【レポート】

デジタル時代の勝ち組を示す、電機各社の第3四半期決算

1 デジタル家電の失速

    大河原克行  [2005/02/10]

    電機大手各社の2004年度第3四半期(10~12月)決算が出揃った。

    決算会見などで各社の首脳陣が異口同音にコメントしたのが、デジタル家電の価格下落を背景にした業績悪化。「価格下落にコスト削減が追いつかなかった」という声が相次ぎ、それが各社の第3四半期の業績を厳しいものにしている。

    今回の決算発表で、電機大手9社のうち、ソニー、NEC、富士通、三洋電機の4社が減収、三菱電機が前年並みながら微減という結果。また、日立、ソニー、NEC、富士通、東芝、三洋電機の6社が営業利益でマイナス成長という結果。増収増益の好決算を発表したのは松下電器とシャープだけという状態となった。

    さらに、2004年度の通期見通しは、NECの今年度2度目となる下方修正をはじめ、6社が下方修正。上方修正したのは松下電器だけという結果。いわば、第3四半期の落ち込みぶりと、第4四半期での回復が厳しいとの見方をしている企業が多いことを示したともいえよう。

    デジタル家電景気を背景に業績を拡大してきた電機各社が、なぜ一転して、デジタル家電の失速という事態に追い込まれたのか。

    まず、前提としておきたいのは、各社に共通した見解は、デジタル家電そのものには失速感はないというものだ。

    「プラズマテレビは、前年比2倍で推移している」(松下電器)という声に代表されるように、デジタル家電製品そのものの販売台数は高い伸びを見せている。今後もこの勢いは持続するとみており、その点では各社の見方にブレはない。

    しかし、問題は大きく2点ある。

    ひとつは、供給過剰の問題だ。各社の積極的な生産設備への投資によって、液晶パネルやプラズマパネルなどのキーデバイスが、需要を上回る数量の生産が行われていることで、価格競争を引き起こしている。また、DVDレコーダーでは参入メーカーが一気に増え、これも供給過剰の温床となった。

    「DVDレコーダーは、アセンブリだけでも参入できる分野。これが多くのメーカーの参入を促し、結果として値崩れを引き起こしている。多くの電機メーカーがもっと大切に売りたいと思っているにも関わらず、それとは裏腹にメーカー自らが不用意に価格を引き下げてしまっている状況」(業界関係者)という指摘もある。

    アナリストの間では、供給過剰の状況はもうしばらく続く可能性があるとして、これが価格下落に直結し、電機各社の業績悪化に影響すると見ている。

    富士通・小倉正道取締役専務

    プラズマ事業や液晶事業の再編に乗り出している富士通では、「デジタル家電が調整局面に入り、これが業績を直撃した」(小倉正道取締役専務)と語る。

    具体的には、電子デバイス事業において、「PDPの収益は、前年同期はプラスだったが、今期は約40億円の赤字。LCDは、昨年はなんとかプラスだったが、今期はやはり2けた台の億単位の赤字。一巡感やひとつの踊り場的状況にある」と、プラズマ、液晶事業の苦戦ぶりを強調した。

    NECでも、デジタル家電向けに部品を供給しているNECエレクトロニクスの業績悪化を背景に、エレクトロンデバイス事業は、売上高が前年同期比13.2%減の2,049億円、営業利益は前年同期に比べて155億円減少の21億円で減収減益。「携帯電話やデジタル家電向けの半導体が、顧客サイドでの在庫調整局面に入ったことが大きな理由」とし、同部門は、通期見通しを売上高で350億円下方修正の8,750億円、営業利益では170億円下方修正の380億円とした。

    第3四半期から第4四半期には、デジタル家電の過剰供給を背景にした調整局面に入っているというのは各社に共通したものであり、この局面がいつ打開するのかに注目が集まっている。

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