【レポート】

韓国ポータルサイト事情 - 韓国ユーザの心をつかむべく進化中

1 まずはおなじみのNAVER

    佐々木朋美  [2005/05/25]

    インターネットをする上で、今やポータルサイトはなくてはならない存在となっている。検索やニュース、メールにブログなど、数々のサービスを総合的に提供するポータルサイトは、たくさんの人がさまざまな用途で集まる空間だ。

    韓国は強力な国産ポータルサイトがひしめく激戦区。常日頃から質の高いWebサイトに接している韓国ユーザの見る目は厳しい。各社は、他社と同じ機能やサービスではなく、より高度な、得意分野を最大限に活かした個性的なサービスを競って提案し、他社との差別化を図ろうと試みている。韓国で有名な4つのポータルサイトに、詳しい特徴や機能、戦略を聞いてみた。

    検索にとことんこだわる「NAVER」

    NAVERのトップ画面。右上にある四角形の欄外広告では、世界の「愛してる」という表現とともに「この世のすべての知識をネイバーで」とうたわれている

    すでに日本進出も果たしている「NAVER」は、NHNが運営するポータルサイトだ。98年、Samsung SDSの社内ベンチャー起業制度により、検索機能のみのWebサイトを立ち上げた翌年に独立し、現在に至っている。NAVERは「ナビゲータ( Navigator)」からきている言葉で、「インターネットを自由に飛び回る人」という意味。ロゴマークの帽子にも羽がつけられている。

    インターネット創生期であった独立当時、韓国ではまだ飛び抜けて目立ったポータルサイトといったものがなく、当時のNAVERも他社と同様、小規模でややマニア的な印象のWebサイトだったという。そんなNAVERの名を広く知らしめるきっかけとなったのが、統合検索機能の提供だ。

    それまでNAVERではディレクトリ検索が主だったが、統合検索では、検索したいキーワードを入力すると、ディレクトリ、Webサイト、ブログ、ニュース、画像、辞書といった一連のカテゴリの検索結果がまとめて表示されるようになった。従来の、キーワードをさまざまな形で何度も入力しては、個別に記事を探す必要のあったユーザの手間を大きく省くという意味で、統合検索の採用は画期的だった。

    さらにNAVERの人気を高めたのが、他社に先駆けて行ったという知識検索サービスの提供だ。ユーザ同士が質疑応答する場を専用ページに設けており、あるユーザが書き込んだ質問に対し、他のユーザが答える形式を取っている。蓄えられた知識は検索可能だ。質問内容は「韓国の人口は?」「××山の高さは?」など、日常生活に根ざした素朴なものが多い。しかしながら、日常的で基本的な情報だからこそ、ふと疑問に思った時に開く便利手帳のように重宝することが多いからあなどれない。人気機能のひとつである知識検索は、統合検索の結果としても一覧に表示される。

    NHN広報室長のチェ・ソンジュ氏。「今後も知識を主軸としていくことは変わりません。NAVERが情報の集まるところになったらいいですね」

    今でこそ目新しくないこれら検索機能だが、アメリカでは「Search Style "NAVER"」とも呼ばれるという。こうした機能を生み出す秘訣を問うと「ユーザが何を求めているのか、ニーズを探し続けること」と、NHN広報室室長のチェ・ソンジュ氏は言い切る。実は知識検索は、とあるコミュニティでの質疑応答の様子からヒントを得、そこから発想を広げる形で考え出した機能なのだという。知識検索は等身大のユーザの姿をウォッチし、彼らの要求を反映したニッチなサービスといえる。

    「たとえば『野球』と入力した結果が、何万件も出て来るのが良しとされていた時期もありました。しかし今は、野球の中でも特に何が知りたいのか、ユーザが本当に欲しているニーズを正確に把握することがより大切です。そのニーズも今は多様化する傾向にありますが、核心をついた技術を提供すれば、ユーザは利用します」(チェ・ソンジュ氏)。

    現在、『検索のNAVER』と呼ばれるNAVERのユーザ数は約2,400万人、一番よく使われている機能は、やはり統合検索だという。

    「ほぼすべての事柄が解決できるほどにまでNAVERの検索機能は高められていますが、これをさらに強化して、NAVERをあらゆる情報の集まる場にしたいです」とチェ・ソンジュ氏は意気込む。

    同社はゲームサイト「Hangame」の運営も手がけている。最近積極的なCM攻勢をかけている日本をはじめ、すでに進出済みの中国・アメリカ市場においても、この分野でのさらなる拡大を図っている。また最近では、本の内容を立ち読み感覚であらかじめ確認できる、本のネットショッピングサービスや、子供向けコンテンツを提供する「ジュニアNAVER」も新たに開始した。またメッセンジャーや有無線統合サービスに関しても、提供へ向け準備進行中だという。検索機能のいっそうの強化や、その他機能の新規スタートと盛りだくさんの今年は、NAVERにとって大きな飛躍の年となる、と予想されている。

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