【レポート】
ファイル置き場としてハードディスクをクライアントPCにそれぞれ追加したのでは、各クライアントPCにおける空き容量の合計は必要以上に大きなものとなってしまい、費用対効果が低くなる。
そこで、ファイルサーバにのみデータを保管してハードディスク容量を監視することにより、必要な時に必要なだけの容量を確保しやすくなり、ハードウェアへの投資が合理化できる。
Xserve RAIDとSAN(ストレージエリアネットワーク)を組み合わせることで、環境の再構築をすることなく、ハードディスク容量を拡大できる。また、ファイルサーバを追加することで、システム全体の負荷増加にも対応できる。
クライアントPC上にデータを保管していると、データの所在が把握しにくかったり、バージョン管理が行いにくい。
これを、ファイルサーバ上のファイルを直接操作するワークフローに変更することで、今見えているものが最新であることが保証される。また、データの所在が容易に把握できるため、バージョン管理も簡単に行えるようになる。
Xserveでは、Mac OS 9でも利用できるファイル共有機能がより高速な仕組みに生まれ変わり、データ転送量の大きなGigabit Ethernetを組み合わせることで、大容量データでもローカルハードディスクにデータを置いた状態に迫るレスポンスを実現できるという。クライアントPCがWindowsやUnix系OSでも、SMBやNFSを利用した質の高いファイル共有サービスが提供が可能だ。
ファイバチャンネル使用時に最高400MB毎秒の読み込みが可能なXserve RAIDと、Gigabit Ethernetと組み合わせて使うことで、相当数のクライアントPCが同時にアクセスしてきても、データのやりとりが滞ることがなくなる。また、ハードウェアの故障に強いRAIDを標準でサポートしている上、Xserve RAIDを追加することで機器のバックアップも行うことができる。
会社の資産である様々な形のオンラインデータを守るために、何をして良いのかわかりにくい。
この問題に対しては、ファイルサーバに接続する際に、OpenDirectoryと呼ばれる機構を使ったユーザ認証を行うことで、誰がいつどのデータにアクセスしたかを把握することができ、情報漏洩の抑止力に繋がる。
Xserveであれば、Mac OS Xクライアント上の環境設定機能、ハードウェアやアプリケーションの利用制限を行い、データの外部流出を防ぐことが可能だ。例えばネットワーク設定の書き換えを禁止したり、外部ストレージをマウントする際に強制的に書き込み不可にしたり、メールやFTPなどのアプリケーションを起動不可能にしてネットワーク越しのデータ流出を阻止する、などの詳細な管理ができるようになる。
施錠されたサーバルームを用意して、物理的に侵入できないようにすれば、CD-ROMブートなどの方法で認証を行わずに管理者権限の奪取ができなくなる。
クライアントPCが何台もあり、アプリケーションのインストールやその他環境の統一が難しい。
Xserveでは、ユーザのホームディレクトリを管理できる。つまり、Mac OS Xクライアントであれば、ネットワークハードディスク上からホームディレクトリのデータを読み出し、そこに書き込むことができるため、ユーザ環境をクライアントPC環境に依存しなくて良くなる。また、これによりハードウェアのバージョンアップなど、環境移行にかかる手順を削減できる。
Xserveでは、Mac OS Xクライアントに対して、起動ディスク自体をネットワーク越しに提供することができる(この仕組みはNetBootと呼ばれる)。これにより、ユーザ環境の統一をより強力に進めることができる。
各作業者に頼るバックアップを止めて、データ保管をより確実に行いたい。限られたハードウェア資源を有効に使って、ワークフローの流れを良くしたい。この要求に対しては、データの所在がはっきりしておりバージョン管理が容易なため、入稿後データのMO/DVD/TAPEへの書き出しを一貫したポリシーの上で行えるようになる。
また、ホームディレクトリをXserve上に置くことにより、環境を変えずに作業内容に応じて別のMac OS Xクライアントを利用することも可能だ。作業内容に応じて利用するハードウェアを変更することも簡単になる。
このように、サーバを使ってデータの流れを明確にすることで、データ・クライアント管理を高い次元で行えるようになるということだ。ただし、それにはシステム管理に関する知識を持ったユーザが必要になる、という点を無視してはならないだろう。どんなシステムでも当てはまるのだが、同じ品質をより短い納期で実現し、同業者に対するアドバンテージを築くためには、効率の良いシステムの運用管理・監督ができる人材の獲得と育成もまた重要な要素になることを、改めて確認する必要がある。
続いて、Mac OS XサーバによってMac OS Xクライアントにフォントをネットワーク越しに提供するデモが行われた。これは何も新しい機能ではなく、Mac OS X Serverに以前から搭載されていた、特定のディレクトリをアプリケーションやライブラリなど、用途を指定してネットワーク共有する機能を利用しているので、特殊な設定無しに行える。詳細は「Fonts in Mac OS X」をご覧いただきたい。
また、フォントベンダー各社から、フォント共有用ライセンスの解説があった。これまで技術的には可能でも、ライセンス上不可能だったのだが、これでフォント共有を行う基盤が整うことになった。
OS Xがリリースされて間もない頃は、新しいフォントフォーマットであるOpenTypeが枯れておらず、主要アプリケーションのOS X対応の遅れなどもあり、移行するには時期尚早といわれていた。現在はというと、ソフトウェア・フォント環境がある程度整い、大手出力ビューローなどもおおむねそれらに対応しており、またOS 9で起動可能なハードウェアも無くなってしばらく経つという状況から、今年は「デザイン・DTP業界のMac OS Xへの移行元年」となるのではと感じている。
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