【レポート】

Flash Videoの最新ノウハウ紹介 - "WDLive! Conference / Flash Video"開催

    安武和宏  [2005/03/23]

    マクロメディアのFlashを利用して動画を配信する「Flash Video」技術をテーマにした「WDLive! Conference / Flash Video」が渋谷O-EASTで開催された。

    マクロメディアの「Flash Video」をテーマにした「WDLive! Conference / Flash Video」が、渋谷・道玄坂O-EAST「duo -Music Exchange-」にて開催された

    カンファレンスは、毎日コミュニケーションズ「Web Designing」の主催で、電通の阿部晶人氏、Jストリームの橘守氏、BASEMENT FACTORY PRODUCTIONSの北村健氏、マクロメディアの太田禎一氏を迎え、次世代Flash環境"8Ball"についての話題や、FCS(Macromedia Flash Communication Server)を利用したFlashストリーミング配信、Flash Video、WEBデザイン、インフラなどの状況が語られた。

    メモリスティックDuoに映像をコピーできる"新型PSX"もさっそく展示されていた

    後援はマクロメディアで、協賛企業として優クリエイト、インターネット・アカデミー、アイルのプレゼンテーションも行われ、公演後の座談会ではWeb Designing・馬場静樹編集長の司会で、参加者の質疑応答などの時間もとられた。

    開会挨拶の壇上に立ったWeb Designing・馬場静樹編集長

    Jストリームの橘守氏は、"Flash6以上が98.17%"というFlashの高い普及率を示す調査結果を紹介

    次世代Flash環境"8Ball"

    特別講演のマクロメディアFlashプロダクトマネージャー・太田禎一氏は、「次世代Flash環境"8Ball"で広がる、Flash Videoの表現力」との講演で、次世代FlashでFlash Video向けに追加される予定の新codecを紹介した。従来codecと比較して、動きの速いシーンなどでブロックノイズが減少し、人間のしわの表現や毛髪などの細かいディテールがより残るとし、実際に会場では、従来codecと新codecでの映像を同時に再生して実演して見せた。

    マクロメディア Flashプロダクトマネージャー・太田禎一氏

    従来codec(上)と新codec(下)の比較

    また、透明域などのアルファ情報を動画に添付して、画像と動画をリアルタイムに合成する技術が搭載される予定と紹介した。ビットマップ処理をアクションスクリプトとして実現するようで、半透明合成や、動画にリアルタイムに影をつける、といった処理も可能になるという。新機能で、例えば、人物が横切るような動画の背景をユーザーの指示で変化させて、リアルタイムに合成表示するといった演出も可能になるという。

    画像と動画をリアルタイム合成する技術が搭載予定。画面を横切る女性の動画と背景画像がリアルタイム合成されている

    リアルタイムにビットマップ処理が可能になるという

    そのほか、Flash Playerのパフォーマンスの向上にも取り組む模様で、会場では、上部からキューブが連続で落下してくるムービーを例に、従来なら増加するキューブの数に比例して処理が遅くなるところを、次世代製品では、速度低下が抑えられている様子が実演された。同氏によれば、この紹介映像は日本初公開という。

    パフォーマンス向上の様子の映像紹介は"日本初公開"という

    Flash技術を活用したノウハウ・テクニックを紹介

    BASEMENT FACTORY PRODUCTIONS 代表取締役兼エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター・北村健氏

    BASEMENT FACTORY PRODUCTIONS代表取締役兼エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター・北村健氏は、まず「クリエイターとアーティストは違う」と、一般の人に理解できる工夫を重要視するクリエイターの姿勢を強調した。

    同氏が手がけた、ソニーの「PSX」のWEBサイトのデザインでは、ソニーのGUI「XMB」を体験できるサイトを実現したが、「当初は簡単だと思った」が、「実際に細部までXMBの動作を再現するのはたいへんだった」と、クリエイターとしてのこだわりを紹介した。実際の制作手順としては、解説ナレーションに合わせて、まず映像を撮影し、映像に合わせて、販売店の店員の視点でデザインしたと、姿勢を語った。

    また、人物をナビゲート的に使うPIP(Person in Presentation)を用いた日立製作所の新コーポレート・ブランディングサイト「HITACHI NOW 2004」をデザインした際は、Flash Communication Serverによるストリーミング配信を活用し、Flash、Flash Video、MP3を同期させ、連動動作させる手法を紹介した。Flash Videoによる女性ナビゲーター映像の制作では、人物の周囲をブルーバックとして撮影する上で、「きれいに(周囲が)抜ける映像を撮影するには、スタジオ、高価な機材が必要」とし、HDでは費用的に敷居が高いが、DVにHDを記録するHDV方式を試したところ、「クオリティ的にも使いやすい」とHDVに注目している現場ノウハウを語った。


    PIPとFlash Videoを利用した日立製作所の新コーポレート・ブランディングサイト「HITACHI NOW 2004」

    PIPによるWEBナビゲータを実現するために、グリーンバックの人物映像の撮影が必要になる

    また、オリックス・クレジットのWEBサイトをデザインしたときには、ローン・カードの申し込みフォームをFlash技術でデザインした。「HTMLのフォームは慣れている人は簡単かもしれないが」と前置きした上で、カードの申し込み者の入力完了率を向上させるデザインを実現するにあたり、女性をナビゲート役のPIPとして左側に配置、入力内容の説明をPIPにさせて、ユーザーの入力間違いをFlash技術で細かくサポートし、より判りやすいフォームを実現したとした。Flash技術を利用したことで、ユーザーの入力ログを細かく分析して、「どこでユーザーが迷ったのか」が判り、インタフェースの改良にも活かせたとして、結果的に、申し込みフォームの入力完了率の向上と、入力方法の問い合わせなど人的サポートの減少、それぞれを実現できたとした。

    入力フォームにFlash技術を採用したオリックス・クレジットのデザイン

    そのほか、Flash Videoを配信する上で、ローディング時間でユーザーを待たせない為には、再生がとぎれない程度に、ユーザーの回線速度に応じてローディング時間を変えるといったテクニックを紹介した。会場では、「お宝スクリプトです」と、まだ一般化していないという、Flash Video、Flash、MP3を同期させて連動させるスクリプトなども実際に紹介された。

    Flashストリーミングを実現するホスティングサービスを提供するJストリーム エグゼクティブ・プロデューサーメディアコンテンツプランニング部兼リッチメディア推進室長・橘守氏は、Flashのクリエイターに対して、「インフラを理解して制作してほしい」と要望を述べ、ユーザーを待たせない演出として、マツダが同社技術のロータリーエンジンの回転する様子で、ローディングの待ち時間を表現しているといった工夫などを紹介した。

    「WEBはレストラン」と表現する電通・インタラクティブ・コミュニケーション局インタラクティブ・クリエーティブ部Webプランナー・阿部晶人氏

    電通 インタラクティブ・コミュニケーション局インタラクティブ・クリエーティブ部Webプランナー・阿部晶人氏は、広告費に関して、インターネット媒体がラジオ媒体を抜いたという状況を踏まえ、「メディアニュートラル」という、複数のメディアをフラットにとらえる考え方を語った。従来のテレビ放送など、ユーザーが受動的に視聴するメディアと比較して、能動的に訪れるインターネットのユーザーの姿勢を通して、「WEBはレストラン」と表現、WEBサイトには、ユーザーに快適な時間と空間を提供する"もてなし"が重要とした。


    カンファレンス終了後の座談会では、参加者からの質疑応答の時間もとられた

    WDLive! Volume 001

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