【レビュー】

「Mebius PC-XG70H」、手ごろサイズで高品位なAVノートPCを試す

1 高スペックと曲線美にうなる

    加藤勝明  [2005/02/24]

    手ごろな大きさの高品位AVノートはないのか?

    15インチ液晶搭載機なので、それなりにデカい感じはするが、ワイド液晶搭載ノートよりは圧迫感が少ない。ビジュアル観賞時の迫力は控えめだが、実務をこなしながら楽しむ、という場合には適正サイズといえるだろう

    いま、いわゆる"AV志向ノート"といえば、「大画面ワイド液晶」「TVチューナ内蔵」「(特製の)スピーカー&バスレフユニット」そして「インスタントAV機能」という"4点セット"を備えたマシンが浮かび上がる。だが、こうしたマシンは雑誌の見開き程度のスペースを占有するため、省スペースとは言い難い。筆者宅のようにリビングに生活感溢れるアイテムを多数導入している(つまり物置&仕事場兼用、かつ狭い)ような住環境において、特大サイズのノートPCというのはクオリティにおいて魅力的ではあるが、大きさがネックになってしまうのだ。

    そこで注目したいのが、ワイドではない、縦横比4:3の液晶を搭載したノート。ただしTVチューナ等のAV系機能は満載、という少々ワガママなスペックを備えたもの。今回はそんな条件を元にサーチして引っかかったシャープの新モデル「Mebius PC-XG70H(以降Mebiusは省略)」をチェックしてみたい。

    液晶以外のコンポーネントが一新

    PC-XG70Hの見どころは、シャープのお家芸が最大限に発揮された高品位液晶だ。昨年モデルである「PC-XV70G」と同じ、輝度630cd/m平方メートルを誇る15インチのASV方式ブラックTFTを継承している。だが、ベースとなるプラットフォームが大きく刷新され、昨年までのXVシリーズとは一線を画した仕様になっている点に注目したい。

    まずCPUがモバイルAthlon XP-M2400+から、低電力モバイルAthlon64 2700+&RADEON XPRESS 200Mへと大きくジャンプアップした点に注目したい。CPUの世代がK7からK8に上がったことで、64bit対応はもちろんだが、Nx bit(インテル流でいうXD bit)が利用可能になったのが嬉しい。

    グラフィック機能も前モデル比較すると格段の進歩を見せており、FINAL FANTASY XIオフィシャルベンチマークソフト3でも2,632(Lowモード)、3DMark2001SEでは3,563というスコアを叩き出す。今流のヘビーなゲームをフルオプションで楽しむのは難しいが、少し前のゲームであればそこそこ動く、という印象だ。

    もう1つ見逃せないのがHDDの大容量化だ。TV録画の長時間化を狙ってか、PC-XG70Hには80GBのHDDが2発、合計160GB分が搭載されている。ワイド液晶を搭載した大型ノートでは増えつつある装備だが、このサイズでは比較的珍しい。

    Enterキーと右Shiftキーを広めに設けてあるキーボード。Enterキーの右にHomeキーなどがあると、うっかり押して悶絶してしまう筆者にとっては、非常に嬉しい配置だ

    キーボード上部左から2番目のボタンを押すと、液晶の輝度が全体的にアップする。黒がかなり浮きぎみになるが、TVやDVD観賞に向いた画質にチェンジできる。TV起動ボタンなどはあるのに、専用のハードウェア的なボリューム調整ボタンがないのがやや残念だ

    秀逸な本体デザイン

    PC-XG70Hでもう1つ注目したいのは本体デザインの良さだ。液晶を展開すると、パームレストからヒンジ、そして液晶までが優しく波打つ曲線(に見える)で構成されたデザインになっており、非常に大人っぽいというか、デザイン文具のような外観だ。昨年のXVシリーズは宇宙戦艦系のデザインだっただけに、この進化には正直驚きだ。

    また、手が触れるパームレスト部分や液晶部天板にはツヤのある表面処理が施されており、汚れがつきにくくなっている事にも注目しておきたい。

    ただ、個人的には本体下部パーツやパッドのボタンなど、細部の質感や造形に安っぽさが感じられる点だけは、少々いただけない。全体がよいだけにかなり残念だ。

    本体前面には2層対応のDVDスーパーマルチドライブにメモリースティックスロット。各種インジケータLEDの格納されている部分はミラー加工になっており、AV機器風の雰囲気。パームレストのツルツル感がこの写真から伝わるだろうか?

    個人的に非常に感銘を受けたのがこの部分の処理。緩やかな曲線を描くスピーカーユニットのラインが非常に美しい。この上物の美しさに対して、下部の樹脂パーツにチープ感が漂うのが非常に残念。ちなみに、本体左側面にあるコネクタは写真に写っているもののみ

    右側面はビデオ入出力用のRCAコネクタにPCカードと非常にシンプル。無線LANが内蔵されていないため、このカードスロットの運用がネックになるだろう

    背面向かって右側には外部VGAや有線LAN。左端に写っている排気口からは、動作時に結構な熱風が吹き出してくる。騒音レベルはそれほどうるさく感じないが、もう少し静かな方がサウンドを堪能する上では嬉しいかもしれない

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