【レポート】

インテリジェンス・ダイナミクス2005 - QRIO知能発達の成果デモも

1 インテリジェンス・ダイナミクス(動的知能学)とは

    山田久美  [2005/04/13]

    ソニー本社で8日、「インテリジェンス・ダイナミクス2005」と題されたシンポジウムが開催された。これはソニー・インテリジェンス・ダイナミクス研究所の主催によるもので、昨年に続き今回で2回目となる。

    ソニー・インテリジェンス・ダイナミクス研究所は、「インテリジェンス」研究の世界的な拠点を目指して昨年7月に設立、自律型エンタテインメントロボット「AIBO」の生みの親として知られる土井利忠氏が代表取締役所長を務める。同所ではAIBOや二足歩行ロボット「QRIO」の開発経験を生かし、最先端の脳科学の成果を取り入れ、世界中のトップクラスの研究者と協同して難問に取り組んでいるという。

    インテリジェンス・ダイナミクス(動的知能学)とは、土井氏が提唱している名称である。例えば、AIBOは色々な感情パラメータを持ち、その行動は感情パラメータの値と外部からの刺激によって常に変化している。そのため、人はAIBOの行動が予測しにくく、あたかも生きているように感じるが、実際のところ、表出する行動パターンは予め設計者が作りこんだものであり、AIBO自身がインテリジェンスを持っているわけではない。一方、作りこみを極力排し、ロボット自体が外界との相互作用の中から機能を獲得すべきだという発想があり、脳科学の分野でも、脳の計算理論の検証のため、ロボットが用いられるようになってきている。

    土井氏はこれらすべての学問をひっくるめて、身体性を通してインテリジェンスを創発させる新しい人工知能の方法論と、ロボットを使った実世界とのインタラクションを通じて計算モデルを検証する構成論的脳科学を統合すべく、インテリジェンス・ダイナミクスという名称で呼んでいるという。

    インテリジェンス・ダイナミクスとは

    ソニー・インテリジェンス・ダイナミクス研究所の方針

    今回のシンポジウムは、講演と同研究所の成果デモンストレーションの2部構成となっていた。

    講演は、理化学研究所 脳科学総合研究センターの特別顧問である伊藤正男氏が「脳の中には何があるのか」、京都大学 霊長類研究所 行動神経研究部門 認知学習分野の正高信男教授が「言語の起源と身体性」、沖縄大学院大学 先行的研究事業 神経計算ユニットの代表研究者で、ATR脳情報研究所 計算神経生物学研究室の銅谷賢治室長が「学習するロボットと脳の報酬系のデザイン」、東京大学大学院 情報学環の國吉康夫教授が「身体性に基づくロボット認知の創発と発達」というテーマで、それぞれ脳科学や認知科学とロボットとの関係などに関する研究内容を発表した。

    また、ソニー・インテリジェンス・ダイナミクス研究所の下村秀樹シニアリサーチャーと佐部浩太郎リサーチャーも、それぞれ同研究所での活動内容について講演を行い、別会場では、それらに関連する成果デモンストレーションが行われた。本レポートは、同研究所の研究内容と成果デモンストレーションを中心にお届けしたい。

    新着記事

    特設サイトの情報

      人気記事

      一覧

        イチオシ記事

        新着記事

        特別企画

        マイナビニュースマガジン