【レポート】

韓国が初優勝、技術競争に拍車のかかる第7回ROBO-ONE

1 いつもの実力者たちが次々登場

    山田久美  [2005/03/27]

    3月13日~20日、東京・お台場の日本科学未来館で、第7回ROBO-ONE大会が開催された。ROBO-ONEとは半年に1回行われている二足歩行ロボットによる格闘競技大会。13日はROBO-ONE J-Class(ジュニア)の予選および決勝、14日~18日はロボット展示およびデモンストレーション、19日はROBO-ONE予選、そして最終日である20日はROBO-ONE決勝というスケジュールであった。本レポートでは20日に行われた決勝の様子をお届けする。

    まず、勝敗のルールから説明しておこう。19日に行われた予選では、完全自律二足歩行ロボットによる2分間のデモンストレーションが行われ、その中で、参加ロボットは規定演技である本の昇降や自らをアピールする演技などを披露。歩く様子やデザイン性などを審査員が評価し、今回はエントリーされた169台の中から最終的に獲得ポイントの高い順に上位32台が20日の決勝戦に進出した。

    ロボットの参加資格は以下の通り。

    • ロボットの足のサイズは脚の長さの前方方向に60%以下、左右方向に40%以下であること
    • 二足歩行ロボットで、10秒以内に5歩以上歩けること。歩行においては、片足は必ず地面から離れていること
    • 屈伸ができること
    • 横歩きができること。片足はかならず地面から離れていること
    • 起き上がることができること。起き上がり方法は問わない

    決勝戦はトーナメント制で、ロボット同士による格闘勝負となっている。試合時間は3分1ラウンドで、3ダウンでノックアウトとなり勝敗が決まる。また、決勝戦当日はトーナメントの9~16位、1~8位の各々8台によるロボット同士のデスマッチ「ランブル」も行われた。会場は場所柄か、小学生低学年の男児の姿が前回以上に多く見られた。

    特別ゲスト審査員を務めた人気アニメのメカニカルデザイナー、大河原邦男氏

    毎回、著名な特別ゲスト審査員が登場するのもROBO-ONEの名物のひとつとなっているが、今回の特別ゲストは『科学忍者隊ガッチャマン』や『機動戦士ガンダム』などの人気アニメのメカニカルデザイナーの大河原邦男氏であった。同氏はデザイナーとして30年以上のキャリアを持つが、開会にあたり「まさか二足歩行ロボットが本当にできるとは思っていなかった。デザインするより実際に作る方が好きなので、自分も作ってみたい」などとコメントした。

    第1回戦は32台による16試合が行われたが、決勝戦ともなると、やはりROBO-ONE常連者の姿が目立った。韓国のチームも3組進出。特にそのうちの1組であるOh Sung Nam氏の「MYRO2」は、参加ロボットの多くが身長25cm前後、重量2.5kg程度であるのに対し、身長70cm、重量8kgと3倍近くもあり他を圧倒していた。

    そのMYRO2と第1回戦で運悪くあたってしまったのが、今回初出場で身長29cm、体重0.92kgのまつい氏の「伝助7号」。MYRO2が手を一振りするだけで本体ごと飛ばされるという状態で、なす術もなく1回戦で敗退。会場の小学生からは同情の声も上がっていた。

    動画
    「MYRO2」の腕の一振りで飛ばされてしまう「伝助7号」(WMV形式 943KB 29秒)

    常連出場者で、第5回・第6回ROBO-ONE大会優勝の九州大学ヒューマノイドプロジェクトは、今回、2台が決勝戦に進出。1台は前回の「2325-RV」をバージョンアップさせた「2325-RV改」。もう1台はNHKの大河ドラマ「義経」の牛若丸をモデルにして製作したという「とことこ丸」。衣装を身にまとい、扇子で扇いだり踊ったりするなどエンタテインメント性を重視したとのこと。頭部が大きめだがジャイロセンサを積んで倒れにくくしてある。

    動画
    「とことこ丸」は、1回戦で常連の「DYNAMIZER2」と対戦。延長戦で勝利(WMV形式 2.0MB 1分5秒)

    「工夫した点は袖のところにおもりを付けて、扇子がスムーズに出てくるようにしたこと。ロボット本体よりも衣装を作る時間の方が長くかかってしまった」(九州大学ヒューマノイドプロジェクト)。

    袖におもりを付け扇子がスムーズに出てくるように工夫

    とことこ丸は1回戦で、同じく常連で第1回ROBO-ONE SPECIAL準優勝の杉浦富夫氏の「DYNAMIZER2」と対戦。互角の戦いの末、延長戦に持ち込まれたが、DYNAMIZER2が急に動かなくなってしまうといったトラブルに見舞われ、とことこ丸が2回戦進出を果たした。

    一方、手の部分を伸びるように改良し、「武器を強化してより悪役に徹することにした」(九州大学ヒューマノイドプロジェクト)という2325-RV改は1回戦でSISO氏の「G-Tune」を倒し2回戦に進出したが、第5回・第6回ROBO-ONEでベスト8の実績を持つ韓国の実力者、Jeon Young-Su氏の「TAEKWON-V」と戦い惜しくも敗れてしまった。

    動画
    「2325-RV改」は2回戦でJeon Young-Su氏の「TAEKWON-V」と対戦し敗退(WMV形式 871KB 26秒)

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