【レビュー】

Pentium 4 600シリーズとPentium 4 XE 3.73GHzを試す

1 L2キャッシュ2MBの新製品

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既にニュースで報じられた通り、IntelはPentium 4の600シリーズとPentium 4 Extreme Edition(XE) 3.73GHzを発表した。早速これらの製品の詳細を確認してみたい。

今回発表されたのは、L2キャッシュを2MBに増量したPentium 4 630(3GHz)~Pentium 4 660(3.6GHz)までの4製品と、動作速度を3.73GHzに高めたPentium 4 XE 3.73GHzの5製品である。流石に製品の数がかなり多くなってきたので、ちょっとまとめてみたのが表1である。

表1
製品ブランド プロセッサナンバ 動作周波数 FSB L2 Cache Size L3 Cache Size Process Rule Stepping
Pentium 4 520 2.8GHz 800MHz 1MB なし 90nm D0
530 3GHz
540 3.2GHz
550 3.4GHz
560 3.6GHz
570 3.8GHz
520J 2.8GHz 800MHz 1MB なし 90nm E0
530J 3GHz
540J 3.2GHz
550J 3.4GHz
560J 3.6GHz
570J 3.8GHz
630 3GHz 800MHz 2MB なし 90nm N0
640 3.2GHz
650 3.4GHz
660 3.6GHz
Pentium 4
Extreme Edition
3.4GHz 3.4GHz 800MHz 512KB 2MB 130nm M0
3.46GHz 3.46GHz 1066MHz
3.73GHz 3.73GHz 2MB なし 90nm N0
表1
製品ブランド プロセッサナンバ 機能
SSE3 EM64T C1E TM2 EIST
Pentium 4 520 あり なし なし なし なし
530
540
550
560
570
520J あり なし(一部あり) あり あり なし
530J
540J
550J
560J
570J
630 あり あり あり あり あり
640
650
660
Pentium 4
Extreme Edition
3.4GHz なし なし なし なし なし
3.46GHz
3.73GHz あり あり なし あり なし

こうして見ると、今回の6xxシリーズと、昨年11月に発表された5xxJシリーズの違いは

  • L2キャッシュが2MBに増量された
  • EM64Tにフル対応した
  • EIST(Enhanced Intel SpeedStep Technology:拡張型スピードステップ)に対応した

というあたりが全て。XD bitとかC1Eステート、TM2(Thermal Monitoring 2)などの機能は、以前の記事で説明した内容と同じなので、ここでは割愛する。

残る項目についてだが、まずEISTに関してはどこまで動作速度が落ち、これによってどこまで省電力が実現できるか? というあたりが一番興味のあるところだろう。結論から言えば、AMDのCnQなどに比べると効果は薄いものになりそうだ。というのは、最低周波数は2.8GHzになっているからで、その上が3.2GHz、そして最高周波数という2もしくは3段階の調整しか無いからである。「なぜ2.8GHzなのか?」という質問はIntelサイドに何度か問いかけを行ったが、「特に理由はない」なんていう答えが返ってきており、不可解である。穿った見方をすれば、2.8GHzより動作周波数を落としてしまうと、Pentium Mと性能レンジが被ってしまうため、これを避けたというあたりがあるのかもしれない(Pentium Mの1.7GHzとPentium 4の2.8GHzが、場合によっては互角の性能を出すというのはこの記事の中で触れた事であって、2.1GHzまで高クロック化したPentium Mは確実にPentium 4 2.8GHz以上の性能を出すと思われる)。

ちなみにEISTにより2.8GHz駆動の際のTDPは発表されていないが、Pentium 4 520Jと大きく違うとは思えないところからみても大体84W前後を予定しておくのが無難ということになる。なお、全力動作時のTDPは、Pentium 4 660のみ115W、630~650は84Wとされている。またEISTに関しては、Windows XP SP2には対応する新しいプロセッサドライバが既に入っており、またLinuxではKernel 2.6.9以降は既にEISTに対応しているそうである。Windowsの場合、電源のプロパティで「バッテリの最大利用」などを選べば自動的にEISTが有効になるという訳だ。ちなみに例えばWindows XPのSP1aまでとかWindows 2000などに対応したプロセッサドライバの提供は予定されていないとの事である。

EM64Tに関しては、既にXeonと一部のPentium 4では実装がなされていたが、今回は全面的にこれが実装される形になった。もっとも現状で対応するOSはLinuxがメイン。主要なディストリビューションを見ても、全部エンタープライズ版ばかりの対応になっている。唯一デスクトップ向けに64bitに対応しているのはTurbo Linux 8 for AMD64だが、こちらは対応しているチップセットがAMD-8100シリーズのみ(nForce3のパッチが別に出ている)という状況で、ちょっと利用するには難易度が高い。そんな訳で、期待はやはりWindows XP Professional x64 Editionということになる。既にMicrosoftからはRC1(Release Candicate 1:製品候補版1)がリリースされており、こちらからリンクを辿ってこのRC1を入手することも可能である。もっとも現状では完成度もさることながら、アプリケーションの対応が今ひとつ。既存の32bitアプリケーションに関しては、格納されるディレクトリの名前が変わる関係もあってか、まともに動作しない(というかインストールできない)ものも少なくなく、またインストールしても動作がおかしいものも散見される。ドライバもまた、現状ではそれほど多くない。GeForce 6600 GTとかMarvellのYukon GbE ControllerのドライバなどがInboxで入っていたりするのは嬉しいが、そうかと思うと32bit版ではInboxにあった筈のドライバがなかったりする場合もあるし、またメーカー側も64bitドライバの準備状況は今ひとつ。そんなわけでまともに使えるようになるまでは、おそらくは今年一杯位はかかるだろう。そんなわけで、現時点でEM64T対応が嬉しいかというとかなり微妙なところだったりする。

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インデックス

目次
(1) L2キャッシュ2MBの新製品
(2) 90nmに移行したPentium 4 XE
(3) ベンチマーク環境
(4) ベンチマーク結果(1)
(5) ベンチマーク結果(2)
(6) 64bit対応について / 考察

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