【レポート】

IDF Spring 2005 - デュアル/マルチコアの情報を一気に公開

 

従来Intelは、未発表製品に関する情報をそれほど出すことはなかった。ところが今回は一転、未発表のデュアル/マルチコアに関する情報を徹底的に公開してくれた。そこでまずはこれを整理してご紹介したい。

マルチコア概略

現在Intelは、10を超えるマルチコア製品のプロジェクトを進めている、という話は以前からちょっとあったが、これをまとめたのが(Photo02)である。具体的なロードマップは後でご紹介するとして、確かにほぼ全プラットフォームでデュアルコアやマルチコア製品の開発が進行しているのが分かる。当然ながらデュアル/マルチコアに対応したプラットフォームも必要で、Itaniumに関しては当面現在のE8870を利用するが、Xeon向けにはTruland/Bensley、デスクトップ向けにはAnchor Creek/Lyndon、モバイルにはNapaの各プラットフォームが用意されることも示されている(Photo03)。

ところでそのマルチコアだが、FSBとのインタフェースをどう作るか、で3種類の方法があるとしている(Photo04)。つまり、

  • 物理的には1つのコアだが、内部は複数のバスインタフェースを持ち、従ってバス共有の形で接続される。
  • 物理的には1つのコアで、内部的にも1つのバスインタフェースに統合されている。
  • 物理的に2つのコアで、従ってインタフェースも2つのまま。

の3種類が共存する形になるとしている。実際、初日2回目の基調講演でPat Gelsingerが示した(Photo05)ダイ写真(Photo06)を見ると、確かに3種類の製品があることが分かる。

(Photo01)マルチコア製品の説明を行った、Vice President, Digital Enterprise GruopのStephen L Smith氏

(Photo02)Itanium MP/Itanium DP/Xeon MP/Xeon DP/Desktop/Mobileという6つの製品ラインでそれぞれデュアル/マルチコア製品が2~3ずつ開発されており、合計では15に及ぶ

(Photo03)Napaのみ既に発表済だが、他のプラットフォームのコード名は初公開

(Photo04)3つ目は、Intelが既に放棄したと思われたMCM(Multi Chip Module)構造。古くはPentium Proで利用されていたものの、歩留まりの悪さや生産の難しさなどからその後に続く製品がなかったのだが、ここに来て突如復活である

(Photo05)Digital Enterprise担当ということで、久々に実務に復帰したPat Gelsinger氏。しかし基調講演を聞いている限りはノリがCTOの時と変わらず、まるでCTO兼Digital Enterprise担当副社長という感じである

(Photo06)上の2つがSmithfieldとYonah、中央がMontecito、下がPreslerとDempsey。Montecitoの大きさからするとたいしたことなさそうに見えるが、Smithfieldのダイの巨大なことよ

デスクトップ:Pentium DとPentium XE

さて、今回はこれらの製品のうち、デスクトップ向けであるSmithfieldの詳細が語られることになった。まずちょっとした驚きは、結局製品ブランドを変えたこと。ハイエンドはIntel Pentium Processor Extreme Edition、メインストリームはIntel Pentium D Processorという名称になった(Photo07)。どちらも今年第2四半期(第2四半期の何時か? という話は当然あるわけだが、別の質問を投げかけた時の答えの中で"Very soon"という返答が返ってきた)に登場することになる。さて、では両者の違いはなにか? だが、まずはPentium XE 840のスペックを(Photo08)に示す。2つのExecutionコアはPrescottと同じNetBurst Architectureを利用したもので、キャッシュサイズが1MBずつになっている以外は概ね同じ、とされている。各々のコアはHyper-ThreadingをEnableにしているので、CPU全体としては4スレッドを同時実行できることになる。では、Pentium D Processorの方はどうか? これは資料としては示されなかったが、

  • (おそらく最大)3.2GHz動作のデュアルコア
  • コアごとに1MBのL2キャッシュ
  • 800MHzのFSB
  • 90nmプロセス、LGA775パッケージ

ということで、物理的にはPentium XE 840と全く同等である。というか、同じものだとはっきり明言していた。ではなにが異なるかといえばHyper-ThreadingがDisableにされていること。つまりCPU全体として2スレッドしか同時実行できないのが、唯一の違いとされている。なお、TDPに関しては「既存のLGA775のプラットフォームで実行できる枠に収まる」ということで、おそらくは115W以内と見られる。

