【レポート】

CES 2005 - 今年のキーワードは「HD」、大画面、Blu-ray/HD DVDがしのぎを削る

    小山安博  [2005/01/12]

    2005 International CESのテーマは、なんと言っても「HD」(High Definition)だった。いわゆるフルHDは、1080P(1980×1080)の高解像度を誇り、すでに国内で開始されている地上デジタル放送でも採用されている。ただ、フルHDの映像を観るためにはそれに対応した機材が必要で、今年のCESは、それがテーマとなったわけだ。

    特に大々的だったのがテレビだ。たとえばSamsungは、世界最大の102型プラズマTVを発表、液晶TVではシャープが65型のAQUOSを発表している。「最大」の競争だけでなく、松下電器産業、パイオニア、LG電子など、各社がフルHDに対応した大画面TVを出展。いずれも前面に押し出した展示で、各社とも力が入っていた。

    Samsungの世界最大102型プラズマTV

    シャープの65型液晶TV。ならんでいるのは45型

    松下電器産業。プラズマ、リアプロTVを展示

    パイオニアの61型プラズマTV

    Syntaxの50インチLCOS TV

    またエプソン、富士通、日立製作所、松下電器産業、三洋電機、ソニーが「3LCD Group」を設立。3LCDは、680億7,000万色を表現でき、コントラスト比6000:1を実現するなど高画質で、ビジネス向けプロジェクタでは65%のマーケットシェア、900万のプロジェクタ用エンジンの出荷を達成しており、「マイクロディスプレイ、フラットパネル、プロジェクションでどれがいいのか、という混乱を解決する」技術だという。エプソンのブースでは、実際に他のディスプレイとの比較を中心に3LCDディスプレイを展示。優位性を強調していた。

    エプソンブースにおける3LCD採用TV

    写真では分かりづらいが、3LCDとDLPの比較

    大画面TVで観る映像はTV放送だけではない。デジタル放送の高画質をそのまま録画するための機器として登場してくるのがBlu-ray Disc(BD)/HD DVDだ。いずれも大容量の次世代光メディア規格で、フルHDの録画・再生に対応。さらに新たな著作権保護技術もサポートしており、ハリウッドなどの映画業界からも注目を集めている。

    Blu-rayに関してはすでにソニー、松下、シャープから製品が登場しており、今年中には再生専用のBD-ROM規格も策定される予定だ。今回のCES 2005でも、新たにElectronic Arts、Vivendi Universal Gamesというゲームメーカーや、Sun Microsystemsなども賛同メーカーに名乗りを上げ、順調な拡大をアピール。プレイヤーとしても、各社から端末が展示されていた。

    各種Blu-ray Disc製品。こちらはシャープのBlu-ray/HDDレコーダー

    こちらはPhilipsのデモ機

    SamsungのBlu-ray Discプレイヤー

    PioneerのBlu-ray Disc/DVDドライブ(プロトタイプ)

    松下のBD-ROMプレイヤー(プロトタイプ)

    パイオニアのBlu-rayレコーダー

    それに対するHD DVD陣営は、すでに年内に発売する映画などの作品を発表。端末がなかなか登場せず、Blu-ray陣営に先行されているかに見えたHD DVDも、順調に立ち上がりそうだ。対応作品は公表されたが、具体的な対応機器は正式に発表されていない状態だが、各社が機器を展示しており、こちらも順次発表されていきそうだ。

    三洋のHD DVDレコーダー試作機

    こちらは東芝

    NECのHD DVDドライブ。映像はVC-1形式

    こちらはHD DVD/DVDのドライブ。こちらの映像はH.264で、いずれもソフトウェアでエンコードしている

    PC用のHD DVDドライブとピックアップ

    TVと録画・再生機器に加えて、CES 2005ではHD対応のビデオカメラや家庭内ネットワーク機器も出展。電源コンセントを利用するHomePlugやPLC、UWBによる家庭内のデータ伝送を各社が提案していた。

    カメラでは、すでにHD対応民生機を発表しているソニーに加え、松下も対応製品を参考出品。今後はHD対応ビデオカメラが続々登場してくることを予想させた。

    松下のHD対応ビデオカメラのプロトタイプ

    HomePlugでは、業界団体のHomePlug Allianceが、家庭内のコンテンツをやりとりするための「HomePlug AV」仕様の1.0を3月末までに策定、屋外の電力線を使う「HomePlug BPL」を今年12月までに完成することを明らかにしている。

    松下が出展していたPLCを利用した各種HD対応製品。写真はルーターとネットワークカメラ

    これはPLCのLSI、アダプタ

    HDデータを蓄積、配信するサーバー

    車でもHD

    これは東芝のUWBのデモ

    1月6日には、松下電器産業、三菱電機、ソニーの3社がCEPCA(CE-Powerline Communication Alliance)を設立、PLCを利用したホームネットワークの普及促進を目指すことを明らかにしているが、これ自身もHomePlugへの提案が予定されているそうだ。

    関係者の間では、こうした展示会などで「HDを語れるのは今年だけ」という意識があるようだ。実際、来年以降は、少なくとも新技術・新製品のお披露目の場である展示会でHDを語るには、すでに当たり前の状況になっている、というのがその理由。

    今までのアナログ放送で使われていたSDから、より高精細なHDへ移行していく、ちょうど分岐点となる展示会が、今回のCESだった、といえるだろう。

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