【レポート】

Java Computing 2005 Spring - Project Looking Glass最新レポート、音も3Dに!!

    鶴田展之  [2005/03/14]

    3月10日、11日の2日間、「Java Computing 2005 Spring」が東京・六本木ヒルズで開催された。今年はJava誕生からちょうど10周年となる節目の年にあたるが、会場ではJavaテクノロジの10年間の進歩、そして今後の更なる進化に向けて、多数のカンファレンスが行われた。本稿ではその中から、「Project Looking Glass」のセッションの模様をレポートしたい。

    10日に行われた「Project Looking Glass最新リポート」と題したセッションでは、まずサン・マイクロシステムズ クライアント・ソリューション統括本部の藤槻泰宏氏より、Project Looking Glassのこれまでの歩みと、今後のロードマップが紹介された。

    既によく知られているように、Project Looking Glassはサン・マイクロシステムズの川原英哉氏が個人的に開発した、3D GUIのプロトタイプからスタートしたものだ。2004年6月リリースのバージョン0.5でオープンソース化され、現在、安定性の向上を中心に様々な改良が行われたバージョン0.6.1が公開されている。次期リリースとなるバージョン0.6.2は、今年4月頃に公開が予定されており、「LG3D API」の改良と「固定」が主な変更点になりそうだ。「LD3D」はProject Looking Glassの公式な略称であり、LG3D APIは開発者がProject Looking Glass向けアプリケーションを開発する際に利用するAPIだ。このAPIの仕様が固まってくれば、LG3Dアプリケーション開発者の増加も大いに期待できるだろう。

    続けて、サン・マイクロシステムズ 東京ソフトウェア本部の神谷結花氏より、Project Looking Glassの開発コミュニティの活動状況が紹介された。サンはjava.net上でJava関連の様々なコミュニティの活動をサポートしているが、Project Looking Glassはその中の「Java Desktop」コミュニティに属するプロジェクトだ。Java Desktopコミュニティは、java.net内以外にjavadesktop.orgドメイン下でも活動しており、多数の参加者によって、Swingやawt、国際化など、J2SEのGUI技術に関する議論が広く行われている。

    Project Looking Glass内の具体的な活動は以下のサブプロジェクト単位で行われている。

    • lg3d-core Project Looking Glassの中心的な開発
    • lg3d-art 背景やアイコンの制作
    • lg3d-demo-apps デモ用のアプリケーション開発
    • lg3d-x11 X11インテグレーション
    • lg3d-escher LG3D用Java X11ライブラリ
    • lg3d-incubator サンプルアプリケーションの開発
    • lg3d-livecd インストール不要で起動するLG3D Live CDの作成

    メールの流量をはじめとする様々な統計から見ても、Project Looking Glassはjavadesktop.org内でも特に活発なコミュニティだという。Web上のディスカッションフォーラムとしても、全般的な議論を英語で行う「interest」、同様に日本語の「interest ja」、翻訳チーム用の「Translation ja」の3つが開設されている。

    サブプロジェクトのうち、今後最もユーザの関心が高まっていくことが予想されるのは、LG3Dアプリケーションを開発する「lg3d-incubator」だろう。lg3d-incubatorプロジェクトでは、既に10点ほどのLG3Dアプリケーションが公開されている。セッションの最後は、実際にlg3d-incubatorプロジェクトでアプリケーションを公開している、横河電機の櫻庭祐一氏が壇上に登場。同氏の開発したイメージビューア「Zoetrope」、3Dオーディオアプリケーション「GigAGig」のデモンストレーションを行った。

    横河電機の櫻庭祐一氏

    Zoetropeは機能的にはシンプルなイメージビューアだが、画像を表示するメインウィンドウの左側に、サムネイルを立体的な円環状に表示することで個性的なインタフェースを演出している。櫻庭氏自身が11日のBOFで実際に行ったように、プレゼンテーションツールとしても非常に魅力的だ。サムネイルをクリックして表示画像を切り替えられる他、マウスホイールによってサムネイルを「回す」こともできる。

    Zoetropeはサムネイルを立体的な円環状に表示することで個性的なインタフェースを演出している

    「GigAGig」は、「音も3Dに」というコンセプトのもと、3DオーディオAPI「Open AL」のJava実装「JOAL」を利用して開発されたアプリケーションだ。画面上には各楽器のメタファとして、ピアノやバイオリンのアイコンが表示される。これらのアイコンを横方向に動かすことで、その音源の定位をコントロールしたり、上下に動かして音量を変えたりできる。さらに、奥行き方向に移動することで、音源までの距離を操作することも可能だ。このアプリケーションは、3Dが見た目の派手さだけではなく、使い勝手の向上に大きな可能性があることを示す好例といえるだろう。

    「音も3Dに」というコンセプトの「GigAGig」

    他にも、11日に開催されたProject Looking GlassのBOFでは、産みの親である川原英哉氏もアメリカからビデオチャットで参加する中、メールリーダやファイルマネージャなど、いくつかのLG3Dアプリケーションのデモが行われた。3Dデスクトップ自体、実用に達するにはまだ多くの壁があるが、各アプリケーションはそれぞれに独創的なアイデアを提示しており、Project Looking Glassの今後に大きな期待が感じられるものだった。

    生みの親川原英哉氏もビデオチャットで参加

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