(Photo07)当然ロゴも新しくなった。Pentium Dの方はPentium Mの延長にあるものだが、Pentium XEの方はなかなかインパクトがある

(Photo08)FSBが800MHzに落とされていることに注目

これを支えるIntel 955Xについても詳細が明確にされた(Photo09)。殆どの内容はコチラで説明したことと同じだが、Bridgeを使うことでPCI Express x16のデュアル構成をとることが可能なのが、ちょっと異なる部分だ。今回のIDFではCrush 19を使ったサンプルが大挙登場していたが(でも詳細を聞いても返事は"Stay tune"ばかりなのだが)、これと並んでSLIを利用できる可能性が非常に高いわけで、IntelプラットフォームでSLIの利用を心待ちにしていた人には嬉しい話である。なお、Pentium D向けのIntel 945についての詳細は今回なかったが、最大メモリ容量が4GBになり、ECCがサポートされず、おそらく1066MHz FSBもサポートされない以外は955Xとほぼ同等と思われる。

ところで性能に関して、従来のIntel Pentium 4 XE 3.73GHzと今回のPentium XE 840を比較した場合の結果が簡単に示された(Photo10)。やはりというか、当然というか、複数の処理を同時に行う場合には大幅に性能が伸びることが示されているわけであるが、シングルアプリケーションに関する性能への言及はなし。このあたりについては、いずれベンチマークを行って検証することになるのであろう。

(Photo09)6レーンのPCI Express x1とかRAIDに関しては"Features only available in value-add ICH7 SKUs"となっているあたり、やはりロードマップ特集で書いたとおり複数のICH7があるのは間違いなさそうだ

(Photo10)Need for Speed 2をやりながらSnapStream PVRで2チャンネルのTV視聴を行うと124%高速って、んなことする人間いるのか? と突っ込みをいれたいところではあるが……

今後のロードマップ

また、Digital Enterpriseの基調講演の中では、今後の製品ロードマップの詳細も示された。ちょっとYamashita氏の記事と被るが、一応整理してご紹介しておく。

Enterprise Desktop:2005年度は、現在のPentium 4(おそらく6xxシリーズ)に945Gを組み合わせたもの。この時点ではまだシングルコアがメイン(Photo11)。2006年はデュアルコアCPUが加わり、Broadwaterという新チップセットが利用される。またLaGrande Technologyも利用可能になる(Photo12)。

(Photo11)Intel 945Gをベースとしたプラットフォーム名がLyndon

(Photo12)この構成のプラットフォーム名がAverill

Xeon DP:2005年度は、先日発表されたXeon Processor 2Mを使ったプラットフォームのまま推移する(Photo13)。一方2006年に入ると、CPUは65nmプロセスを使ったDempseyコアに切り替わり、チップセットはBlackford/Greencreekの2種類が提供されることになる(Photo14)。

(Photo13)プラットフォーム名はIrwindale

(Photo14)チップセットの違いに応じて、プラットフォーム名も律儀に2種類用意される。Virtualization TechnologyやI/OATもここで搭載される模様

Xeon MP:2006年までのタイムフレームでは、現在のXeon MPに続きPaxvill/TulsaというCPUが登場するが、チップセットなどには大きな変更はない(Photo15)。これが代わるのは2007年で、Reidlandという新プラットフォームになる模様だ。

(Photo15)この製品は基幹サーバなどをターゲットにしているためか、ドラスティックに構造を変えるとValidationに時間が掛かりすぎるということであろう

(Photo16)このあたりはまだまだこれから変わりそうな気がする

Itanium DP:2006年まで、チップセットは引き続きIntel E8870のままだが、CPUコアはMillington/DP Montvalが投入される(Photo17)。2007年度にはDimonaという新プロセッサが投入されるが、その他はこれからの模様だ(Photo18)。

(Photo17)とりあえず新機能てんこ盛りなのがこのItanium DP

(Photo18)これに関して、「少なくとも2007年まで新製品を投入します」(=Itaniumを止めません)という公約めいて聞こえるのは筆者だけか?

Itanium MP:2006年までに、Montecito/MontvaleのCPUを投入する。プラットフォームなどが同じなのはItanium DPと一緒だ(Photo19)。ただ、ItaniumはDPなどのローエンドよりもむしろMPを使ったハイエンドがメインなこともあってか、こちらは2007年以降にTulwila/Poulsonという新CPUを投入し続けることが明らかになるなど、多少力のいれぐあいが違っているようだ(Photo20)

(Photo19)"Dual Core"の文字は見えないが、Montecitoがデュアルコアだから敢えて書くまでもないということだろうか?

(Photo20)順序からいえば、Poulsonが2008年の投入ということになるが、詳細は当然不明。

人気記事

一覧

イチオシ記事

新着記事