【レビュー】

「iPhoto 5.0」 - 画像管理の決定版となるか?

5 ライバルは?

    小山安博  [2005/03/02]

    Picasa 2の画面

    さて、これまでiPhoto 5.0を、新機能を中心に見てきた。比較対象として主にアドビのPhotoshop Elements 3.0を取り上げてきたが、Photoshop Elements 3.0は編集機能が高く、Mac版ではアルバム管理機能を省くなど、iPhotoのライバルというよりは、共存する位置づけにあるように思う。

    では、iPhotoのライバルは何か、といえば、MacとWindowsの違いはあるが、Googleの「Picasa 2」だろう。Picasaは、従来29ドルで販売されていた製品であるが、Googleが買収したことで無料配布。今年1月にはバージョン2がリリースされた。

    Picasa 2では、ちょうどiPhoto 5.0のように画像編集機能、管理、検索機能が強化され、Googleらしい成長を遂げた。「Googleらしい」というのは、ちょうどGmailのようなスタンスで画像を管理する、というやり方だ。

    Picasa 2に取り込まれた画像は、フォルダごとに保存され、サムネイル表示画面の左側には各フォルダが表示される。フォルダは撮影年ごとに区切られ、サムネイル画面も、全画像をずらっと並べるのではなく、フォルダごとに区切りが入る仕組みだ。区切りは入るものの、全画像を一度に表示しているため、スクロールさせていけばiPhotoと同様にサムネイルでざっと閲覧する、といったことも可能。サムネイルサイズもスライドバーでシームレスに変更できる。

    こちらはデジタルカメラからの取り込み画面

    取り込み時にCaptionなどを入力することもできる

    メールをフォルダ分けせず、1カ所に集めて検索で探す、というのがGmailの管理方法だ。Picasa 2も、画像を探すために検索がうまく活用できる。検索は、iPhotoとほぼ同様で、検索窓が常時表示されているので、そこに検索語を入力すれば、ファイル名やキャプションなどから画像が抽出される。

    検索してみると、16,000枚近い画像の中から、1秒未満で検索される。検索すると、ちょうどGoogleのように検索に要した時間が表示されるので、そのスピードが実感できる。検索で引っかかるようなことはなかった(自作マシン/Celeron 1.70GHz/768MB)。

    検索は検索窓にキーワードを入力すればいい。画面は写真枚数が少ないが、1万枚を超えてもレスポンスはほとんど変わらなかった

    検索では、画像に星印を付与して、星印のある画像だけを抽出したり、ムービーだけを抽出したりすることもできる。スライドバーを使い、撮影日で表示する日付の範囲を指定することも可能だ。

    画面左下にはピクチャートレイが用意され、画像を選択して「Hold」ボタンを押すと、選択を解除しても画像はここに表示され続ける。いろいろなフォルダに分散した画像をまとめることが可能で、ピクチャートレイ内の画像だけを編集する、といったことができる。また、ラベル付けも可能で、ワンクリックで簡単にラベルを付与できる。

    画面下部にあるのがピクチャートレイ

    ラベル付けされた画像は、フォルダの上部に表示され、ここで簡単にラベルが付いた画像を確認できる。1つの画像に複数のラベルを設定することも可能だ。

    ちなみに対応する画像形式は、JPEG、TIFF、BMP、GIF、PSD、PNG、さらにRAW、AVI/MPEG/WMV/ASF/MOVの動画ファイルにも対応。iPhotoやPhotoshop Elements 3.0と比べても遜色はない。Exif情報の表示にも対応する。ただ、EOS Kiss Digital/EOS 20DのRAW画像で調べたところ、RAW画像のExif情報は取得できていなかった。JPEG画像のExif内の縦横情報はきちんと判別しているようだが、RAW画像についてはこれも未対応のようだ。

    画像の修正も簡単だ。このあたりの簡単さはiPhotoに通じるものがある。自動補正が「I'm Feeling Lucky」というあたりはGoogleらしいところだ。明るさの補正からハイライト、シャドウ、色温度、ワンクリックホワイトバランス、12種類のエフェクトと、気軽に画像編集をする分には支障がない程度に、補正機能も用意されている。

    Picasa 2の編集画面。写真左はRAW画像のため縦横位置が取得できていない。写真右は補正中の画面。ヒストグラムの表示も可能

    Picasa 2の面白いところは、画像への編集に対して、iniファイルを使って編集結果を保存する、という手法だ。画像の回転情報、各種フィルタの適用など、テキストベースで書き込まれており、画像には全く手を加えていない。そのため、iPhotoなどと同様に、いつでもオリジナル画像に戻すことができる。iPhotoやPhotoshop Elements 3.0のように画像をコピーするのではなく、テキスト形式のiniファイルに保存するため、画像が増えてHDD容量を圧縮することもない。ただ、もちろん修正した画像は、Picasa 2内でしか閲覧できず、他のビューワーソフトを使うと、修正前の画像が表示されるだけ、ということになる。

    各画像フォルダ内に保存されるiniファイル

    編集後の結果をファイルとして残したい場合は、[Ctrl]+Sで画像のコピーが保存される。この場合もコピーを保存するだけなので、オリジナル画像には影響せず、いつでも編集を破棄してオリジナル画像に戻せる。

    またGoogleのもつBlog(「Blogger」)や「Hello」を使った画像の共有機能や、Eメールでの画像送信、写真集の注文など、.MacやPhotoブックを用意するiPhotoと似通ったソフトといえるだろう。ちなみにiPhoto 5.0は1月12日発表、Picasa 2は19日発表なので、その意味でもやはりこの2製品をライバルとして挙げたい。

    ただ、現在Picasa 2には最大の弱点がある。日本語が通らない、という点だ。日本語のファイル名やフォルダ名は文字化けするし、日本語の検索もできない。日本でもサービスを展開しているGoogleでもあるし、ぜひとも日本語版、せめて日本語対応のPicasa 2をリリースして欲しいところだ。

    とはいうものの、そもそもiPhotoはMacintoshのみ、Picasa 2はWindowsのみの対応なので、決して直接競合する製品ではない。しかし、2製品ともコンセプトも近く、よく練られた使いやすい製品であるため、今後の両製品の展開が興味深いところだ。

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