【インタビュー】

Efficeonでスパコン? Transmeta創業者が率いるOrion Multisystems

1 デスクサイド筐体内にモバイルCPUを96個搭載

    大塚実  [2005/05/27]

    HPC分野へのクラスタの進出が盛んだ。スーパーコンピュータのランキングとしてお馴染みのTOP500リストを見ても、最新の24thリスト(2004年11月発表)では、500台中294台(58.8%)がクラスタシステムとして分類されている。2003年11月の22ndリストにおいて、米バージニア工科大学のApple Power Mac G5クラスタが3位にランキングされたことも記憶に新しい。

    一方、使用されているプロセッサを見ると、24thリストではXeonが46.4%とほぼ半数近いシェアを確保するなど、クラスタの急増を裏付ける結果となっているが、それ以外にはItanium 2も16.8%と、Intelのサーバー・ワークステーション向けプロセッサの健闘が目立つ。

    そんな中、モバイル用プロセッサを使ってクラスタ市場に参入してきた異色の企業が米Orion Multisystemsだ。CPUとして採用するのは、TransmetaのEfficeon。複数ユーザーが使う共有マシンとしてではなく、一人のユーザーが占有することを前提として設計されているもので、米国ではすでに96ノード(CPU)を搭載する「DS(Deskside)-96」と12ノードの「DT(Desktop)-12」を発売。18日、同社はDS-96の日本市場への投入を発表し、来日した同社社長兼CEOのColin Hunter氏がインタビューに応じた。

    DS-96

    DS-12

    DS-96は、高さ27インチ(68.5cm)×奥行き25インチ(63.5cm)×幅17インチ(43cm)という「デスクサイド型」の筐体に96ノードを搭載する。内部には、Efficeonを12個搭載するボードが8枚並べられており、ピーク性能は230GFlops、継続動作時の実効性能は110GFlopsとなる(Linpackベンチマークによる)。モバイル向けのEfficeonを搭載することで、96ノードでも最大1,500Wという低消費電力を実現しており、電源には標準的なコンセントが利用可能だ。

    個人のワークスペースで利用できる大きさ

    DS-96の内部。12個×8枚で合計96プロセッサとなる

    ボード上には、ほぼ正方形の同じパターンが3×2個並んでおり、それぞれのパターンに2ノード、合計で12ノードを搭載。各ノードは、90nmプロセスのEfficeon 1.2GHzを始め、サウスブリッジ、GbEコントローラ、IDE・メモリスロットなどが実装されており、シンプルながらPCとして機能する。各ノード間のインターコネクトはGbEで、ボードの背面側に実装される12ポートGbEスイッチを介して接続。また背面にはI/Oボードコネクタが用意されており、グラフィック機能などは接続されたI/Oボード側に搭載されることになる。

    ボード上には、このような配列で12個のEfficeonノードが並ぶ

    1ノードの拡大図。サウスブリッジはALi、NICはIntel製チップとなっている

    OSは、Linux kernel 2.6.6のFedora Core 2をプリインストール。MPIライブラリやSGE(Sun Grid Engine)、コンパイラなどの開発ツールも付属している。

    同社は、Hunter氏(社長兼CEO)とEd Kelly氏(エンジニアリング担当副社長)という、ともにTransmetaの共同創業者だった2人によって設立された。Hunter氏は、Transmeta時代にはソフトウェア・エンジニアリング担当副社長、そしてKelly氏はCTO兼システムエンジニアリング担当副社長として腕をふるった人物で、ともにEfficeonに関してはエキスパートであると言える。そんな同社がEfficeonを採用するのは自然な流れのようにも思われるが、DS-96について、Hunter氏に話を聞いた。

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