【レビュー】

Athlon 64 X2 ファーストインプレッション

1 Athlon 64 X2とはどのようなCPUか

 
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先日のPentium Extreme Edition、そしてデュアルコアOpteronに続き、6月には第3のデュアルコアCPU「Athlon 64 X2」が登場する。短期間ながらAthlon 64 X2 4800+の実働機を使用することができたので、そのファーストインプレッションをお届けしよう。

Athlon 64 X2とはどのようなCPUか

まずは、おさらいを兼ねてAthlon 64 X2の概要を説明しておきたい。Athlon 64 X2はSocket 939で提供されるAMDのコンシューマー向けデュアルコア製品だ。すでに出荷が始まっているデュアルコアOpteronからはマルチプロセッサ対応などが省かれているが、内部構造的には同等と考えていいだろう。アーキテクチャ上の特徴は、1つのダイに集積された2つのCPUコアが、System Request Queueと呼ばれる一種の内部バスで接続され、クロスバースイッチを介して外部のインタフェース、すなわちHyperTransportやDDR SDRAMコントローラ(デュアルチャンネル)に接続される点だ。

System Request Queueは2つのCPUコアから発行されるリクエストを適宜調停し、外部バスや2つのプロセッサ間の通信を行う仕組みと考えられる。AMDによるとSystem Request Queueは内部クロックスピードで動作するとしている。

2つのコアが高速に結ばれることには大きな利点がある。たとえば、両コアは独立したL1/L2キャッシュを備え、CPUのメモリリード/ライトは一般にキャッシュに対して実行される。したがって、片側のCPUが、あるメモリ領域にリード/ライトを行っている最中、もう片方のCPUが同じメモリ領域にアクセスする際には、2つのキャッシュ同士を常に最新の状態に保つ動作が必要だ(この動作が適切に行われないと、たとえば片側のCPUでメモリにゼロを書き込んだのに、もう片側で同じメモリにアクセスするとゼロではない値が読み取れるといった齟齬をきたし正常に動作しない)。2つ(以上)のCPUのキャッシュの完全性を保証することはキャッシュコヒーレンシーの維持と呼ばれ、マルチプロセッサでは重要な仕掛けだ。キャッシュコヒーレンシーを維持する動作は、特に同一のメモリ領域を共有して動作するマルチスレッドアプリケーションでは、そのパフォーマンスに影響を与えやすい。

その点、Athlon 64 X2では高速な内部バスでCPUコアが接続されるため、キャッシュ同士の通信は著しく高速と考えられ、一般的なSMP(外部バスで2つのCPUを接続する形)よりパフォーマンス的には有利と考えられる。また、HyperTransportやDDR SDRAMコントローラと、クロスバースイッチを介して接続されるため、たとえば片側のCPUはHyperTransport経由でI/Oアクセスを行い、一方はメモリへのリードライトを実行する、といった動作がパラレルに行えるはずだ。この点でも同一のFSBを共有するXeonデュアル等と比較してパフォーマンス面では有利なCPUと言えるかもしれない。

Athlon 64 X2 4800+を見る

今回、試用したのはAMD提供の評価キットである。マザーボードはASUSTeK A8N-SLI Deluxe(nForce4 SLI)を使用、メモリはCorsair 3200XL Pro(512MB PC3200 DDR SDRAM)×2枚がセットされていた。ヒートシンクを外す許可が得られなかったため、CPUのヒートスプレッダ面の記載などは確認できなかったが、動作クロック等の情報からAthlon 64 X2 4800+(実クロック2.4GHz、L2キャッシュ1MB×2)であることがわかる。予定されている製品ラインの中では、もっともハイエンドに位置するCPUだ。

CPUクーラーはヒートパイプが通された大型のもの。ThermaltakeのCL-P0075が搭載されていた。Athlon 64 X2 4800+の公称TDPは110Wと、従来のAthlon XP 4000+(89W)などと比較するとやや高いが、このヒートシンクはAthlon 64 4000+対応として市販されている製品だ。Athln 64 X2は現行のシングルコア製品とTDPがほとんど変わらないという点をひとつの宣伝材料としているので、現行製品用のクーラーを搭載させてきたのは当然なのだろう。

ベンチマーク走行用に英語版Windows XP Professional SP1をインストールした。画面1はインストール後のタスクマネージャの様子である。確かにデュアルになっている。

画面1 確かにデュアルである。

画面2 デバイスマネージャ

画面3 CrystalCPUID

画面2のデバイスマネージャでも確認できるが、Windows上からはModel unknownと認識される。画面3のCrystal CPUIDも同様だが、キャッシュ容量やクロックは正常に取れているようだ。

やや余談だが、AMDからは32ビットWindowsでのテスト時には「AMD CPU Driver」と呼ばれるドライバ(試用機に添付)を導入するよう指示されていた。Windows XP SP2専用のドライバであったため、SP2にアップ後、指示通りドライバを導入。その結果、新しいHAL(Hardware Abstraction Layer)がコピーされたのだが、そのHALからは起動させることができなかった。したがって、付属のCPUドライバが何をするドライバなのかは不明だが、ドライバ無しでも画面1~3に示すように正常にデュアルプロセッサと認識されており、「Model unknown」と表示される以外は特に動作上の問題はないようだ。

ところで、以前のデュアルコアOpteron発表時に、Ahtlon 64 X2は現行のSocket 939マザーボードで使用可能だが、BIOSのアップグレードが必要とアナウンスされていた。この試用機のBIOSバージョンがどうなっているのか気になるところだ。BIOSのタイムスタンプは2005年3月23日。ASUSTeKのサイトにはA8N-SLI用のこのタイムスタンプのBIOSは存在していない。何らかの手を入れた「特製BIOS」の可能性があるが、実はBIOS上でもCPUタイプは「Model unknown」と表示されてしまうので、Athlon 64 X2対応に書き換えられたBIOSとは断言しかねる部分がある。

このように、いくつかやや不審な点はあるものの、キットの都合上マシン構成の変更ができないため、この状態で試用せざるをえなかったことを了承頂きたい。

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インデックス

目次
(1) Athlon 64 X2とはどのようなCPUか
(2) パフォーマンスは?
(3) 現時点で最高性能のCPU

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