【レポート】

電機大手の2004年度決算を見る - 明暗を分けた今回の連結決算

1 デジタル家電を巡り、勝ち組、負け組に

大河原克行  [2005/05/09]
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電機各社の2004年度連結決算が出揃ったが、大手9社といわれるなかでは、松下電器、シャープなどが大幅な増収増益を達成したのをはじめ、5社が増収増益となった一方で、当初見通しに到達しない企業もあり、デジタル家電を巡り、勝ち組、負け組に、明暗を分けた格好となったのが今回の連結決算の特徴といえそうだ。

だが、勝ち組企業とはいえ、2005年度に関しては慎重な見方をする企業が多く、予断を許さないとの姿勢が感じられる。ソニー、東芝、三洋電機と、6月からの新社長登板を控える企業もあり、2005年度の各社の取り組みから目が離せない。

圧倒的な強みを見せる松下、シャープ

2004年度連結決算で圧倒的な好調ぶりを見せつけたのが松下電器とシャープだ。

松下電器は、3期連続の増収増益となる実績。売上高は前年比16%増の8兆7136億円、営業利益は58%増の3085億円、税引前利益は45%増の2469億円、当期純利益は39%増の585億円。2月時点で発表した上方修正値を上回るという好調ぶりだ。

松下電器の中村社長

主力となるAVCネットワークは、前年並の3兆8588億円、営業利益は1%減の1274億円。数字上では、デジタル家電の好調ぶりがそれほど目立たないように見えるが、このなかには、売上高で1%減の5595億円、営業損失ではマイナス89億円の赤字となった携帯電話事業を担当するパナソニックモバイルコミュニケーションズの数字が含まれており、薄型テレビやDVDレコーダー、デジタルカメラなどを担当するパナソニックAVCネットワークス社だけを取り上げれば、売上高は前年比10%増の1兆3246億円、営業利益は5%増の301億円と増収増益。とくに、PDPテレビは前年比71%増の2172億円の売上高となった。

一方、シャープは、2年連続で過去最高の売上高、利益を達成。売上高は前年比12.5%増の2兆5398億円、営業利益は24.1%増の1510億円、経常利益は25.9%増の1405億円、当期純利益は26.6%増の768億円と2桁増の大幅な伸びとなった。

左が佐治副社長

シャープの場合は、なんといっても液晶関連事業の貢献が大きい。液晶テレビを含むAV・通信機器は、液晶テレビの大画面化が加速したことも影響して、売上高は前年比16.1%増の9731億円、営業利益は16.2%増の323億円。また、部品としての液晶パネル事業は、売上高が36.2%増の7201億円、営業利益が45.6%増の556億円と、こちらも大幅な伸張を見せている。

亀山工場の本格稼働が大きく貢献し、生産数量を増加させたのに加え、旺盛な大画面需要に支えられたことも影響。同社の液晶テレビの出荷台数は、前年比1.8倍の272万台に達したほか、30型以上の大画面テレビの構成比は、昨年度の15%から22%にまで拡大したという。

価格下落への対応力が好業績に直結

松下電器、シャープの2社に共通しているのは、デジタル家電の大幅な価格下落にも対応できる体質を確立していることだ。

例えば、シャープでは、「液晶テレビの店頭実売価格は約3割下落したが、当社の平均単価は3%しか落ちていない(シャープの佐治寛代表取締役副社長)」と語る。これは、先にも触れたように大画面化へのシフトによって単価が上昇、価格下落分を吸収していることが最大の要因だ。

また、松下電器の中村邦夫社長は、「生産プロセスの合理化、設計の見直し、生産性の向上によって、価格下落と原材料の高騰による利益圧迫を吸収することができる。松下電器はそれに取り組んでいる」と語る。この取り組みが価格下落の市場傾向のなかにありながらも、デジタル家電を担当するパナソニックAVCネットワークス社が好調な売り上げを計上することにつながっている。

シャープが、市場の大画面化に対して柔軟な対応を図り、収益を拡大させている点、そして、松下電器が価格下落傾向のなかで、利益確保を実現できるのは、いずれも自社でパネル生産を行っているという強みがあるからにほかならない。

シャープは、2004年度から亀山工場を本格的に稼働。松下電器も茨木第2工場を稼働させ、生産性を大幅に改善している。この体制強化は今後も継続させる考えで、松下電器は、当初、今年11月に予定していたPDPの尼崎工場の稼働を、遅くとも10月には稼働させる姿勢を示したほか、シャープも、2006年の亀山第2工場の稼働に向けて、計画通りに準備が進んでいることを示した。

松下電器・中村社長は、「価格下落に対しては、消極的に対応するのではなく、積極的に立ち向かって問題解決に挑みたい」として、生産体制の強化と合理化などよって、AVCネットワーク事業全体の営業利益率を4.2%にまで引き上げる強気の姿勢を見せている。

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インデックス

目次
(1) デジタル家電を巡り、勝ち組、負け組に
(2) エレクトロニクス事業の回復が課題のソニー
(3) 相次ぐ下方修正も計画未達となった富士通、NEC
(4) 日立は売上高ナンバーワンを維持
(5) 2005年度見通しはやや慎重な姿勢に
(6) 原油高、材料高に、中国市場の影響も

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