【レポート】

CES 2005 - 組織改革を進めるPanasonic、HD-PLC向け新チップを開発

Yoichi Yamashita  [2005/01/08]

松下電器産業の米国法人Panasonic Corporation of North Americaが5日、2005 International CESでプレスカンファレンスを開催した。同社は昨年までMatsushita Electric Corporation of Americaという社名だったが、2005年1月1日から同社のブランド「Panasonic」を名称に組み込んでいる。これは同社が進めている大規模な組織改革の一つ。日本では創業者である松下幸之助氏に由来する「松下」という名前がよく知られているが、米国ではPanasonicという名称の方が顧客やチャンネルパートナーに浸透している。そこでブランド力を前面に押し出すために、社名から伝統的なMatsushitaという名称を消した。北米PanasonicのCEOである山田喜彦氏によると、名称変更によって、より"消費者本位の企業"というイメージが強まり、チャンネルパートナーからも支持されているという。

プレスカンファレンスでは、まず「我々はプラズマTV企業である」と宣言。大阪茨木の第2工場が稼働している現在、松下は月間15万台のプラズマディスプレイ(PDP)を生産する能力を持つ。11月には尼崎新工場が生産開始を予定しており、2006年3月には年産200万台到達、世界の生産シェアの40%獲得を目指す。

続いて、米Hewlett-Packard(HP)との記録型DVDに関するパートナーシップが発表された。それぞれが推すフォーマットを相互採用する。具体的には、PanasonicがDVDレコーダーにDVD+RとDVD+RWを追加、HPがデスクトップPC向け記録がDVDドライブでDVD-RAMをサポートする。互換性を高めることで、消費者にシームレスな使用体験を提供するのが狙いだという。

記録型DVDフォーマットでHPと相互協力

記録型DVDフォーマットで結びついた両社は、Blu-ray Disk(BD)に関しても協力体制を維持する。また、HPとのパートナーシップとは別に、Panasonicはプロフェッショナル向けBD-ROMのオーサリングシステムについて、Sonic Solutionsと共同開発することを明らかにした。

ネットワーク関連では、High-speed Power Line Communication (HD-PLC)向けの「MN1A92080L」というチップセットを搭載したアダプタが紹介された。MN1A92080Lは、WaveletベースのOFDM(WOFDM)方式をサポートするPHY、CPU、MACレイヤ処理回路などを統合したチップである。WOFDMを採用したことで、ノイズがFFT(Fast Fourier Transform)方式よりも20dB以上軽減したそうだ。既存の電力線で170Mbpsの高速伝送を実現。2台のHDTV、IPフォン、データ電送を同時に行える。TDMAベースのQoS機能により、伝送速度の変化に柔軟に対応し、高解像・高品質のビデオと音声をユーザーに提供する。同社は2005年春までに同チップの提供を開始する予定。

HD-PLCの新チップセットを搭載したアダプター

MN1A92080LはWOFDMを土台とする独自方式だが、平行して高速電力線通信に取り組む機器供給メーカーの間で共通仕様を確立する取り組みも進めている。松下電器産業は6日、三菱電機とソニーと共に電力線を利用したホームネットワーク技術のアライアンスの設立を発表した。方式の異なるメーカーのシステムが干渉するのを回避し、同一ネットワーク上での共存を実現する方法を検討する。手軽に高速かつセキュアなネットワークを構築できるのが高速電力線通信の魅力だけに、普及を目指す上で、家電メーカーやIT企業が幅広く参加できる体制づくりも必要になる。

デジタルエンターテインメント・サービスへの対応も進んでいる。米Yahoo!の子会社Musicmatchとジュークボックス・ソフトウエア「Musicmatch Jukebox」のライセンス契約を結んだ。同ソフトをPanasonicの4つのポータブルオーディオプレイヤーにバンドル。Musicmatchのオンライン音楽ストアサービスにも対応する。

Musicmatchのライセンス契約と共に対応するポータブルオーディオプレイヤーを紹介

また、SDカードで最新のMicrosoftのWindows Media DRMをサポートする計画も進んでいる。実現すれば、Napster、MSN Musicなど、PlaysForSure準拠のサービスをSDカードを使って楽しめるようになる。

Windows Media DRM対応のオンラインサービスをSDカードでサポート

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