えてゆく必要が生じた場合、なるべく小さなUpdateで済ます事でこれに対応してきた。顧客がスムーズに移行できるように、という理由だ。ただそれだと大きな改良を加えることは難しい。そこでDDRII世代では今後の変化に対応すべく、Big Jumpを行うことになる。従ってソケット形状も変わるし、チップセットも変わることになるだろう。

Q:IntelはCeleronにも64bit対応(EM64T)を行うが、AMDはSempronの64bit(AMD64)化は考えていないのか?
A:現時点ではSempronのマーケットに64bitのデマンドは無いという理由から、特にAMD64対応は行っていないが、顧客にそのデマンドが生まれた場合には直ぐに64bit対応Sempronを投入する。

Q:Cellに代表されるアーキテクチャをどう思うか?
A:Cellはx86が動かないからね(笑)

Q:AMDはx86 Everywhereを標榜しているが、AMD Alchemyはそうすると最終的にはGeodeで代替されてしまうのか?
A:x86 EverywhereというのはWindowsプラットフォームのなかでという意味で、世の中にはWindowsの動かないプロセッサが(動くプロセッサと比べて)大多数を占める。Alchemyはこうした特定機器向けとして今後も生き延びるだろう。

Q:AMD Taiwanの管轄がAMD JapanからAMD Great Chinaに移った経緯をもう少し教えて欲しい
A:2つの理由がある。1つ目は、日本のマーケットはもっとOpteronに代表されるサーバーマーケットなどに重点を置く必要があることだ。日本ではサーバーのマーケットにもっと力を入れたいが、TaiwanはむしろDesktopのマーケットということになり、この点でAMD Great Chinaでハンドリングしたほうが良い。2つ目は、JFTC(Fair Trade Commission of Japan:公正取引委員会)からの排除勧告により、Intelとの関係が新しい局面に入ったことだ。AMD JapanはIntelとの戦いに100%集中する必要が出てきており、このためにAMD Taiwanのハンドリングを外すのが良いと判断した。

Q:AMDは昨年JEL(Japan Engineering Lab)を開設したが、現状は?
A:やはり有能なエンジニアを集めるのには時間がかかるため、予想より立ち上げには苦労している。とはいえ、ちゃんとそれなりに動き始めてはいるが。

Q:JELの成果は近いうちに見ることができるのか?
A:いやそれはないだろう。JELの技術がマーケットで利用されるようになるには、やはりそれなりの時間が必要だ。

おまけ

Tyanのブースでは、nForce Professionalを使った8wayサーバーの展示が行われていた。この8wayサーバー、8つのCPUのうち4つはマザーボードであるS4881(Photo02)に装着し、残る4つはドーターカードであるM4881(Photo03)に装着、間を専用コネクタ(Photo04)で繋ぐという方式だ。また、このS4881だけを2Uのラックマウントシャーシに搭載した4wayでの運用例も展示されていた(Photo05)。

Photo02:TYAN S4881。4CPU構成で16スロットのメモリ、4SATA、IEEE1394、GbE×2、RAGE XLといった構成。ちなみにPCI Express x16スロットが2つあるが、これはスロットだけであって、SLI自体は動作しない。

Photo03:TYAN M4881。4CPU構成で16スロットのメモリを持つドーターカード。S4881/M4881共に最大64GBまでメモリを搭載できるから、システムとしての最大搭載量は128GBに達する。ちなみにデュアルコアOpteronにも当然対応するので、これを搭載すると16CPUコア構成という事になる。

Photo04:ちょっと判りにくいかもしれないが、この専用コネクタが刺さっているのはPCI Express x16のコネクタ。コネクタをそのままHyperTransport接続用に転用してしまったのだそうだ。

Photo05:流石にS4881+M4881の構成は多くないと考えている様で、メインはドーターカードを搭載しない、この4wayシステムになると見込んでいるそうだ。

人気記事

一覧

イチオシ記事

新着記事