【レビュー】

「iPhoto 5.0」 - 画像管理の決定版となるか?

4 まるでJPEGを扱うようにRAW画像を扱える

小山安博  [2005/03/02]

RAW画像への対応もみてみよう。同社Webサイトの情報によれば、対応するRAWフォーマットは、EOS-1D Mark II/1Ds、EOS 20D/10D/D60、EOS Kiss Digital、PowerShot Pro 1/G5/G6、DiMAGE A2、D100、D2H、D70、COOLPIX 8700、C-8080 Wide Zoom、DSC-F828となっており(2月6日現在)、決して対応カメラが多いとはいえないが、今後の対応拡大に期待したい。

iPhoto上では、RAW画像も、JPEG画像と変わらない手順で扱うことができる。画像の表示速度も、JPEGと違いは感じない。編集もJPEGと同様、自動補正や各種調整が可能だ。RAWをJPEGと同じ手軽さで扱える、という点では、Photoshop Elements 3.0にもなかった点だ。Photoshop Elementsも、3.0で初めてRAWに対応したが、RAW画像を編集しようとすると、まずPhotoshop CSに近いRAW現像画面が立ち上がるため、初心者でも簡単に扱える、という感じではない。iPhotoは、簡単にJPEG画像と全く同じ感覚でRAWを扱える、という点で、初心者向けのRAW現像ソフトともいえる。

しかし、その分機能は限定されている。一般的なRAW現像ソフトには搭載されている、細かな現像パラメーターの設定ができないのは、上級者には物足りないかもしれない。ただ、設定から画像編集ソフトを指定すれば、ダブルクリックでそのソフトが立ち上がり、画像編集後はそれがすぐにiPhoto上で反映されるため、Photoshopなりを指定すれば良さそうだ。とにかく、iPhotoの編集機能は手軽さが売りのため、機能の充実よりも簡単さの方が重視された結果ということだろう。

少々不思議なのが、EOS Kiss Digitalで撮影したRAW画像の場合、Exif情報が完全に取得できていない点。取得できるのはシャッタースピード、絞り値、ISO感度だけで、撮影日と思われる「オリジナルの日付」も表示できない。しかもなぜかカレンダー表示をすると、撮影日の1カ月前の日付上に表示されてしまうのだ。同じ日に連続して撮影し、同時に取り込んだJPEG画像とRAW画像のうち、RAW画像だけが丸1カ月前の日付のフォルダに保存され、カレンダー表示でも1カ月前の日付に表示されるなど、少々挙動に謎がある。調べてみると、EOS 10Dで撮影したRAW画像でもKiss Digitalと同様の挙動を示していた。

連続して撮影したJPEG画像(左)とRAW画像。RAW画像ではオリジナルの日付が取得できていない

ちなみに、iPhotoで取り込んだ画像をFinderで見てみると面白いことが分かる。それを見ると、どうもiPhotoは、RAW画像取り込み時に最初からJPEG現像を行っているようなのだ。一度も編集していないRAW画像でも、親ディレクトリ内に同じファイル名のJPEG画像が、取り込んだ日時と同じ頃に作成されていることからそれが分かる。

つまり、iPhotoは取り込み時にRAWの現像を行い、実際のサムネイル表示や編集画面では、オリジナルがRAW画像であってもJPEG画像を扱っている、ということになる。この状況で編集を行うと、オリジナルのRAW画像を現像したJPEGファイルが「Original」フォルダに移動して、また新たなコピーファイルが作られる、という仕組みのようだ。

そのため正確に言うと、iPhotoではRAW画像をJPEG画像と同様に扱える、というよりは、RAW画像にはほとんど触れずに、RAW画像であっても最初からJPEGとして扱う。RAW画像であってもJPEG画像と表示速度は同等だし、編集機能が同等なのも当たり前のこと、といえるだろう。これはRAW画像でもJPEGと同様に手軽に扱う、というスタンスから考えると、よく考えられた仕様だと感じた。

たとえ実際にはJPEGを扱っている場合でも、iPhotoからファインダにドラッグ&ドロップして画像をコピーする場合などは、きちんとRAW画像がそのままコピーされるので、本格的なRAW現像を別アプリケーションで行う、という手法を使ってもいいだろう。ただ、画像編集に別アプリケーションを割り当てている場合、ダブルクリックでアプリケーションに送られる画像は、RAW画像ではなくJPEGとなるので注意が必要だ。別アプリケーションでRAWの現像を行う場合は、直接ドラッグ&ドロップしかない、ということになる。この場合、別アプリケーションで現像した画像はiPhotoの管理下にはおかれないので、この辺りは使い分け、ということになりそうだ。

動画も対応

今回から、新たに動画の管理にも対応した。QuickTimeが対応する動画ならばおおむね扱えるようで、サムネイルでの管理に加え、ダブルクリック時にはQuickTimeが立ち上がり、動画の再生が可能。動画は基本的にはサムネイルでの管理と再生しか対応しないが、この辺りはだいたいどの画像管理ソフトも同様だろう。デジタルカメラでも動画撮影機能がずいぶん実用的になってきているので、今後、こうした画像管理ソフトでも動画への対応が強化されていくかもしれないが、現時点では、動画の編集にはiMovieなどを利用する必要がある。

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