【レポート】

GDC 2005 - 見えてきた次世代「Xbox」、HD時代のゲームプラットフォーム

1 次世代Xboxのキーワードは「HD Era」と「プラットフォーム」

    Yoichi Yamashita  [2005/03/11]

    チーフXNAアーキテクトのJ Allard氏

    米カリフォルニア州サンフランシスコで開催中のゲーム開発者会議「Game Developers Conference 2005」で、MicrosoftのチーフXNAアーキテクトであるJ Allard氏が基調講演を行い、同社の次世代「Xbox」戦略を説明した。ゲーム機よりもプラットフォームとしての完成度を重視し、ソフトウエア/ハードウエア/サービスの絶妙なバランスが次世代Xboxの武器になるという。

    Allard氏は1時間の講演の中でいくつかのキーワードを示したが、その中でも特に次世代Xboxを説明する上でカギとなりそうなのが「HD(High-Definition) Era」と「プラットフォーム」である。

    HD Eraは、ハイディフィニションという意味も含むが、ここでは象徴的な意味で使われている。例えば、米国ではNFLのスーパーボウルがHDで中継されるようになり、迫力ある映像とオーディオでスーパーボウルを楽しもうという人々によって、直前にHDTVの売上げが急伸した。また、当日もHDTVを入れたスポーツバーが大人気となった。試合や選手のプレーの質は以前と変わらないのに、HDへの移行によって視聴者がよりスーパーボウルというイベントを楽しめるようになっている。Microsoftの言う"HD Era"という言葉は、特にこの消費者が受け取る楽しみが増幅される変化を指している。

    今後のゲームを変える要素としてAllard氏は、「ハイディフィニション」「接続性」「パーソナライズ」の3点を挙げる。ハイディフィニションについては、前述のスーパーボウルと同様のオーディオと映像効果を指す。残る2つについては、同氏が「3D Era」と呼ぶ現世代のゲームシステムとの比較で浮かび上がってくる。

    3D Eraでは、マルチプレイヤーという楽しみ方がもたらされたが、オンラインは目新しい機能に過ぎない。次世代XboxのHD Eraは、オンラインを不可欠とする。ディスクで提供されていたゲームに、さらにオンデマンド・サービスが加わることで、パーソナライズできるようになり、マス・エンターテインメントだったゲームは、パーソナル・エンターテインメントとなる。消費するための存在に過ぎなかったコミュニティは、個々の結び付きが強まり、現実の世界同様に新たな世界や楽しみを創り出せる存在となる。マルチプレイヤーの世界は、ゲーム機/パソコン/モバイル端末など、多様な機器からアクセスできるマルチプラットフォームへと広がる。

    Xbox初代機の3D Eraと次世代機のHD Eraの比較

    では、いかにしてゲームをHD Eraの中心に据えるのか?

    それを説明するのが"プラットフォーム"である。「HD Eraでは、プラットフォームはプロセッサよりも重要な存在になる」(Allard氏)。

    これまでゲームの世界では、ゲーム機が絶対的な存在だったが、次世代Xboxの真価はソフトウエア/ハードウエア/サービスの総合力にあると言う。「ソフトウエアはゲームクリエイターの気持ちでつくられるべきであり、ハードウエアはソフトウエアを意識して設計されるべきである」(同)。さらにゲームクリエイターが、ゲーマーの期待に応えられるようなコンテンツを次々に生み出せるような環境が出来れば、ゲームの進化を加速させるエコシステムが整う。

    「ソフトウエア企業としての30年間、WindowsゲームとDirectXの10年間、Xboxの3年間とXbox Liveの投入。HD Eraの実現にはこれらの経験からの教訓が生かされる」(同)。次世代Xboxプラットフォームは、洗練されたソフトウエア/ハードウエア/サービスのソリューションを消費者と開発者に提供すると言う。

    プラットフォームがHD Eraのコンテンツを開放する

    来年のGDCの基調講演までにはXNA Studioのβ版を提供できるそうだ

    ソフトウエアについては、同社は昨年のGDCでXNAという次世代開発プラットフォームを発表した。これはすべてのMicrosoftのゲームプラットフォームで開発ツールやインタフェースを統合するフレームワークである。今年は、今月7日にゲーム専門のチームベースの開発環境「XNA Studio」を発表している。

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